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魔境に自分好みの家をDIYで建てたら、居心地が良すぎて「絶対不可侵の神殿」と拝まれていた件  作者: dapon


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第45話:風を束ねる砦と、老技師の誇り

第45話をお読みいただきありがとうございます!


「大気集水メッシュ」によって水利権の暴利を脅かされた代官ガザロフが、ついに私兵団を引き連れて村の破壊にやってきました。


暴虐な武力に対し、老技師バランドが長年温めていた設計構想とタクミの即興DIY、そしてフィオナの防衛魔法がひとつになり、過酷な乾燥風を強力な「迎撃壁」へと変貌させます!

「おい野郎ども! 叩き潰せ! 許可なく水を沸かすような不遜な装置など、影も形も残すな!」


怒号とともに、乾燥した峡谷に馬くつわの音が響き渡った。


重装の甲冑に身を包んだ代官ガザロフの私兵団――その数、およそ三十。手には松明と巨大な鉄鎚が握られている。


「ヒヒヒ! 村のネズミどもめ、ガザロフ様から買い取る水代をケチった罰だ! あの網を焼き払え!」


「させないよッ!」


風を捕らえる翼を広げ、セナが崖の上から躍り出た。だが、兵士の一人が放った大型のクロスボウが彼女の翼をかすめ、セナは岩場へと不発着気味に転がり落ちる。


「くっ……! 風向きが悪くて飛べない……!」


「ハハハ! 殺せ! 水網もろとも全員血祭りに上げてやる!」


迫り来る兵士たち。だがその前に、ドスンと重い足音とともに一人の男が立ちはだかった。


使い古された工具ベルトを固く締め直した、老技師バランドだ。


「わしの村で……わしの弟子たちが夢見た技術の結晶の前で、好き勝手させられるかよッ!」


「じいさん……!」


「たくみ! 以前、わしが事故で諦めた『流体力学のノズル設計』を覚えているか! この谷の強い風を一箇所に集束させれば、どんな鉄の鎧だろうが吹き飛ばす圧縮風圧(エア・キャノン)が作れる!」


「バランドさんの設計……! 覚えています、ベンチュリ効果を極限まで高めた風流集中構造ですね!」


「おうよ! だがわしの木工加工じゃ強度が足りずに粉々になった! お前のあの突飛な加工なら耐えられるか!?」


「耐えさせてみせます! 【万能資材目録】・【極限加工】!!」


タクミの叫びとともに、崖の粘土質赤土と、先ほどバランドから提示された高強度の赤銅鉱、そしてしなやかな竹フレームが瞬時に分子レベルで結合していく!


バランドが長年描き続けていた夢の設計図が、タクミの手によってコンマ数秒で現実の形――『赤土強成形・ベンチュリ風力集中砲(エア・ノズル)』として築き上げられた!


「な、なんだあの薄気味悪い巨筒は……!? 構うな、突撃――」


「そうはさせません! 『聖輝の防風陣(エア・プロテクション)』!」


突撃する兵士たちの足元に、フィオナが即座に防御魔法の陣を展開! 眩い光の障壁が展開され、兵士たちの進軍を数秒間完全に足止めする。


「フィオナ、ナイスです! バランドさん、ノズル固定完了しました!」


「よし……! 谷風が吹くぞ、風の通り道を全開にしろ!!」


バランドが巨筒の制御レバーを力任せに引く!


峡谷を通り抜ける広大な風が、漏斗状の巨大ノズルへと一気に吸い込まれ、極限まで圧縮されていく!


――ズドォォォォォォンッ!!!!


「「「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!?」」」


大砲の砲撃にも似た凄まじい衝撃風が巨筒の先から噴出!


重装甲の兵士たちが、まるで落ち葉のように束になって吹き飛ばされ、崖下の砂利場へと一気に転がっていった。松明の火も、一瞬の真空状態によって影も形もなく消し飛ぶ。


「な……なんなんだあのバケモノみたいな威力は!? ひ、ひぃぃっ! 退却! 退却だぁぁぁっ!」


残された兵士たちは、恐れをなしてクモのの子を散らすように逃げ出していった。


「や、やった……! 追い払ったぞ……!」


村人たちから割れんばかりの歓声が巻き起こる。


「たくみ、バランドじいちゃん! すごい、すごすぎるよ!!」


セナが抱きつこうと飛びついてくるが、すかさずフィオナが「セナさん、タクミ様は今、魔力を酷使してお疲れなのですからね?」と優しく(そして鉄壁の圧で)ガードに入る。


夕陽が射し込む中、バランドは完成した風力ノズルにそっと手を触れ、ぽつりと呟いた。


「……あいつらに見せてやりたかったな。風は……人を殺す崩落の悪魔じゃねぇ。人を助ける力になるんだってことを……」


「バランドさん……」


タクミが歩み寄ると、老技師は照れくさそうに頭を掻き、ガシッとタクミの肩を掴んだ。


「たくみ、フィオナ。わしの負けだ。お前たちのDIYと……その誇り、本物だったよ。この谷の水と風、全部お前たちに預けた!」


頑固な老技師の心が、ついに完全に解き放たれた。


風が吹き抜ける赤土の谷に、真の開拓と反撃の旋風が巻き起ころうとしていた。

第45話をお読みいただきありがとうございました!


バランドの過去の未完成設計とタクミのDIY、そしてフィオナの防衛魔法が噛み合ったスカッとする迎撃戦でした!


次回第46話は、代官ガザロフの独占する「水利権」を完全に崩壊させるクライマックスへ!


直射日光を防ぎ水を冷たく保つ『ジオデシック・遮光タープ & 素焼き蒸発冷却庫』の大型DIYと、冷た〜いお水・ハーブドリンクでの祝勝会をお届けします!

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