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魔境に自分好みの家をDIYで建てたら、居心地が良すぎて「絶対不可侵の神殿」と拝まれていた件  作者: dapon


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第62話:国境の厳重検問と、検問所の「快適ビフォーアフター」

第62話をお読みいただきありがとうございます!

フィオナの故郷である『エルディニア聖王国』へ向け、旅立ちを迎えたタクミたち。

国境を塞ぐ冷酷な聖導バリアと厳重な検問所を、いつもの如く「無自覚なDIY」でサクッと攻略してしまう新章開幕の爽快回をお届けします!

『魔法技術都市エル・グラード』を後にしたタクミ一行を乗せた特製キャンピング馬車は、隣国『エルディニア聖王国』との国境へと差し掛かっていた。


「おい、馬車を止めろ! ここから先は聖導派の厳重管理下にある聖域だ。不審者の通行は一切認めん!」


国境の検問所。

冷徹な鉄格子のゲートの向こうから、聖王国の騎士たちが威圧的な態度で声を飛ばしてきた。

門の周囲には、触れた者の魔力を奪う冷たい「聖導バリア」が幾重にも張り巡らされ、通行しようとする民衆や商人が寒さに震えながら足止めを食らっている。


「どうやら、あの悪徳枢機卿どもが仕切るようになってから、国境の警備もすっかり冷えちまったようだな……。なぁ、姫さん?」


御者台で大斧を背負い直しながら、ガルドが険しい顔つきで後ろを振り返った。


「はい……。かつては誰に対しても開かれていた温かな国境だったのに、今はすっかり民を威圧する冷たい壁になってしまっています」


フィオナが馬車の窓から外を見て、悲しげに眉をひそめる。


「ふん、民を苦しめる冷酷な防壁など、我が師匠の敵ではないわ! さっそく粉砕してやろうぞ!」


助手席に座る作業着姿の魔王バアルが、フンと鼻を鳴らして腕を組んだ。バアルはタクミを「我が師匠」と仰ぎ、日々の掃除や道具の手入れにいそしむ熱狂的な心酔者となっていたのだ。


「まぁまぁ、力づくで壊すのはなしだよ。それに、あそこの検問所……中の待合室がすきま風だらけで、兵士の人たちも寒そうじゃないか」


タクミは馬車を降りると、困り果てた騎士たちや、寒さに震える旅人たちへ爽やかに声をかけた。


「あの、すみません。通行の手続きをしつつ、ちょっとこの検問所の環境を改善させてもらってもいいですか?」


「は? なんだお前は! 聖導バリアに触れればタダでは――」


騎士が怒鳴り声を上げようとした瞬間。

タクミは【万能資材目録】を起動し、周囲の環境を瞬時に分析した。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【資材名】国境ゲート・旧式魔導石バリア

【状態】熱効率ゼロ、冷気侵入率95%、過剰電圧による環境悪化

【対策】断熱サッシ化、蓄熱式ペレットストーブの導入、風除室の設置

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「うん、やっぱり断熱材と気密性が全然足りてないね。これじゃ冬場は凍えちゃうよ」


タクミは【極限加工】を発動!

ポケットから次々と資材を取り出し、数分足らずの早業で工事を始めた。


冷気をシャットアウトする『中空ポリカ二重窓』を検問所の窓枠にはめ込み、隙間には『高密度ウレタン隙間テープ』を貼り付ける。さらに、冷え切った室内には『輻射熱式ペレットストーブ』を設置し、煙突をスマートに屋根へと通した。


そして極めつきは、門を塞いでいた冷酷な聖導バリアの周りだ。


「よし、この魔力回路、ちょっと電圧のバランスを調整して……と」


タクミが配線を直す要領でバリアの魔力流動をカチカチと整えると、嫌な威圧感を放っていた青白いバリアは、ポカポカと優しい温もりを放つ『全方向エアカーテン(暖房シールド)』へと劇的に変化した。


――数分後。


「……なっ!?」


検問所の騎士たちが、あまりの出来事に言葉を失って固まった。


冷え切ってガタガタ震えていたはずの検問所の室温は、ペレットストーブの優しい温もりに包まれてポカポカの快適空間に生まれ変わっている。窓ガラスは結露一つせず、外からの冷気は完全に遮断されていた。


さらに、門を通る旅人たちは、エアカーテンをくぐった瞬間に「うわっ、暖かい……!?」「まるで春の陽気だぞ……!」と次々に驚きの声を上げている。


「な、なんだこれは……! 我々の厳重な聖導バリアが、いつの間にか極上の『全自動暖房ゲート』に書き換わっているだと……!?」


「あ、これなら外で待ってる人たちも風邪をひかなくて済むでしょ? それじゃ、手続きをお願いしますね」


タクミが何食わぬ顔でパスポートを差し出すと、騎士たちはあまりの神業に震え上がり、もはや逆らう気力すら失って「ど、どうぞお通りくだされ……大賢者様……!」と深々と頭を下げる。


「さすが我が師匠! 敵の防御壁を一瞬で暖房施設に変えてしまうとは、相変わらず神業ですな!」


バアルが満面の笑みで拍手を送り、セナも「すごーい! あったかくて気持ちいいよー!」と飛び跳ねる。


「姫さん、行くぞ。いよいよ連中の本拠地に乗り込んで、あの冷え切った聖王国全体を根本から叩き直してやるんだ」


ガルドが背負った大斧を鳴らし、力強く微笑みかけた。


「はい、ガルドさん! 皆様、行きましょう……私たちの故郷を取り戻すために!」


フィオナが美しい瞳に強い決意を宿し、一歩を踏み出す。

無自覚なDIY大賢者タクミ一行は、こうして『エルディニア聖王国編』の幕を開け、冷酷な枢機卿たちが待つ王都へと進み始めるのだった!

第62話をお読みいただきありがとうございました!

新章『エルディニア聖王国編』が開幕し、国境の検問所をペレットストーブと二重窓で快適空間へとビフォーアフターしてしまいました。

ガルドの「姫さん」呼びや、バアルの「我が師匠」呼びも大活躍の回となりました!


次回第63話は、聖王国の地方都市に到着したタクミたち。冷え切った教会と硬い長椅子をDIYで極上の「癒やし空間」へとリフォームするエピソードをお届けします! 引き続き応援よろしくお願いいたします!

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