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魔境に自分好みの家をDIYで建てたら、居心地が良すぎて「絶対不可侵の神殿」と拝まれていた件  作者: dapon


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第47話:灼熱の砂の海と、疾走するサンド・グライダー

第47話をお読みいただきありがとうございます!


今回からいよいよ新章「大赤砂漠編」が開幕いたします!


ガルドとバアルがそれぞれの急用(緊急依頼&魔王城のウォシュレットメンテナンス)で一時離脱する中、バランドの亡き師匠の遺産とタクミのDIYが融合した「サンド・グライダー」が完成! 爽快な砂上ドライブの幕開けをお楽しみください!

風谷の村をあとにしたタクミたち一行は、砂利の混じる急坂を下り、広大な砂の海——大赤砂漠の入口へとたどり着いていた。


頭上からは苛烈な太陽の熱線が降り注ぎ、地平線の彼方まで黄金色と朱色の砂丘が波のようにうねっている。一歩足を踏み出すたびに、砂の中に足首まで沈み込み、むっとする猛暑が靴底から伝わってきた。


「うへぁ……! 歩くだけで足が砂に埋もれて進みにくいよー!」


先頭を歩いていたセナが、ショート丈の砂漠衣装の裾をはためかせながら、砂に足をとられてたたらを踏む。


「無理もないわ。この大赤砂漠の砂は『流動細砂』と呼ばれ、きめ細やかすぎて人間が歩こうとすると体重で沈み込んでしまうのじゃ」


背負い袋を担ぎ直した老技師バランドが、深々と溜め息をつく。


「いやあ、本当にガルドさんやバアルさんが一緒じゃなくて正解だったかもしれないね」


タクミが苦笑いを浮かべながら汗を拭うと、隣を歩くフィオナが風谷特産のフードを少し持ち上げ、懐かしそうに目を細めた。


「ふふ、そうですね。ガルド様は王都冒険者ギルドからの『S級緊急指名依頼』で巨大魔獣の討伐へ向かわれましたし、バアル様は魔王城の部下の方々から『ウォシュレットの調子がおかしい』と泣きつかれて緊急帰還されましたものね」


「おうガハハ! あの重装甲の剣聖と、つなぎ姿の魔王がここにいたら、甲冑の重さで身動きが取れなくなって頭まで砂に埋もれておったわい!」


バランドが豪快に笑い声をあげる。


「ガルドさんは『一揉みで片付けて中央領域で合流する!』って意気込んでいたし、バアルさんも『お尻の聖域の危機を放っておけぬ!』って作業着のまま飛んで行ったからね。二人とも無事に用事を済ませて合流できるといいんだけど」


「タクミ様、私たちは私たちの旅を進めましょう。ですが……この広大な砂漠を徒歩で横断するのは、体力的にもかなり厳しそうですね」


フィオナが遠くの砂丘を見つめながら懸念を口にする。


「ふふん、そこで僕の【万能資材目録】と、バランドさんから提供してもらった『あのフレーム』の出番だよ!」


タクミは胸を張り、背中の大型リュックを下ろすと、目録からいくつかの特製資材を取り出した。


「バランドさんの亡き師匠が遺した特殊鋼フレーム……これをベースに、砂の上を滑るように進む『サンド・グライダー(砂上滑走ソリ)』をDIYするんだ!」


「おおおっ!? 亡き師匠のフレームを使うのか、小僧!」


バランドが目を輝かせる。


タクミはさっそく【万能資材目録】と【極限加工】を起動させた。


接地部には、摩擦係数を極限まで低減させた超高分子ポリエチレン(UHMW-PE)加工の特製滑走ランナー(ソリの刃)を取り付ける。


さらに、バランドの師匠が作ったしなやかで頑丈な特殊鋼フレームの上に、風谷特産の軽量竹材で編み上げたエアロフォルムの座席ボディを組み上げた。


仕上げに、後方には【万能資材目録】の熱風魔法陣を組み込んだ『風力推進ブロワー(風力スラスター)』を二基セッティング!


「はい完成! 風の力を受けて砂の上を滑るように走る『砂上滑走艇・サンド・グライダー』だよ!」


目の前に現れた流線型の美しいソリに、セナが「うわあぁぁぁっ! すごーい! カッコいいーっ!」と目を爛々と輝かせて飛びついた。


「な、なんという軽やかで無駄のないフォルムじゃ……! 師匠の遺した頑丈な骨組みが、こんな洗練された砂上艇に生まれ変わるなんて……っ!」


バランドが感動のあまり、ソリのフレームを撫でながら男泣きする。


「さあ、みんな乗り込んで! 熱中症対策に『魔法極冷ボトル』の冷たいドリンクもセットしてあるからね!」


タクミ、フィオナ、セナ、バランドの四人がシートに乗り込み、安全ベルトを締める。


タクミが制御レバーを握り、風力スラスターのスイッチを入れた——。


ブワッ……!!


後方から強力な風が噴出し、サンド・グライダーは重力を感じさせない滑らかさで砂の海へと滑り出した!


「きゃあぁぁぁっ! 飛んでるみたい! すっごく速いよーっ!」


「お, おおっ!? 砂に一切沈まず、まるで氷の上を滑っておるようだぞ! ガハハ, 爽快じゃわい!」


疾走するソリの上で, 涼しい風が四人の髪を心地よく揺らす。


過酷を極めるはずの大赤砂漠横断が, タクミのDIYによって快適で爽快なドライブへと変貌を遂げたのだった。

第47話をお読みいただきありがとうございました!


歩くことすら困難な流動細砂の砂漠を、超高分子滑走ランナーと風力スラスターを備えた「サンド・グライダー」で一気に駆け抜ける爽快なスタートとなりました。


次回第48話は、砂漠の熱砂の中に突如出現する「流砂の罠(オアシス奇襲)」と、滑走艇を狙う砂漠の魔獣に立ち向かう戦闘&車体強化DIYをお届けします! 引き続き応援よろしくお願いいたします!

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