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魔境に自分好みの家をDIYで建てたら、居心地が良すぎて「絶対不可侵の神殿」と拝まれていた件  作者: dapon


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第9話:降伏した貴族と、リフォームの現場見積もり

第9話をお読みいただきありがとうございます!


今回は、前回完膚なきまでに撃退された悪徳貴族(バルカス子爵)が降伏・改心し、まさかの「リフォーム(建築)依頼」をしてくる展開です。


職人の血が騒ぐタクミの本格的な現場調査と見積もりが始まります!

「大賢者様……! どうか、どうかこの愚かな私めをお許しください!!」


数日後。ログハウスの庭先で、額を地面に擦り付けて泣き叫んでいたのは、前回攻城兵器を引き連れて襲撃してきたバルカス子爵だった。


豪奢な服はドロドロになり、付き添いもおらずたった一人で平伏している。


「ええと……バルカスさん、でしたっけ? もう襲ってこないなら、別に怒ってはいませんけど……」


困惑気味のタクミが声をかけると、子爵は顔を上げ、感涙にむせんだ。


「お命を助けていただけるばかりか、温かいお言葉まで……! 実は、私めがここを襲ったのには訳がございます。私の領地は寒冷地にあり、毎年冬になると厳しい寒さと湿気で領民が倒れ、屋根は雪の重みで崩れ、下水から猛烈な瘴気が湧いて病が流行るのです……!」


子爵は涙ながらに告白した。


領地の凄惨な環境をどうにかしたくて焦るあまり、この神殿の「絶大な防魔・防寒の秘宝」を強奪しようとしてしまったのだという。


「なるほど……寒さ対策と湿気、それに排水の悪臭と詰まりですね」


タクミの目が、一瞬で『ホームセンターのリフォーム担当アドバイザー』の光を宿した。


他人の住環境の悩みを放置できないのは、職人の性(さが)である。


「それなら、別に神聖な秘宝なんて要りませんよ。適切な『リフォーム』をすれば劇的に改善します」


「リ、リフォーム……!? 神の御手による改修作業ですか……!?」


「ええ。まずは現場を見ないと何とも言えませんね。採寸と現場調査に行きましょう。バルカスさん、屋根の勾配や柱の間取り、既存の配管図面はありますか?」


「は……はいっ!? 図面……? すぐに用意させます!」


タクミは愛用のメジャーとノートを取り出すと、さっそく「現地調査(現調)」の準備を始めた。


「ちょっと待ってください、タクミ様!」


そこへ、薪割りを終えたガルドと、掃除の手を止めたフィオナ、アルヴィスが駆け寄ってきた。


「このような元敵地の領地へ、タクミ様をお一人で行かせるわけには参りません! 我らも現場の助手……いや、護衛として同行いたします!」


「そうですね、荷物持ちや養生シート張りの人手は多い方が助かります。みんなで行きましょうか」


「養生シート……! なんと神聖な作業……!」


アルヴィスがノートに『神聖改修(リフォーム)儀式:現地調査編』と狂喜乱舞しながら書き込んでいく。


「ではバルカスさん、案内をお願いします。あなたの領地を、住み心地最高の街に劇的ビフォーアフターして見せますよ!」


「は、ははぁぁぁっ! 感謝いたします、大賢者様ぁぁぁッ!」


こうして、タクミ一行は魔境のログハウスを飛び出し、寒冷な子爵領への「出張DIY&大規模リフォーム遠征」へと出発するのだった。

第9話をお読みいただきありがとうございました!


悪徳貴族が改心し、物語は新たなステージである「寒冷地子爵領の大規模リフォーム編」へ突入します!

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