大阪代表ラストミーティング① 3年生組の挨拶(仙崎拓也、殿山三枝、渡辺亜美)
まずは引率かつ監督の後藤先生が冒頭のあいさつをする。
「え~、私からはとにかく、3年生、お疲れ様でした、というのと、2年生以下の皆さんにはこの経験を糧に、各校にこの経験を持ち帰って今後の練習に生かしてほしいということだけです。そして、素晴らしい戦いぶりを見せていただき、ありがとうという言葉しかないです。では、3年生の皆さんからそれぞれ、言葉をいただきましょうか。じゃあ、まずは仙崎から」
準々決勝の試合後はかなり泣き崩れていた仙崎も今はだいぶ、落ち着いているが、相当、泣き腫らしたのか、目はまだ真っ赤だ。
「えー、さっきは取り乱してすいませんでした」
その一言から始まると、みんなから笑いが巻き起こった。
「春日山でも近江神宮は予選リーグ敗退やったから、正直、ここまで来れるなんて思ってなかったし、予選リーグ突破できただけでも上出来やと思うけど、やっぱり、最後に運命戦で負けたのは悔しかったわ。負けた時、最後の1枚が届かなかった時、もっと、早くに真剣にかるたと向き合って、練習したらよかったって思うと、涙が止まらんかった。
2年生はまだ来年あるから、明日から…………いや、今日、これから、1日、1分、1秒、無駄にすることなく、かるたに向き合って、今年の俺たちを越えてほしいです。みんな、ありがとう」
仙崎がそう締めると、拍手が巻き起こる。
順番は時計回りのようで隣にいた読手コンクールに出た殿山の番になる。
「え~っと、私は読手コンクールに出場して、最優秀賞になって、よかったと思います。正直、最初は選手として出たかったし、複雑だったけど、今後の自分の経験になると思って、この4か月はこのコンクールに向けて全力で取り組んできました。ここにいる渚や愛なんか、練習でも詠んでたけど、最初、本当に取りにくかったと思う。付き合ってくれてありがとう」
殿山がそう言うと、山本と高山が苦笑いをしながら頷く。
「そして、わざわざ桜女に来て、読手の指導してくれた千代先生、桑野さん、花山さん、ここにはいませんけど、普段から顧問で指導していただいてる斎藤先生、本当にありがとうございました。強化練習でもこんな未熟な読みに付き合ってもらって感謝しかありません。私が最高の結果を残すことができたのもみんなのおかげです。ありがとうございました」
パチパチと拍手が起こると、次は金城大付の渡辺亜美の番に。
「私はキンフの主将として、この前の近江の団体戦も逃したし、個人戦でも入賞できなくて、テンション落ちた状態で強化練習に入ったけど…………その強化練習の時に花山さんや四条君から、私のことを『攻めの速さは他のメンバーにも負けてないよ。それは大きな武器』って言われて、それを信じて、やってきたら……宮城戦では最高の試合ができたなと思いました。
でも、今日の青森戦では自分の未熟なところが出ちゃって、力を発揮できなかったのは悔いが残ります。さっきの仙崎君じゃないけど、もっと、四条君みたいにかるたと向き合う時間を作ればよかったなと思いました。恵はまだ1年だし、これからもっと強くなると思うから、がんばってね。私も卒業までは時間あれば、練習付き合うから……」
渡辺が才木に向けて言うと、才木はハンドタオルで目元を抑えて頭を下げた。
「今年の大阪代表として、かるた取れたことは誇りです。みなさん、ありがとうございました」
渡辺がそう言って頭を下げると、拍手が起こる。




