↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
123/157

総文祭2日目 予選リーグ終了! 決勝トーナメントの抽選へ

 1日目のプログラムをすべて終えて、予選リーグの最終結果が発表された。明日の決勝トーナメントに進出する16チームはA~Mグループを1位通過した東京、京都、福井、埼玉、大阪、島根、静岡、福岡、群馬、千葉、神奈川、石川、青森の13チームに加えて、チームの勝ち数と将順成績により、ワイルドカードで熊本、栃木、宮崎の3チームが選出された。

 そして、決勝トーナメントの抽選に先立ち、読手コンクールの結果発表が行われる。エントリーしている殿山は生きた心地がしないのか、心臓をバクバクさせている。


「読手コンクールの部、最優秀読手は、大阪・桜花女子高等学校・殿山三枝さんです」


 放送係の女子高生が読み上げると、会場の参加者からは拍手が巻き起こり、桜女の山本と高山が「やったー!」と言いながら抱き合って、自分のことのように仲間の快挙を喜んだ。

 一方で他の大阪代表のメンバーは冷静に快挙を祝福した。


「まぁ、慣れてるとか、贔屓目なくても一番聞きやすかったと思うし、文句なしやろ」


「やっぱり、客観的に見ても殿山さんが一番、聞きやすかったよな」


 仙崎と光輝がそう言う感想が出るくらい納得の結果だった。隣にいた京都の杉本や滋賀の百合澤も「2試合目が一番、取りやすかった」と言うぐらいで、文句なしの最優秀読手だった。

 続けて、本番となる決勝トーナメントの抽選が行われ、それぞれの代表の主将が昨日と同じ要領でくじを引き、組み合わせが決まる。

 以下、決勝トーナメント組み合わせ。

 

 A 福岡県×群馬県

 B 京都府×神奈川県

 C 東京都×千葉県

 D 大阪府×青森県

 E 埼玉県×熊本県

 F 栃木県×島根県

 G 静岡県×石川県

 H 福井県×宮崎県


 準々決勝

 I Aの勝者×Bの勝者

 J Cの勝者×Dの勝者

 K Eの勝者×Fの勝者

 L Gの勝者×Hの勝者


 準決勝

 Iの勝者×Jの勝者

 Kの勝者×Lの勝者


 決勝(準決勝の勝者)、3位決定戦(準決勝の敗者)


 以上のような組み合わせとスケジュールで行われる。予選よりも試合数も多く、4連戦とタイトなスケジュールで行われる。

 さて、1日目のプログラムがすべて終わり、選手たちがぞろぞろと体育館から引き上げていく。


「おい、勝ったけど? 文句ねーだろ?」


 引き上げてきた大阪代表を出迎える結姫(ゆき)を光輝(みつき)が見つけて、開口一番、言い放った。


「うん、ちゃんと責任とれて、えらい、えらい」


 結姫が微笑みながら、そう言って、わしゃわしゃと光輝の頭を撫でる。


「まったく、試合前の不機嫌さはなんだったんだよ」


 光輝がガキ扱いすんなと言わんばかりに不貞腐れた口調で言いつつ、結姫に撫でられた手を振り払う。それに結姫は残念そうな目をするが、気を取り直し、


「そういえば、みーくん。決勝トーナメントもいいクジ、引いたんじゃない?」


「え、そうなの? 決勝トーナメントってどこも強いんじゃない?」


「今年の青森は例年よりは強いけど、地力なら宮城の方が強かったと思うから、可能性はあるかも」


「マジか。まぁ、あんまり欲張らないようにしよう。2日目行けただけでも十分だし」


「まぁ、そうなんだけど、8強入りしたら奨励賞もらえるから、狙ってもいいと思うんだけど……」


「とにかく、どこの誰が相手だろうと、俺はベストを尽くすだけだよ」


「そうね。じゃあ、明日も応援に来るから、みーくんもみんなも明日に備えて、ゆっくり休んでね」


「ゆき姉(ねえ)はどっかで宿取ってるの?」


「うん、さすがに岐阜市内はどこも満室だから、ちょっと高いけど、名古屋のホテルに泊まる予定」


 総文祭はかるただけではない。いろいろな文化部の種目が岐阜市内に集まっているため、周辺のホテルや旅館はほとんどが学校関係者で埋まっている。そのため、周辺で比較的、岐阜から近いところとなると、名古屋市内がアクセス的にも良好だ。


「ゆき姉、一人で大丈夫? 名古屋、車の運転荒いヤツ多いし、けっこう道、入り組んでる印象あるし…………ホテルまで辿り着ける?」


 結姫は基本、しっかり者であるが、欠点と言っていいのが暗い夜道が苦手なのとこの方向音痴な点である。案内版や地図アプリの方角を見てもピンとこずに逆方向へと突き進んでしまうタイプなので、光輝はその点を心配しているようだ。


「もう、バカにしないでよ。駅近なところだから、さすがに迷わないって」


「だったら、いいけど…………なんか、変なところに迷い込んで、危ない目に遭わないか心配なんだよ」


「心配してくれるんだ? ふふっ、やさしいな、みーくんは」


 いたずらっ子のような笑みを浮かべて言う結姫だったが、その頬は少し赤く染まっていた。光輝が本気で心配してくれることに照れた様子だ。少し、その優しさに甘えたくなる結姫だったが、気を引き締め直し、


「でも、大丈夫。そこは私が自分でなんとかするから。そっちこそ、ホテルに戻らなきゃいけないんでしょ?」


「あ、あぁ」


「じゃあね~、みんな~。明日も来るから~!」


 そう言って、結姫が踵を返して、一足先に去ろうとする。去り際に大阪代表の他のメンバーが「お疲れ様でしたー!」と言って手を振ると、結姫も振り返って、笑顔で手を振り返してから、レインボードームを去っていった。結姫も帰ってから、しばらくして、大阪代表もバスの時間になり、みんなが宿泊しているホテルへと戻った。

 ちなみにその2時間後、ホテルでの夕食時に結姫からホテルの道がわからないと光輝のスマホに連絡が来たのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。