↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔境に自分好みの家をDIYで建てたら、居心地が良すぎて「絶対不可侵の神殿」と拝まれていた件  作者: dapon


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
94/103

第67話:大聖堂の凍結罠と、アルミ遮熱シートの反撃

第67話をお読みいただきありがとうございます!

聖都ルミナスの迎賓館を快適空間へと変えたタクミ一行。

今回は、かつて前国王を暗殺し、フィオナに濡れ衣を着せた元凶である「悪徳枢機卿」が待つ大聖堂へついに突入! 悪党が仕掛ける冷酷な古代兵器と凍結結界を、タクミの無自覚なDIYグッズと断熱施工で粉砕する緊迫&爽快回をお届けします!

白銀館でのつかの間の休息を終え、タクミ一行は聖都の中央にそびえ立つ『大聖堂』へと足を踏み入れていた。


巨大なステンドグラスから差し込む光は冷たく、足元の大理石は凍てつくように冷え切っている。

その広大な礼拝堂の最奥、黄金の玉座にふんぞりかえっていたのは、贅沢の限りを尽くしたローブを纏った肥満体の男――聖王国を裏で牛耳る最高権力者、悪徳枢機卿バルザックだった。


「ほう……生きて戻ってきたか、かつての偽りの大聖女フィオナめ。それに、あの時みじめに逃げ出した役立たずの犬(ガルド)も一緒にな」


バルザックが歪んだ笑みを浮かべ、ねっとりとした視線をフィオナに向ける。

その両隣には、選りすぐりの精鋭である聖堂騎士たちが冷酷な刃を光らせてずらりと並んでいた。


「バルザック……! あなたが父上を暗殺し、私に罪を着せてこの国を私物化していたのですね……!」


フィオナが怒りと悔しさで唇を噛み締め、震える拳を握りしめる。

ガルドはガシャリと大斧を構え、殺気をむき出しにした。


「姫さん、もう遠慮はいらねえ。あんな外道、今すぐぶっ叩き斬ってやる!」


「待て、ガルド。力づくの前に、ちょっとあいつらの足元を見てごらんよ。なんか面倒くさそうな仕掛けをしてるからさ」


タクミがふと床を指さすと、バルザックはあざ笑うように手を叩いた。


「フッ、愚か者めが! ここは我が聖導派の聖域。貴様らを一歩たりとも逃がさん!」


バルザックが懐から禍々しい起動石を握り潰した瞬間――。


ズゴゴゴゴ……ッ!!


大聖堂全体を揺るがす轟音とともに、周囲の空気が一気に凍りついた。

柱や床から凄まじい冷気が噴き出し、触れたものの熱を奪い尽くす国家級の古代迎撃兵器『絶対凍結結界(コールド・ジャッジメント)』が起動したのだ。


「ぐっ……!? 冷気があっという間に体温を奪っていく……!」


ガルドが踏み込んだ足元からみるみるうちに氷結が這い上がり、剣を構える手がかじかむ。

周囲に吹き荒れるのは、人間の魔力と熱量を強制的に吸い取る極寒の死の嵐だった。


「フハハハハーッ! どうだ! その絶対凍結結界の前では、いかに強靭な剣士であろうと、数分で氷の彫像と化すわ! さぁ、絶望に震えながら凍てつけ!」


玉座の上で、バルザックが狂ったように高笑いする。


しかし、その只中にいるタクミは、凍えるどころか首をかしげて腕を組んでいた。


「うーん……? なんか急に冷たい風が入ってきたと思ったら、ここ、天井の換気口と窓枠のまわりに全然断熱材が入ってないじゃないか。これじゃ熱橋(ヒートブリッジ)だらけで、外の冷気がそのまま室内に流れ込んじゃうよ」


タクミにとって、それは「古代兵器の脅威」ではなく、単なる「極めて施工不良のひどい寒冷建築」でしかなかった。


「おいおい、こんな杜撰(ずさん)な断熱施工じゃ、中にいる人たちが風邪ひいちゃうだろ。ちょっと直させてもらうよ」


「なっ……何を訳の分からないことを……!?」


バルザックの嘲笑が凍りつく中、タクミは【万能資材目録】を起動し、【極限加工】を全開で発動させた。


ポケットから次々と取り出したのは、建築用の『高性能アルミ遮熱シート』と『発泡ウレタン断熱ボード』、そして『高出力セラミック・ポータブルヒーター』だった。


シュパッ! と超高速でアルミ遮熱シートが天井と壁面の冷気侵入経路に貼り巡らされ、隙間という隙間を高密度ウレタンで完全に封鎖していく。

さらに、床の中央に置かれたポータブルヒーターのスイッチが入れられた。


――瞬間。


「……は……?」


バルザックが放ったはずの『絶対凍結結界』の冷気は、アルミ遮熱シートの圧倒的な輻射熱反射によって完全に跳ね返され、一瞬にして消滅した。

代わりに大聖堂の内部は、ポカポカとした極上の春の陽気のような快適温度へと瞬く間に書き換わっていったのだ。


「なっ……馬鹿な……!? 我が聖導派が誇る絶対凍結結界が、一瞬で消し飛んだだと……!? いったい何を仕掛けた……!?」


青ざめたバルザックが玉座から転げ落ちそうになりながら叫ぶ。


「え? いや、だから、アルミの遮熱シートで放射冷却をシャットアウトして、すきま風を塞いだだけだよ。これでもう寒くないでしょ?」


タクミが爽やかに微笑むと、ガルドやフィオナを凍えさせていた氷もすっかり溶け落ち、体が嘘のように軽くなっていた。


「さすが我が師匠ですぞ! 敵の最強の呪術兵器を、一瞬にして『床暖房付きの快適リビング』に改造してしまうとは……! 神業を通り越して最早恐怖ですな!」


バアルが腹を抱えて豪快に笑い飛ばす。


「おのれ……! 呪術がダメなら、力ずくでその首をハネ飛ばせ! 騎士ども、やれぇっ!」


絶望したバルザックの命令で、十数名の精鋭聖堂騎士たちが一斉に抜剣して突進してきた。


だが――。


「あ、危ないから足元気をつけてね。さっきの工事の余りで、そこに『高磁束防犯砂利』と『高輝度センサーライト』仕込んであるからさ」


タクミが何気なく注意を促したその瞬間。


ザクッ……ゴリッ!


突撃した騎士たちのブーツが、タクミが敷いていた特殊防犯砂利を踏み抜いた。


ピカァァァッ!!……ドガーンッ!!


「ぐあぁぁっ!? 目が、目が潰れるぅぅっ!?」

「足元から凄まじい衝撃波と磁力が……! 動けん、体が立たんぞ……!」


高輝度センサーライトの爆光で視界を奪われ、防犯砂利の凄まじい破砕音と磁力トラップに足元をガッチリと捕らえられた騎士たちは、次々と派手に転倒し、自慢の鎧ごと綺麗にひっくり返って悶絶した。


「な、なんだこの防衛トラップは……!? 我が精鋭たちが、一歩も進めずに自爆しているだと……!?」


玉座の上で頭を抱え、絶望に顔を歪めるバルザック。


その前に、ガルドが巨大な大斧を地面に突き刺しながら、ゆっくりと歩み寄った。


「バルザック……。お前が隠し続けてきたその冷酷な悪事も、ここまでだ」


「ひ、ひぃぃ……っ! 来るな! くるなあああッ!」


恐怖に引きつった顔で後ずさるバルザックに対し、フィオナが気高く、そして毅然とした足取りで一歩前に出た。


「私たちの故郷を奪い、民を寒さと絶望に突き落とした罪……その報い、今ここで受けてもらいますわ!」


悪徳枢機卿バルザックの権威と悪事は、タクミの無自覚な断熱DIYと防犯グッズのコンボによって完全に打ち砕かれ、聖王国解放への道は一気に開かれたのだった――!

第67話をお読みいただきありがとうございました!

大聖堂での決戦にて、悪徳枢機卿が放つ絶対凍結結界をタクミが「断熱施工(アルミ遮熱シート)」で無効化し、さらに防犯砂利とセンサーライトで精鋭騎士団を完封するアクション&スカッと展開をお届けしました!


次回第68話はいよいよ最終決戦、そして聖王国の大改革とハッピーエンドへ向けての「究極のビフォーアフター」が開幕します! 引き続き応援よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。