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魔境に自分好みの家をDIYで建てたら、居心地が良すぎて「絶対不可侵の神殿」と拝まれていた件  作者: dapon


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第39話:泥沼に浮かぶ緑と、理系調査官の帳簿

第39話をお読みいただきありがとうございます!


エアボートと多重ろ過タワーで湿地攻略を進めるタクミたち。


今回は、湿地地帯の深刻な食料・野菜不足を解決するため、竹と毛細管現象を活用した「水上浮き畝(フローティング・ガーデン)」のDIYに挑戦します!


ツンデレ調査官リゼットの計算能力と帳簿管理が大活躍する回です!

「水も通って道もできた。だが……この泥沼じゃまともな野菜ひとつ育たん。葉物野菜や根菜は水に浸かりっぱなしだと根腐れを起こして全滅してしまうのだ」


泥沼の岸辺で、開拓民の世話役である老人が、乾いた保存食のパンをかみちぎりながら力なく首を振った。


湿度が高く伝染病も発生しやすい湿地において、新鮮な野菜によるビタミン補給は生命線だ。


「土がない……水に沈んでしまう……。ならば、『水の上に浮かぶ畑』を作ればいいんです!」


タクミの宣言に、リゼットが帳簿から弾かれたように顔を上げた。


「水に浮かぶ畑ですって……!? 浮力で浮かせたとしても、作物の根に必要な水分と酸素のバランスはどう保つのですか? ただ水に浸すだけなら水耕栽培の技術が必要で――」


「ふふ、大丈夫です! それを解決するのが、竹の浮き枠とヤシガラ・湿地堆肥を組み合わせた『水上浮き畝(フローティング・ガーデン)』です!」


タクミは【万能資材目録】と【極限加工】を起動!


中空で強固な太竹を四角く組み上げて堅牢な浮力フレームを作り、その中央にヤシの繊維と木炭、発酵させた湿地堆肥を敷き詰めて軽量培地を形成した。


「この培地のポイントは『毛細管現象』です! 下の泥沼から必要な分だけ水分が自動で吸い上げられ、水面より上に置かれた根はたっぷりと酸素を吸うことができます!」


「毛細管現象……! 培地の空隙率と毛細管径を精密に計算すれば、水分の吸い上げ量を最適値に保持できるというわけですね!?」


リゼットのメガネがキラーンと光った。


彼女はすぐさまポケットから計算尺を取り出し、帳簿に数式と数値を猛烈な勢いで叩き込み始めた。


「たくみさん! 培地の厚みをあと三センチ増やし、炭素比率を15%上げなさい! そうすれば水温上昇による根腐れ確率を極限まで低減できます!」


「さすがリゼットさん! 完璧な計算です!」


タクミとリゼットのタッグによって組み上げられたいくつもの浮き畝が、ゆったりと泥沼の水面に浮かべられた。そこへクレソンや水稲、パプリカやハーブの苗を植え付けていく。


数週間後――。


水面にゆらゆらと浮かぶ緑の浮き畝には、泥沼の豊富な養分と太陽の光を吸い上げた青々とした新鮮な野菜が鈴なりに実っていた!


「な……なんというみずみずしさだ! 泥沼の水を吸っているはずなのに、臭みが全くなくシャキシャキとして甘い……!」


もぎたてのクレソンとトマトを口にした老人が、驚きと感動で涙を浮かべる。


「ふん、当然です! 私の計算した最適比率と、たくみさんの完璧なDIY構造による成果なのですから!」


腕を組み、ふふんと胸を張るリゼット。その作業着の袖や頬には、計算に熱中するあまりついた黒い炭と泥が可愛らしく残っていた。


「リゼットさん、顔に泥がついてますよ。……でも、すごくイキイキして素敵な笑顔ですね」


「なっ……!? べ、別に私は調査官として正確なデータを記録していただけです! か、勘違いしないでくださいね!?」


顔を真っ赤にして背を向けるリゼットの姿に、ガルドやアルヴィス、フィオナたちから温かい笑い声がこぼれるのだった。

第39話をお読みいただきありがとうございました!


水上浮き畝の完成により、泥沼地帯に豊かな農園が誕生しました! リゼットもツンデレを発揮しつつ、理系理論で大活躍です!


次回第40話は、湿地特有の大雨による増水危機! 竹製サイフォンと水圧浮力による「自動逆流防止水門」のDIYで集落と木道を水害から守り抜きます!

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