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総文祭2日目 予選リーグ第3試合 VS.山口代表①(試合前ミーティング)

 熾烈な第2試合を戦い抜いた5名を暖かい拍手で迎えると、その5人の内、金星をあげた渡辺が金城大付の後輩・才木と抱き合い、「やったよー」と言いながら、安堵の表情を浮かべ、緊張の糸が解けたようだ。


「あーし、やりましたー…………」


 森田がそう言うと、ふら~っとよろめき、出迎えていた結姫(ゆき)が慌てて、抱きとめる。


「森田さん、大丈夫!?」


「え、あれ…………? いや、大丈夫です…………ちょっと、眩暈がしただけで…………」


 ただ、そう言う森田の顔色はあまり優れない。周りも心配そうに見つめる。


「うん、うん。今の試合、よく頑張ったわね。だから、次はゆっくり休んで、明日に備えて」


「でも…………あーしが出ないと…………」


「まだ、出てない子もいるし、その子たち、取りたくてうずうずしてるから……」


 結姫がそう言うと、まだ出番のない1年生・才木、3年生で唯一、出場のない高山の姿があった。直近の強化練習では目立った戦績はなかったものの選考会で好成績を残した選手たちだ。才木は来年以降に向けての経験を積ませたいし、高山は渡辺ほどの爆発力はないが、桜女での団体戦の経験もある。


「みんなを信じて、ね?」


 結姫がそう言うと、高山が「頼りないかもだけど、まかせて」とぐったり気味な森田に言い聞かせる。


「すいません。あーし、しっかり応援しますんで、よろしくお願いします…………」


 そう言って、席にへたり込んで、メンバー全員に森田が頭を下げる。


「大丈夫や。お前には責任、負わせへんから」


「えへへ…………頼りにしてます」


 仙崎にそう言われて、だいぶ力が抜けたのか、締まりのない笑顔を見せる。その様子を他の女子たちが微笑ましく見ていた。

 ただ、実を言うと、山口代表は第二試合の北海道代表との試合に敗れて、予選リーグ敗退が決まったので消化試合となる。大阪代表は先ほどの宮城代表との直接対決を制し、予選リーグ突破へ大きく前進したと行ってもいい。

 一応、大会ルールとして、次の順序でリーグ1位を決定する。


 a・当該リーグにおける勝ち点が多いチーム

 b・当該リーグでの勝数が多いチーム

 c・勝ち点、勝数が同じ時は、あらかじめ届け出た主将から8将の順に従って、第1順位者の勝数の多い方を上位とする。以下、副将から8将の順に判定する。


 さて、ここで大阪代表のいるEグループの現状の計2試合の勝ち点や勝数状況を整理してみよう。

 勝ち点は大阪が2、宮城と北海道が1、山口が0となっている。チームとしての合計の勝ち数は大阪8勝、宮城5勝、北海道4勝、山口3勝となっている。bのレギュレーション通りだと、たとえば大阪代表が次の試合でストレートで敗れて、宮城が4勝以上、北海道が5勝を挙げたうえで勝利すれば、勝ち数で上回れるので予選リーグ突破の可能性が残る。

 ただ、勝ち点、勝数で並んだ場合、cのレギュレーションに当てはめると、大阪代表は光輝と仙崎の主将、副将がそれぞれ2勝をあげている点は大きい。宮城代表にとっては主将・上村の2敗が大きく響く。北海道代表は伊藤と平川が次の試合で勝てば、主将、副将成績で互角になる可能性はあるが、この二人が勝利したうえで宮城代表にストレート勝ち、光輝と仙崎が勝利をしないことが条件になるため、かなり厳しい。山口代表は唯一、主将成績で上回れる可能性があったが、すでにリーグ予選敗退が決まっている。

 チームの力関係を考えれば、よっぽどのことがない限りはEグループは大阪代表で決まりという状況だ。

 そう、よっぽどのことがなければ。

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