墓穴を掘る
「すまん」
草刈り三日目雅美ちゃんが参入して一週間になるくらいの日、海の家に帰ったら健がいきたり土下座をしてきた。
港町の出来事で責任を感じているらしい。確かに健にしては軽率だったかもしれないけど…
「「「だが、それがいい」」」
全員で合わせて答えてやった。
WWWW(笑)WWWWW
一人orzしてるけどそれくらい問題ないよと健を慰める。
不慮の事態だし。
◇
夜、健の隣で横になってたら、健の羽織った毛布の中から黒光りするソレがオレの顔に向かってゆっくり姿を顕してきたのを目撃する。
生臭くもテラテラ黒光りする様はなんて立派な…ブツにございましょう。
なんだか凄く嬉しそうにオレの口にブツを近づけてきている健。
声をかけるべきか考えたが、こうもあからさまに目の前にブツを出されては仕方がない。
「…こら」
「!?」
ビクンと震えた健とこちらの目が合うと、シュルシュルと静かにブツは毛布のさらに奥に収まっていき、目を合わせたまま毛布を被り直す健。
なかった事にする気か?
でも、こんだけヌメリを残してたんじゃあんまり意味ないぞ。
「…いつから、起きてた?」
半眼で睨んでいたら恐る恐る健が尋ねてくる。
「なんか臭かった…」
「済まん悪気はないんだ」
あーそーですか、あんなもん目の前に出しときながら悪気がないんですか。
むしろ、邪な悪意しか感じませんがね?
「寝込みにそんな事するだなんて、…私これから健を見る目をかえようかしら…ぅぷっす。」
そそそ…と、毛布に潜り込んみながら呟いてみたんだけど、言葉の違和感の無さに吹き出してしまった、台無しだ。
「目が覚めてから驚くかなー…なんて…」
しどろもどろといった感じで健が言葉を返してくるが最後聞き取れなかった
「うん、言いたいことはわかるんだ。でも、許されると思う?」
バサリッと勢いよく毛布を跳ね上げて健を睨む。
うん、健の毛布の裾はなんだかヌメヌメしている。
中はもっとエラい事になってるんじゃないだろうか。
そのまま身を起こし健と正座です向かい合う。
「食いもん(・・・・)は夕飯前に見せろっていったよな(怒)」
「ひいぃぃっ!?」
「ひいぃぃっじゃねぇよっ!出せっていったろ!」
そう言うと健は社会の窓からズルズルと鰹なブツを引きずり出した。
「…てへぺろっ♪」
「…っどっこに仕込んどんじゃアホたれぇぇっ!」
モグラたたきのように鰹のお頭をぶん殴る。
「…どぅっギャアハアアッ!?」
ストレージに押し戻すつもりで殴ったのだが既に閉じてたのか自らのブツを抑え健が悶え始めた。
―知ってるか?ヨーロッパのある国の言葉で男性器の事をカツオって言うんだぞ?
カツオーどこなのーとサザエさんが言うとチ〇コーどこなのーと…例えが悪かったな。
萎えたわ…。
過去に健が自ら語った豆知識が脳裏を掠めた。
股下では、モグラたたきならぬ鰹のタタキ(アジのタタキ系な)が出来ている。
「影ちゃん?どうした。」
オレの剣幕目を覚ました真ちゃんが控えめに聞いてくる。
「すぴー」
そしてオレの足元では雅美ちゃんももぞもぞ動き目を覚まし…。
いや、まだ寝てる…よく見たら耳栓してんぞこの娘ーっ!?
「寝かしといてやれ…」
「いやいいけどさっ!?」
ポンポンと肩に手を置く真一。
ほんとに馴染んできたけど、冒険者として雅美ちゃんの行動はどうよ?
閑話休題
「影ちゃんの目が覚めたら鰹が添い寝をしていたという、起きてビックリサプライズを…」
「健が出した場所のほうがとんだサプライズだよっ!?」
生臭くヌメった毛布を健にクリーニングさせているんだけど言い訳がましい言葉が続く。
途中で目が覚めてホントによかったわ、健の毛布の血の後がどうにも取れないみたいだ。
それやめて新品だそうか?
「もういいよ。で、何尾あるの?」
今朝方潰してしまった物を入れて20尾確保したと健が静かに応える。
つぶしちゃったのは綺麗な部分だけを砂糖と醤油で角煮にしているから無駄にはしていない。他の砂ついたり汚れてた部分は砂の中に埋めて捨てたけどね。
健に穴を掘らせたら、ガクガク震えながら人がスッポリ入れそうな縦穴を掘りよった。
なに考えてそんな大きな穴を掘ったのかと聞いたら、なにをされるのか考えた末の大きさだったと答えた。
ゴミを埋めるだけだからと笑いながら言ったら、さらに震えが激しくなり、鰹のアラを投げ入れて埋めるようにお願いしたら、作業を終えた健が真一に抱きついて泣いていた。
なにを想像してたんよ?
人間すいか割りに最適な穴を掘ったりしてもオレはそのフリには乗らないからな?
~補足の後日談~
真一にあの時の事を聞いてみたら、あの時の影ちゃんの剣幕に自分で掘った穴にバラされて埋められるんじゃないかと話していたんだってさ。
―自分の墓穴を掘らせる。
だから健はオレをなんだと思ってる。
~閑話休題~
さて、健が頑張ってくれたみたいだしその頑張りに少しは答えてみましょうか。
「鰹節…やってみるから出して。」
作り方解んないけど鉛節にしてから燻して水気をとばして…カビさせる?
おやおや…カビさせる??
カビたら腐るんじゃね?どうやったら最終的に鰹節が出来るんだっけ…。
「…この子をお願いします。」
「はい」
健が大事に抱えたカツオを手渡してくる。
「この子もお願いします」
「はい」
追加で、渡してきたけども…
「それから、この子とこの子もお願いします」
「はいはい」
左右に二尾に増えた。
「それからこの子も」
「はいよ」
いや、なんかネタ仕込んでるんじゃないか?
・
・
・
そして、やたら大事そうに渡される以外は何事もなく19尾受け取ってホッとしていたら、ソレがきた。
「それから最後にこんな子も混じってましたので引き取りました」
ストレージから現れたのは金髪の小さなかわいい女の子。
但し足元が魚。
半魚人ならぬ人魚。
「うきゅ?」
小さな鳴き声を上げる人魚の子。
人攫いじゃぁぁぁっ!出会えっ!出会えーっ!
またついにロリキャラが増えた。いや、作者の能力的にも雅美ちゃんといいこんな予定なかったんだけど(マテ)物語が勝手に進行するってあると思いますか?




