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才能屋  作者: ハル
1章 迷子の営業マン
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何のために生きているのか

その日の夜、家に帰っても何もする気が起きなかった。


コンビニで買ったビールと、半額になった総菜だけが夕飯だった。


テレビをつけても、スマホを開いても、どこにも「自分」はいなかった。

世界は回っているのに、自分だけが取り残されている気がした。


布団に入っても、すぐには眠れなかった。


—


「……俺って、何のために生きてるんだろう」


真っ暗な部屋の中で、ふと漏れた言葉。


誰かに答えてほしかった。

でも、誰もいない部屋には、静寂だけが戻ってきた。


—


カケルは、天井を見上げた。


何も変わらない日々。

誰もいない部屋。

空っぽの胸。


——このまま、俺は消えていくのかな。


そんなことを考えながら、目を閉じた。


明日も、きっと同じ一日が始まる。

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