第7話:神殿を襲撃した悪徳貴族と、ジャリジャリ鳴る恐怖の石
第7話をお読みいただきありがとうございます!
今回は、ついに噂を聞きつけた外部の人間(悪徳貴族と騎士団)が押しかけてくる撃退編!
防犯砂利と人感センサーライトという、ホームセンターの防犯DIYの定番が不審者たちを恐怖のどん底に突き落とします。
ログハウスでの快適なスローライフが定着してきたある夜のこと。
「くっくっく……ここが噂の『死の樹海』に現れた怪しい神殿か。大聖女や剣聖、宮廷魔導士までもを取り込み、良からぬ企みをしていると聞いたぞ」
暗闇に包まれた庭に、不気味な影がいくつも忍び寄っていた。
率いるのは、隣国の強欲貴族・バルカス子爵と、彼が金で雇った精鋭の『黒狼騎士団』三十名である。
彼らは神殿の秘宝(※タクミのDIY家具や家電)と大聖女を奪い、自らの手柄にしようと夜襲を試みていたのだ。
「全員、息を殺して敷地内に侵入せよ。神殿の者に気づかれる前に囲い込むのだ」
漆黒の甲冑に身を包んだ騎士たちが、足音を消して敷地の境界線を越えた――その瞬間。
ジャリッ!! ジャリジャリジャリッ!!!
「「「な、なんだこの音はぁぁぁッ!?」」」
静寂に包まれた夜の樹海に、耳を突き刺すような凄まじい大音量の金属摩耗音が響き渡った!
いくら足音を殺そうとしても、足を踏み出すたびに「ジャリッ! ジャリッ!」と巨大な雷鳴のごとき爆音が足元から鳴り響く。
「な、なんだこの石は!? ただの砂利ではないぞ! 踏みつけるたびに精神を削るような爆音を鳴らす『鳴動呪詛の魔石』か!?」
バルカス子爵が青ざめて悲鳴をあげる。
タクミが庭の周囲に敷き詰めていたのは、ガラスを高温で発泡させて作った、ごく普通の『防犯砂利』だった。
防犯性を高めるために80デシベル以上の大音量が出るよう設計された代物だが、夜襲を狙う騎士たちにとっては悪夢のようなトラップだった。
「ええい、動くな! 動くと音が鳴る! 静かに……静かに前進するのだ――」
騎士団が冷や汗を流しながら硬直した、次の瞬間。
ピカァァァァァァァァッ!!!!
「「「目がぁぁぁぁぁッ!?!?!?」」」」
頭上から、真昼の太陽すら凌駕するほどの圧倒的な超高輝度の白光が暴れ出した!
暗闇に慣れていた騎士たちの視界は一瞬で真っ白に染まり、悲鳴をあげて目をおさえる。
「な、なにが起きた!? 太陽の神聖魔術か!? 詠唱も魔導陣もなかったぞ!?」
彼らが照らし出されたのは、タクミが軒下に取り付けていた『ソーラー式・人感センサーLED投光器(強光モード)』の照射エリアに入ったからだった。
人の動き(赤外線)を感知して自動で1000ルーメン超の爆光を照射する防犯ライトである。
パタン。
光に照らし出された玄関のドアが開き、中からパジャマ姿のタクミが顔を出した。
その背後には、スリッパを履き、冷えた麦茶のコップを持ったガルドとアルヴィス、そしてフィオナが冷ややかな視線を送っている。
「うわ、すごい人数……。あ、センサーライトと防犯砂利、ちゃんと機能してますね」
タクミは感心したように頷いた。
「た、タクミ様……。不法侵入者をあらかじめ察知し、踏み込んだ瞬間に爆音で精神を挫き、光で視界を奪う『神聖自動防衛陣』……! 完璧な防犯設計です……!」
アルヴィスがノートに『光と音の自動迎撃陣』と興奮気味に書き込んでいく。
「おい、闇討ちとは卑怯な真似を」
ガルドが手にしていた『556で手入れした大斧』を軽く振ると、その風圧だけで庭の樹木が一本吹き飛んだ。
光に目が眩み、足元の爆音砂利にパニックになり、目の前にはブチ切れた剣聖と大魔導士。
「ひ、ひぃぃぃぃっ! お許しをぉぉぉッ!」
バルカス子爵と騎士団は、蜘蛛の子を散らすように「ジャリジャリジャリッ!」と爆音を撒き散らしながら逃げ出していくのだった。
「……ふぅ、夜中に騒がしい人たちでしたね。さ、麦茶がぬるくなっちゃいますから中に入りましょう」
こうして、タクミの無自覚な防犯DIYによって、神殿の平和は今夜も守られたのだった。
第7話をお読みいただきありがとうございました!
防犯砂利と人感センサーライトというホームセンターの王道防犯グッズが、不審者たちを完璧に返り討ちにしました。
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