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魔境に自分好みの家をDIYで建てたら、居心地が良すぎて「絶対不可侵の神殿」と拝まれていた件  作者: dapon


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第65話:冷え切った開拓村と、ペレットストーブ&断熱DIY

第65話をお読みいただきありがとうございます!

悪徳役人をDIYの快適さであっさり改心させたタクミ一行。

今回は、聖王国の冷酷な政策によって見捨てられた「冷え切った開拓村」を訪れ、寒さと湿気に苦しむ村人たちをペレットストーブと断熱二重壁で救うエピソードをお届けします!

教会のトラブルを解決し、さらに馬車を進めたタクミ一行は、聖王国北部の荒涼としたエリアに位置する『レイヴン村』へと差し掛かっていた。


かつては豊かな鉱山と畑で栄えていたはずの村だったが、現在の光景は目を覆いたくなるほど悲惨だった。

黒ずんだ木造の家々はどれもすきま風だらけで、村人たちは痩せ細り、寒さと栄養失調で震えながら、凍てつく土を耕そうとしていた。


「なんだここは……。教会の街よりも一段と冷え切ってやがる。見てみろ、子供たちが寒さで青い顔をして震えているぞ……」


御者台で手綱を握りながら、ガルドが苦渋に満ちた表情で呟く。


「ひどい……。聖導派の重税と、暖房用の薪すら満足に配給しない冷酷な政策のせいで、村全体が氷のなかに閉じ込められているようですわ……」


フィオナが胸元で手を強く握り締め、涙を浮かべた。


「ふん、民の生活を省みず私腹を肥やす者どもめ。我が師匠の温かいDIYで、この村の凍てついた現実を根底からひっくり返してやりましょうぞ!」


助手席のバアルが不敵な笑みを浮かべ、セナも「うん、みんなすごく寒そうだよ……。タクミお兄ちゃん、何とかしてあげて!」と心配そうに訴える。


「そうだね。外の気温が氷点下なのに、家の中の断熱がゼロじゃ、風邪をひくだけじゃなくて健康にも良くないよ」


タクミは馬車を止めると、迷うことなく村の中心にある集会所兼用の大きな家屋へと歩み寄った。


中では、村の長老とおぼしき老人が、わずかにくすぶる炉端の火を囲んで村人たちと身を寄せ合っていた。


「あ、あの……すみません。旅の者ですが、ちょっとこの建物の様子を見せてもらってもいいですか?」


「お、お客さん……ここは何も出せませんよ。見てのとおり、薪も底をつき、夜になれば部屋の中も外と同じ寒さになる……神に見放された村ですから……」


老人は力なくかぶりを振った。


だが、タクミの職人魂に火がついた。【万能資材目録】が瞬時に村の家屋の惨状を解析する。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【資材名】レイヴン村・集会所兼住宅

【状態】室外温度-2℃、室内温度2℃、壁面断熱材ゼロ、木枠サッシの隙間率80%

【対策】高性能グラスウール断熱二重壁の施工、内窓サッシの追加、蓄熱式ペレットストーブの設置

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「なるほど、これじゃ外にいるのと変わらないね。よし、すぐに対策しよう!」


タクミが爽やかに笑うと、ポケットから次々と資材を取り出し、【極限加工】を全開で発動させた。


まずは、すきま風を完全にシャットアウトするため、全ての窓枠に『中空ポリカ二重サッシ』をピタリとはめ込み、隙間には『高密度ウレタン隙間テープ』を隙間なく貼り付ける。

さらに、スカスカだった木の壁の内側に『高性能断熱材(グラスウールボード)』を敷き詰め、その上から防湿・気密シートをタッカーで留めてから真新しい木目調クロスで仕上げた。


そして、部屋の中央には、電源不要で驚異的な発熱量を誇る『蓄熱式ペレットストーブ』をドンと設置し、専用の排気筒をスマートに壁へと通す。


「はい、お待たせしました! 薪の代わりにこの木質ペレットをくべれば、部屋全体がポカポカになりますよ!」


タクミが笑顔でペレットに火を灯すと――。


――数分後。


「……っ!?」


炉端に集まっていた村人たちが、一斉に息を呑んだ。


ほんの一瞬前まで息が真っ白になるほど凍てついていた室内に、まるで春の陽気のような心地よい温もりが一気に満ちていく。

窓ガラスはピタリと結露が消え、外の冷気は完全に遮断されていた。


「な……なんだこれわ……!? 部屋の中が、まるで暖炉を独り占めしているかのようにポカポカと……!」


「嘘だろ……? すきま風が一切入ってこない……! 暖気が逃げないぞ……!?」


長老が震える手でペレットストーブの温風に触れ、あまりの暖かさに涙を流し始めた。


「あ、あぁ……! 暖かい……! こんなにも優しい温もりが、私たちの家に……!」


「わぁぁっ! お部屋がぽかぽかだよーっ! もう寒くないね!」


セナが温かくなった床の上で嬉しそうにクルクルと回り、村の子供たちも恐る恐る近づいてきて、その温もりにうっとりと笑顔を咲かせた。


「なんと……! わずか数分で凍てつく廃屋を『完全密閉の温室空間』に変えてしまうとは……! 流石は我が師匠、神業を遥かに超越した生活革命ですぞ!」


バアルが感嘆の声を漏らし、アルヴィスは高速でペンを走らせて『全自動恒温・極寒無効化結界(ペレットストーブ&高気密断熱壁)』とノートに書き殴る。


「ガハハ! どうだ村人たち! この小僧にかかれば、どんな寒さも一網打尽よ!」


ガルドが胸を張って笑うと、村人たちは次々とその場にひざまずき、タクミたちに向けて深々と頭を下げた。


「あぁ……神様……! 私たちを見捨てず、このような救いの炎を届けてくださり、ありがとうございます……!」


(だから神様じゃなくて、ただのDIYアドバイザーだってば……)と内心苦笑しつつ、タクミは長老の肩に優しく手を置いた。


「これだけしっかり断熱しておけば、ペレットの消費量も少なくて済むし、しばらくは暖かい環境で安心して暮らせるからね。体調を崩さないように、ゆっくり休んでください」


その優しさと圧倒的な快適さに、村中が歓喜と感謝の涙に包まれるのだった。

第65話をお読みいただきありがとうございました!

寒さと湿気に苦しんでいた開拓村『レイヴン村』を、ペレットストーブと高気密断熱壁でポカポカの快適空間へと劇的ビフォーアフターしました。

次回第66話は、いよいよ聖王国の首都『聖都ルミナス』へと到着! 厳重な大聖堂の冷え切った玉座や、権威主義の冷たい迎賓館をタクミたちがどう改造してしまうのか!? お楽しみに!

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