第51話:黄金の砂漠を抜けて、活気あふれるオアシス都市へ
第51話をお読みいただきありがとうございます!
大砂嵐を乗り越え、ついに大赤砂漠の完全横断を果たしたたくみたち一行!
到達した大オアシス都市『アル・シャハル』の活気と、砂漠を越えた先での新たな「冷涼リフォーム&快適快適DIY」の開幕をお届けします!
大砂嵐の漆黒の闇を突き抜け、完全密閉キャビン仕様の『サンド・グライダー』が光の世界へと躍り出た。
ドーム状のポリカーボネートカバー越しに見える空は、先ほどまでの荒れ模様が嘘のように澄み渡り、果てしなく続いていた朱色と黄金色の砂丘が徐々に緩やかな岩肌へと表情を変えていく。
「見て見て、たくみ! 砂漠の向こうに大きな街が見えるよーっ!」
助手席でセナが身を乗り出し、目を輝かせて地平線を指さした。
その視線の先には、見上げるほど巨大な白い石造りの城壁と、緑豊かなヤシの木々、そしてドーム状の屋根が立ち並ぶ大オアシス都市——『アル・シャハル』が聳え立っていた。
「おお……! あれが大赤砂漠の出口にして、中央領域への玄関口と言われるオアシス都市アル・シャハルか! 無事に大砂漠を横断しきったのじゃな……!」
バランドがソリの手すりを固く握り締め、感無量の面持ちで深々と息を吐き出す。
「たくみ様のおかげですね。本来なら命がけで数ヶ月かかる大赤砂漠の横断を、怪我ひとつなく、こんなにも快適に走り抜けてしまうなんて……」
フィオナもまた、安堵の表情で胸の前で手を組み、たくみに温かな視線を向けた。
「ふふ、バランドさんの師匠が残してくれたフレームと、みんなの協力があったからこそだよ。よし、キャビンを開放して街の門へ向かおう!」
たくみが操作レバーを引くと、密閉ドームが滑らかにスライドして収納され、砂漠の爽やかな風が車内へと吹き込んできた。
サンド・グライダーは港の滑走路を滑る船のように滑らかに城壁の門へと歩を進め、門衛たちの度肝を抜くことになる。
「な、なんだあの車輪もないのに砂の上を滑ってくる奇妙な乗り物は……!? 魔法の戦車か!?」
「待て! 乗っているのは……風谷のスカウトと、見知らぬ旅人たちだぞ!?」
腰を抜かしそうになりながら槍を構える門衛たちに、たくみは苦笑しながらサンド・グライダーを停止させ、穏やかに声をかけた。
「怪しい者じゃありませんよ。大赤砂漠を渡ってきた旅の者です。街の宿で少し身体を休めたいのですが、手続きしてもよろしいですか?」
「あ、大赤砂漠を横断してきた……!? あの大砂嵐の中を、そのソリ一つでか!?」
門衛たちは目玉が飛び出さんばかりに驚愕しつつも、たくみたちの穏やかな雰囲気と身元を確認すると、恭しく街への入場を許可した。
一歩街の中へ入ると、そこは異国情緒あふれる大市場の熱気で満ちあふれていた。
色とりどりの布地や珍しい香料、色鮮やかな果物が露店に並び、商人たちの威勢の良い掛け声が飛び交っている。だが同時に、たくみの鋭い職人の目は、この美しいオアシス都市が抱える「ある問題」を見逃さなかった。
「うーん……陽射しが強くて石造りの建物が熱を溜め込んでいるね。それに、市場の露店や宿屋の部屋に熱気がこもっていて、みんなかなり暑そうだ」
「ええ、この街は年中強い日光に晒されますから、室内や日かげでもムッとするような湿熱がこもりやすいのですわ」
フィオナが汗を少し浮かべながら頷く。
「よし! 無事に砂漠も越えられたことだし、まずは今夜泊まる宿屋を僕のDIYで激変させて、最高の『冷涼リフォーム&特製冷感DIY』で長旅の疲れを吹っ飛ばそう!」
「ガハハ! 小僧のDIYがまた火を吹くか! 楽しみにしておるぞ!」
たくみの頼もしい宣言に、バランドやセナ、フィオナが顔を見合わせ、晴れやかな笑顔を咲かせるのだった。
第51話をお読みいただきありがとうございました!
過酷な砂漠横断を無事に終え、舞台は中央領域への玄関口であるオアシス都市アル・シャハルへ!
次回第52話は、借り受けた古びた宿場町の一角を、遮熱サンシェードや微細ミスト噴霧器、そして「手作り氷と冷涼ハーブの快適空間DIY」で劇的ビフォーアフターするお話です! 引き続き応援よろしくお願いいたします!




