第56話:別れのオアシスと、再会への新たなる旅路
第56話をお読みいただきありがとうございます!
オアシス都市『アル・シャハル』の人々に温かく見送られ、新たな目的地である『魔法技術都市エル・グラード』へと旅立つタクミたち。
別行動中だったガルドとの合流も目前に控え、次なる章への期待が高まる旅立ち回をお届けします!
虹色に輝く噴水と、甘く冷たいかき氷で彩られた夜祭から一夜。
朝の澄んだ光がオアシス都市『アル・シャハル』を包み込む中、広場にはタクミたち一行の見送りに大勢の市民や子どもたちが集まっていた。
「タクミ様、皆さん! 本当にありがとうございました!」
「水も冷たくて綺麗だし、噴水もすごくキレイ! また絶対遊びに来てねーっ!」
子どもたちが笑顔で手を振り、街の長老が深々と頭を下げる。
「ふふ、みんな喜んでくれて良かったね。……よし、それじゃあ僕たちも出発しようか!」
タクミが明るく声をかけ、整備を終えた『サンド・グライダー』に乗り込む。
大赤砂漠を越えた先、一行が目指すのは中央領域の中枢にして、無数の魔術士や職人が集う大都市——『魔法技術都市エル・グラード』である。
「ガルドさんからの伝書鳥によると、王都での緊急依頼を無事に片付けて、エル・グラードで合流できる手はずになっているそうですわ」
フィオナが手にした羊皮紙を愛おしそうに折りたたみながら微笑む。
「フン、あの荒骨のオヤジめ、一足お先に街で一杯引っ掛けておらねば良いがな!」
バランドが豪快に笑い飛ばすと、セナも「ガルドに逢ったら、冷たいかき氷のこと自慢してやるんだーっ!」とソリの上で元気に拳を突き上げた。
「魔法と技術が融合した大都市エル・グラード……。失われた古代の知識や、見たこともない珍しい素材が数多く眠っていると聞きます。タクミ様のDIYが、かの地でどんな進化を遂げるのか……期待で胸が高鳴りますね」
アルヴィスが真鍮の万年筆を胸ポケットに挿し、目を輝かせる。
砂漠の乾いた風を背に受け、スラスターの力強い推進音とともにサンド・グライダーが滑らかに発進した。
オアシスの緑が遠ざかり、街道の先に広がる緑豊かな新緑の平原と、遥か彼方にそびえる高層の魔導塔群が見えてくる。
「さあ、次の街でも誰もがびっくりして笑顔になれるような、最高のDIYを作っていくぞー!」
タクミの晴れやかな宣言とともに、サンド・グライダーは新しい風を切り、まだ見ぬ未知の大地へと爽快に駆け出していくのだった。
第56話をお読みいただきありがとうございました!
過酷な大赤砂漠編とオアシス都市編が無事に完結し、物語はいよいよ新章「魔法技術都市エル・グラード編」へ突入します!
次回第57話は、緑豊かな街道で久しぶりの野営! ガルドとの再会直前に贈る「どこでも快適ポータブル薪ストーブ&絶品野営飯DIY」をお届けします! 引き続き応援よろしくお願いいたします!




