第5話 友人
サイト「暗い日曜日」で稼げたという事が確信に繋がった。
口座に5万円が送金されていた。
送り主は不明。
これから依頼をこなすかどうか、迷うことはなかった。他の稼ぎ道が無い。
5万円以上の依頼を選んでいく。
俺はいつも成人男性を得意分野としてこなしていた。
得意と言うより、良心の呵責が少ない。
顔写真と名前を思い浮かべ、敷布団の上に寝そべった。
ーーー
敷布団からテレポートしたように、他人の夢に入り込めていた。
和風の一軒家。
民家の玄関に俺は立っていた。
どうして入るべきか迷ったが、ノックもせず静かに入る事にした。現実なら不法侵入になるが、ここは夢の世界。法律など存在しない。
この世界で気付いたことがある。
俺が思い浮かべた拳銃が手のひらに現れることだ。
夢っぽい面白い仕様だ。
仕様なのか何なのか分からないが、手品のように自在に出し入れできる。
拳銃をしまって、廊下を歩く。
玄関から入った廊下の突き当たりに階段が見えた。
そこを上り、2階へ向かった。
先ずはこの家の面積や構造から見ていく。
見た感じ木造建築。如何にもな和風建築だ。
1階と雰囲気はあまり変わらない。
落ち着いた雰囲気の床や畳。
障子が小さく開いていた。
様子を見るために入ってみる。
何の変哲もない畳の部屋。
留守だとしたら、戸締りはしていなさそうだ。
誰かが今までいたのだろうか、ターゲットがいるのか?
突然、後頭部に冷たさを感じる。
俺は察して両手を上げた。
「おい、お前殺し屋だろ。」
太い男の声だった。
ターゲットか?
いや、写真ではか弱い色白の男性だった。
こんなイカつい声だとは思えない。
「先客かよ」
俺は思わず返した。
両手を上げたまま、銃を出現させた。
「………なるほど、元殺し屋って所か」
「なぜ分かる。その根拠は」
「馬鹿だな。カマかけただけだよ。」
勝てる。
両手に拳銃を生成し、振り返る。
大柄なスキンヘッドの迷彩服が銃を構え直した。
至近距離、同時に2発、今なら行ける。
ここは夢だ。出来る筈。
両腕で同時に銃弾を放つ。
男は両腕を前にするようにかまえた。
男の肘から先が破裂し黒い液体が飛び散る。骨を覆うように黒い液体が現れ、それがそのまま刃のように硬化した。
俺の放った銃弾は硬化した男の腕に弾かれ、畳の上に転がった。
「それも、夢の特性か?」
「知らないのか?お前。例えばこんな風に………」
男の硬化した拳が俺のみぞおちに打ち込まれる。
思わず蹲る。
左頬に鈍い衝撃が走り、俺は畳の上で蹲る。
「そういえば、この世界で死ぬと………8時以内に死ぬそうですね」
痛みに耐えながら俺は言った。
「フッ………当たり前じゃないか。まるで初心者だな。そういえば、この家でアツいもの見つけたんだよね」
男は刀を持ち出し、蹲る俺の横腹にそのまま刀を向けた。
俺は死を悟った。
いっせーの!
思わず目を瞑った。
ーーー
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ………
目が覚めた。
明らかに殺されかけた。
ギリギリ起きれたが、あの時眠ったままだと確実に殺されていた。
ピピピピ………目を開けた。
何の音かと思えば、
電話の音か。
河原だった。
「おい、起きてるか!?岸本が事故ったって!!!お前親友だろ?だから連絡………とりあえず!病院来て!!」
「え」




