鞘と柄と長物の柄は?
さてさて、二三日放置する予定だった山葵は、雅美ちゃんの勇気ある行動により手に入りました。
そして、あっと言う間に時間は過ぎてもはや夕方と呼んでいい時間帯になりました。
秋でもないのに空が血のように赤いです。…ぶるりっ。
納豆菌から作られた納刀節。
それを使えるようにするために柄や鞘の素材を森に探しに来たのですが、二人がホントに帰って来ない。
テントなんかは二人が持ち歩いているので、先程はえている木の中に幹の細い奴が結構あるのでそうゆう奴だけ切り倒して集めてきた。
それを三角錐になるように組んで周りに葉っぱを重ねてテント代わりにする事にしました。
野人のお家完成ーーって喜んでたら、雅美ちゃんが「やっぱり、影丞さんも同類なんですねぇ」ってひたすら感心していた。
―せめて、家の出来映えでも誉めては貰えんかね?
◇
ちなみに、鍋みたいな調理器具もないのがわかっていたので作りってあります。
沢に粘土層があったので土鍋っぽい土器を作りました。
直火で焼き入れただけだから、煮てる途中で壊れてしまったら、手持ちの保存食でいいにしよう。
まぁ、普通は保存食でいいにするんだろうけどね。
まず、たまたま見つけた里芋らしき物の皮を剥いて鍋に入れます。
次に、先日採取した大量の雑草春菊を切り分けて鍋から分けた熱湯で湯通しします、苦いから里芋と一緒に煮たくないです。
いや…ホントは先に湯通ししといて後から里芋煮ればよかったんだって思った。
鍋の中のお湯が激減、お水を追加するがなかなか沸騰しない…。
「…もう少し献立を考えてからやるべきでないでしょうか」
雅美ちゃんも呆れ顔だが、最終的に食べれさえすればいいんだから大丈夫だよ。
「そうですか。男の子的にはそれで“大丈夫”なんですか。」
雅美ちゃんとしては全然大丈夫じゃないってか…。
いや、それでも里芋は煮物とは違って塩入れて煮てるだけだし、お浸しとか付け合わせに雑草支度しただけだからホントに大丈夫だって。
「その雑草を付け合わせに支度している時点で間違いなく判断がおかしいですから」
確かに、健もこれは雑草であると言っていた、認めようコレは野菜ではない草だ。
「しかしな…。雅美ちゃん、こんな言葉を知ってるかい?」
一粒の米にはお百姓さんの…
「タダの雑草を大事に育てる農家が居てたまりますか!」
畑に生えてきた時点で引っこ抜かれる物を食べようとしないで欲しいって言われてしまったが、これは雅美ちゃんと真一が苦労して集めてくれた物だし。
なにより。アイテムボックスの中が雑草で圧迫されてるから使わないと他の物が入らない
「なに、片付けられない女みたいな事いってるんですか。とにかく雑草は、今すぐ捨ていいじゃないですか。捨ててください」
いや、雑草でも許可取らないと捨てらんないし、どっちかのイベントリに《非常食》として移動する事になると思う。
「スラム街とか貧乏って理由ならまだわかりますけど、何が悲しくて雑草ストックしとかなくちゃならないんですか」
「なんとなく」
そう答えたら、雅美ちゃんが「せめて市場で買った野菜とかをストックしましょうよ」だって。
いや、この世界で言うところの野菜って魔力を浴びて派手な色してたりするからあんまり好きじゃないんだわ。
蛍光ピンクのキューリとか酷いもんだべ?
味は普通にキューリなんだけど初めて見たときには紫蘇とかで付けた柴漬けかと思ったわ。
生でかじると違和感しかないんだぞ。
まだ草の方がマシじゃない?
「私はそうは思いません」
だめか?




