第3話 入金
「はあ、はあ」
妙な汗をかいていた。
悪夢を見たときの感覚だった。
どんな夢を見たのかは曖昧だったが、
引き金を引いた瞬間、男の胸から液体が噴き出す光景は覚えている。
朝の8時
俺は確かに夢の中で人を殺した。
よく分からないが、
これで人を殺した事になる………のか?
通帳の番号と住所を「暗い日曜日」のサイトに入力した。話通りならば、依頼通りに人が死んでいれば、通帳に5万円が振り込まれるらしい。
「チッ、なんだよこれ」
画面に住所を入力したが、「ハンドルネームを設定してください」と赤い文字が表示された。
なんだ。適当で良いのか?
そうだな、名前は「暗い日曜日」にちなんで、Sundayにしておくか。
適当に「Sunday」と名前を入力する。
しかし、「数字を含めて下さい」と表示された。
「数字入れりゃいいんだろ?数字を」
結果、ハンドルネーム。
ユーザーネームでもなんでもいいが、
名前は「Sunday123」となった。
まあ、眉唾物だ。
そう一蹴しながらも、俺は銀行へ向かった。
ーーー
中学生 鉄神冷は、自室にいた。
ゲーミングチェアに座り、ヘッドフォンを付けていた。棚には、狼のフィギュアと、漫画本が並んでいた。ゲームと漫画と狼キャラが好きで、一言で言うと狼が好きなインドア派である。
ーーー
クラスでは、鉄神冷が登校しなくなってから1ヶ月が経とうとしていた。
「そういえば、最近アイツ来ないよな?」
「なんでだろ。別に病むタイプでも無いし、事故かな?」
「いや、事故なら何か先生が言うはずだよ」
「それもそうか」
ーーー
彼は、薄暗い部屋の中、パソコンを操作する。
「よしっ!勝った!!!」
パソコン画面にはwinという3文字がキラキラと輝いている。
FPSゲーム「ガンPVP」ではユーザーネーム「ウルフ」としてプレイしている。その中では圧倒的エース。日本2位だった。
鉄神冷は、fpsのチームメイトからも「ウルフ」として慕われている。
ユーザー245「ウルフさん、強いっすね。ホントに中学生ッスか?」
ウルフ「ただ練習あるのみです!」
鉄神冷は、胸を張った。
由美「日本ランカーが言うと説得力ありますね。ウルフさん」
ウルフ「ありがとうございます!!」
ユーザー245「ウルフさん、落ちますね!」
ウルフ「ああ、また明日!」
ゲームが終わったあと、パソコンを閉じる。
静かにヘッドフォンを外す。
冷は机の上で頭を抱えた。涙が頬を伝い、机を叩く。
「ランカーでも、2位じゃダメなんだよ!!」
鉄神冷は、日本1位のプレイヤーの顔写真を検索する。
「コイツさえ……居なければ!」




