余り物
健と真一が二人だけで狩りに行く理由が明かされる
オカズは、鰹の骨とそぼろを煮込んだ佃煮と、塩辛い普通の塩辛。
うん、影丞酵素はいい仕事したよ。
佃煮は、尻尾以外の部分を頭も小さく切り分けて全てを長時間煮込んだおかげでいい味になっている。
今更ながら、頭をカブト焼きにして、みんなでつつくのもよかったかもね。
塩辛は、ドロドロに溶けておる、内臓だからかイカの塩辛よりちょっと生臭いが、これはこれで…。
だけど、健の腐内臓漬けは食べ物じゃないから健が“今は出さない”って言ってる。
なにが出来たんだ?
余談になりかねないが、最後の納豆節は五本の内…二本分らしき《大業物》を健が装備する事になり、他は一本ずつ持ち歩く事になった。
健は鞘をと柄を、真一は柄になりそうな素材を探したいっていってる位だから元が鰹節だと考えさえしなければ…大丈夫まだ大丈夫なはずだ。
あれだ、深くは語らないが鰹節って木刀や日本刀に形が似てると思った事って誰しもあるよね?ない?オレだけ?
素材屋である限りは、これらが日の目を見ることもないんだろうけど二人とも“こだわりたい”んだとさ。
◇
そして、翌日みんなで以前に強制依頼で来た魔の森に素材を探しする事になりました。
「と言うわけで、ここを拠点に素材を探します」
狼狩りをした場所から、小川をさかのぼり更に奥まで歩いて来きただけですが、普通なら入れない最深部付近まで来てしもうた。普通の冒険者なら大規模討伐レベルの人数を集めなきゃならんような深域。
ここまで来れたのは親友達のおかげ様だよ。
「帰りたい、帰りたい帰りたい…」
ちょっと前から青い顔した雅美ちゃんはオレの服を掴んで離れようとしない、オレを盾にしてみればも紙装甲だからなんにもならんぞ?むしろ、掴んで引き返したいみたいだけど、足が竦んでヘッビリ腰の雅美ちゃんの力程度じゃ、びくともしませんぜ?
「影丞さん影丞さん影丞さんん~」
「いや、引っ張られると痛いから勘弁して」
「帰りましょう帰りましょう帰りましょう、ホント無理無理無理無理これ以上はもう行けません。」
あわあわしながら雅美ちゃんが話しかけてくるんだけど、二人がやる気を出だしてるから大丈夫なんだけどね。
「だから、この辺りにデキソコナイより強い奴はいないって」
「デキソコナイのがなんぼもマシな生き物ばっかし出てきてるじゃないですか?!」
「…亜竜なんて一度も出てこないよ?」
「ケルベロス、オルトロス、銀狼、紅頭熊、モスラス全部迷宮やエリアボスばっかりじゃないですか!」
「いや、デカい犬と、わりとデカかった狼、変わった狼、ヒグマに、でっかい芋虫しかでてないじゃん」
特にケルベロスって頭三つないとおかしいじゃん、デカいこたデカかったけど。
「だから、なんで平気な顔して夏に魔の森に入るんです!?おかげでエリアボスだらけじゃないですか。」
いや、ゲームじゃないんだからエリアボスとかマジで居ないんだってば。
それとも、雅美ちゃんがいた所とは魔物の在り方や生態系が違うのかな。
魔の森ったって、割と普通に深い森にいるだけだし、オレになんか魔物が近付いて来てくれないんだがね。
昔から動物に逃げられるんだよね。街中で猫とか見ると必死になって呼ぶんだけど全然来てくんないんだわ。
飼い犬ですら飼い主の手前、仕方なく撫でさせてくれてるみたいな態度されるしなぁ。
「ちょっくら探してくるよ」
「後任せたよ」
そう言い残して健と真一の二人が森に分け入っていく。オレはその後ろ姿に「あーい」と適当に返事をして見送る。
「真一さん、健さんどっか行かないでぇぇっ!」
雅美ちゃんは二人を追いかけたがっているみたいでだね。
雅美ちゃん半泣きになっとるけどさ…本当にオレは獣に嫌われてるから大丈夫だぞ?
なんせ、健がタゲさえ取ってくれなきゃ魔物に一生会えないで終わる位避けられんだからね。
―オレはダンジョンなんか入るだけ無駄なんだ。
過去に出てきたゴブリンは魔物ではありません。猫耳人などの亜人に近い一角獣系人です。
それでも、“ゴブリン”




