↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
111/157

総文祭2日目 予選リーグ第2試合 VS.宮城代表④

 そして、暗記時間が始まると、観客席から結姫(ゆき)が席の並びを確認する。


(1番にみーくんと上村君は予想通りだったけど、3番に佐々木君が来たのは予想外だったわね。仙崎君のところは結果的に同級対決になったけど、大阪が勝つにはこの2人で2勝するのが前提条件といっていい。残りの1勝は誰かだけど……)


 大体の人は勝敗の行方は5番席のC級森田とB級岸の対決だと思われたが、結姫は少し違う感想を抱いていた。


(森田さんの5番席がキーに思えるけど、私は2番席の渡辺さんのところの試合の方がおもしろいかな。初戦だけど、渡辺さんはみーくんと違って出だしがいいし、思いっきりのいい攻めが決まれば、格上相手でも一気に流れを持っていけるかもしれない)


 結姫は強化練習の時から、森田だけでなく、渡辺の成長にも一目置いていた。かるたそのものは粗く、出札運に左右されるところがあるため、負ける時はあっさり負けてしまい、これまで結果は残せていない。ただ、将順を見てもわかるように代表選考会の時点ではもともと森田よりも力は上と認識されていた。

 結姫は強化練習で見た時にその爆発力が上手くかみ合えば、B級ぐらいまでなら、十分、渡り合える実力は備えていると感じていた。だからこそ、この試合では5番席だけでなく、2番席も勝敗を左右する席となると見立てた。


(まあ、結局は1番席のみーくんが勝たないことには始まらないんだけどね~)


 そもそもとして、最も勝敗に影響が出そうなのが1番席なのは言うまでもない。膝の上に両手で肘を突き、背中を丸めて、両頬を抑えて悩まし気に1番席を眺めながら、結姫は思うのだった。

 そして、15分の暗記時間が終わり、運命の予選リーグ2試合目が始まる。


「なにわずに~~、さくやこのはな~~、ふゆごも~り~~………」


 試合開始の合図とともにマイク越しながら、殿山の1字、1字を丁寧に読み上げた声が響く。


「大阪ファイトーーッ!!」


「ファイトーー!!」


 光輝(みつき)が今度はタイミングを一歩、遅らすことなく、かけ声をいいタイミングで出し、他の4人もそれに続いた。殿山の読みということもあってか、光輝は2試合目にして、だいぶ、この会場や大会の雰囲気にも慣れてきたようだ。

 1枚目「あきの」を光輝が取って試合が開幕する。さらにそのまま、3連取を決めて、絶好のスタートを切る。もう一つの端の森田も今回はいい出だしを見せており、隣の渡辺も初戦ながら、エンジン全開。

 攻めかるた一辺倒の渡辺にとっては敵陣が多く出る出札運も味方し、格上相手にも臆せず攻めていく。

 15枚目、「なげけ」が詠まれた時点で光輝20-22上村、渡辺20-22阿部、山本24-18佐々木、仙崎21-21猪俣、森田19-23岸と戦前の宮城チームが有利の下馬評を覆し、全体的に大阪チームが優勢で試合を進めている。

 その後も試合は進み、1番席と4番席の同級対決を中心に互角の展開で試合が進む。展開次第ではここから宮城チームが差をひっくり返すこともあり得る。

 31枚目の「ゆ(ら)」が詠まれた段階で光輝18-19上村、渡辺16-21阿部、山本22-15佐々木、仙崎19-18猪俣、森田17-20岸と枚数上ではどっちに転んでもおかしくない展開だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。