大阪代表 夜の作戦会議②
改めて、組み合わせが北海道、宮城、山口の順に当たり、総当たりのリーグ戦という予選形式である。
『でも、みーくん。抽選でいきなり、大仕事だねー』
「どういうこと?」
『悪くないクジ、引いたよねってことよ』
「そういや、仙崎や周りもそんなこと言ってたなー」
「ほら、言うたやろ?」
『逆に言えば、相手側もそう思ってる可能性は高いわ。相手も間違いなく、本気で予選リーグ突破を狙って、モチベーション高く向かってくると思う』
結姫のその声が聞こえると、メンバー全員がこわばり、張り詰めた空気になる。
『まあまあ、みんな、そう硬くならないで。はじめに言ったけど、悪くないところ引いてるから、こっちも本気で勝ちを狙っていきましょう』
結姫がそう言うと、今度は全員が気を引き締め直した。
「まぁ、この中で一番、強いのはA級選手が2人おるうえにB級以下のやつらも揃えてる宮城やろうな」
早速、仙崎がそう口を開く。
『たしかに宮城県チームが総合的にはこの中では強敵だけど、私はそれよりも初戦であたる北海道チームの方が不気味かな』
結姫から意外な名前が出て、戸惑うメンバーたち。
「北海道は主将の伊藤がA級以外はD級(初段)が2人いるだけやないですか。伊藤には光輝でいけるとして、仮に当たらなくても他で勝てるやろ」
と、仙崎がやや楽観的に言うが、
『忘れたの? 選考会の時、あなたたちがみーくんをどう見てたかを』
「あ」
結姫にそう言われて、光輝以外の一同がハッと気づかされた。
『みんな、最初はみーくんが無段で実力的にもそう思って、甘く見てたでしょ? でも、実際は段位や級以上の実力を持ってたじゃない。北海道、特に道東地区の人とかって大会に参加すること自体が難しいから、段位以上に強い人が紛れててもおかしくないわね』
「そういえば、北大の受験は道内の人でも前々日には現地で宿泊するって話聞きますね。今年、受験シーズンとStormのライブが重なって問題になってましたね」
荻野が思い出したように言う。ちなみにStormは国民的男性アイドルグループで今年限りで活動を終了することが決まっており、そのラストツアーの真っ最中。それを受験と雪のシーズン真っ盛りの北海道が会場になったことで界隈は大荒れだったようだ。
『たとえば、この副将の平川、四将の鈴木っていう人が怪しいわね。D級の人たちを差し置いて、無段の人がこの位置にいるってことは有段者と同じかそれ以上の強さは持ってると思った方がいいわ。なにせ、この2人は大会に出てる情報が全くないの』
要は大会に出る機会がないため、段位や級が上がらないまま強くなった可能性がある選手ということだ。それこそ、光輝が大会に出ずに結姫と何年も練習に付き合う間に強さを身に着けたように。




