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総文祭2日目 予選リーグ第1試合 VS.北海道代表②

 そして、選手が柔道畳が敷かれた下の体育館スペースに集まった。大阪と北海道の試合のスペースでは大会役員の人が事前に受け取っていたオーダー表に書かれてある名前と席順を確認して、1番から順次、両チームの選手を読み上げていく。


「それでは、北海道1番・鈴木さん、大阪1番・森田さん……」


 こんな感じで役員の人が読み上げていき、呼ばれた選手は指定された席へと着席していく。2番、3番と呼ばれ、ここまで北海道のエース・伊藤はまだ呼ばれておらず、最悪の想定であった3番に配置された仙崎をあてられるのは回避できた。ただ、相手は不気味な存在の無段の副将・平川でまだ安心はできない。


「北海道4番・斎藤君、大阪4番・荻野さん」


 そして、最後の5番席の組み合わせは……


「北海道5番・伊藤君、大阪5番・四条君」


 対決を待望してた伊藤だが、チームの勝利が目的となると、当たりたくない相手と当たってしまった。光輝(みつき)も初戦で当たるには気が重い相手には変わりなく、互いに歓迎できない組み合わせとなった。


「昨日はみんなの手前、四条君と対決したいって言ったが、本当は当たりたくなかったよ」


 光輝と対峙した伊藤がため息をつきながら言う。


「それはお互い様だ。朝一で相手のエースなんかに当たりたくないって……」


 ともに肩を落としながら、座り込んだ。

 そして、一つ隣では山口県チームと宮城県チームのオーダーが読まれていた。


「山口1番・一色さん、宮城1番・上村君」


 そう呼ばれたのが聞こえた光輝と伊藤は「おっ?」となる。こちらもA級対決が実現しているが、あっちはA級の決勝でもおかしくないビッグカードがいきなり実現したのだ。

 なんて、感心していると、光輝の後ろを千里が通りがかり、


「いきなり、きつい相手に当たっちまったな~」


 そんな風に言うと、


「まぁ、せっかく、わざわざ岐阜までお祭りに来たんだし、メインディッシュの前に楽しませてくれないとね」


 朝一の試合で、A級でも上位選手である上村を相手にしても千里は気後れした様子はない。良くも悪くもいつも通りといった感じだ。

 首からぶらさげた胸元に忍ばせてあるアミュレットを取り出し、そのペンダント部分にチュッと口づけを交わし、


「神のご加護を…………四条くんも、グッドラック!」


「お、おぉ」


 千里がサムズアップのサインをして、光輝への応援のメッセージを伝える。光輝もそのサインに応え、手を振り返して、互いに健闘を祈る。


(まったく、ふてぶてしいというか、なんというか…………)


 まったく緊張した様子が見られない千里の姿を光輝は呆れたような、感心したような感じで眺めた。思えば、タイトル戦での優勝経験もある千里だから、これぐらいの舞台では動じないのかもしれない。


「千里様! 私も健闘をお祈りします!」


「千里様! 私も頑張ります!」


「うん、みんなでがんばろー!」


 千里が山口代表の他のメンバーの女子選手たちからも激励を受け、千里もフランクに返した。


(なんだ、チームで浮いてるのかと思ってたら、意外と慕われてんだな)


 あまりにも千里が光輝のところに来るのと、昨日の交流会の様子や普段は気難しい的な話、文字通り段違いな実力から山口代表では孤立してるのではと光輝は勝手に疑っていたのだが、もはや神格化されてるレベルで慕われている様子だ。

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