総文祭2日目 予選リーグ第1試合 VS.北海道代表⑤
「山口、1勝!」
「ナイスでーす!」
すると、向かいでやってる宮城チームと山口チームの試合の方から、千里がチームメートたちに勝利を告げる声が聞こえてきた。
(あいつ、マジか……! 上村相手に束勝ちかよ)
光輝とほぼ同じタイミングで勝利したため、12枚差ぐらいで上村を下したようである。上村とは先日の高校選手権の個人戦で終盤までは互角の勝負の末に最後に抜け出して、なんとか勝利した光輝はその結果に固唾を飲んだ。
光輝から見て、向かい側に背を向けて座る千里は彼の視線を感じたのか、肩越しに流し目で光輝を見つつ、ニヤリと笑った。
ただ、総合的に地力で劣る山口チームは他のチームメートはすでに負けており、早々に宮城チームが3勝をあげて勝利を決めていたようだ。残った1組がまだ試合をやっているものの決着がつくのも時間の問題だ。
エースの千里が一人気を吐く予想通りといえる展開だったが、千里が宮城チームの主将である上村に黒星をつけたのはリーグ内のチームの勝敗が並んだ場合に影響が出るため、2試合目の大阪チームとの直接対決の結果がより重要になってくる。
大阪チームと北海道チームの試合はまだ続いているが、こちらも大勢は決しつつある。2番席では山本が中盤から終盤に差し掛かるところで抜け出して、高谷を7枚差で下し、大阪に3勝目をもたらした。4番席の荻野も斎藤に最後は粘られたものの4枚差で勝利し、大阪も4勝をあげた。
最後に残ったのは1番席の森田だが、試合開始から劣勢の展開を覆せないまま、ビハインドのまま終盤を迎えていた。序盤に比べると、だいぶ、場の雰囲気や読みにも慣れてきて、本来の力を取り戻しつつあったが、3枚差で敗れてしまった。一方で無段ながら、たしかな実力の持ち主の鈴木が結果的に金星をあげ、北海道が一矢報いた。




