第37話:湿気の籠る夜と、高床式通風小屋
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竹網蛇籠と木道によって泥沼の上に安全な通路を切り開いたタクミたち。
今回は、湿地地帯特有の「底冷え・猛烈な湿気・群がる害虫」という三重苦を克服するため、高床建築と自然派防虫DIYで快適な拠点を築きます!
「うぅ……服がしっとり重くて、肌にまとわりつくよ……」
木道の上で作業を続けていたフィオナが、額の汗を拭いながら困り顔でため息をついた。
夕刻が近づくにつれ、地表の泥沼から生ぬるい蒸気が立ち上り、周囲の湿度はあっという間に限界まで跳ね上がっていた。さらに――
――ブーン……キーン……。
「うわっ!? なんだこのデカい蚊の群れは!? 服の上から刺してこようとするぞ!」
ガルドが大剣の柄で払いのけようとするが、湿地から湧き出す羽虫の群れは容赦なく一行を取り囲んでいく。
「地表の湿気と熱気、そして幼虫の発生源となる泥沼……。このまま地上に幕営すれば、一晩で体力を奪われ、害虫の毒に苦しめられることになりますな」
アルヴィスが真鍮の万年筆をサラサラと走らせながら、眉をひそめる。
「よし、今夜の宿は地面から浮かせて建てましょう! 『高床式通風避難小屋』の建設です!」
タクミは頼もしく笑うと、さっそく【万能資材目録】と【極限加工】を起動!
強靭な防腐処理済みの丸太柱を泥沼の深く(硬い地層)まで打ち込み、地面から高さ1.5メートルの位置に強固な高床デッキを組み上げた。
さらに、壁面には風を効率よく取り込む『可動式竹ルーバー(鎧戸)』を取り付け、屋根には湿気を逃がす通風口を施工する。
「高床にすることで、地表からの湿気と冷気を完全にシャットアウトします! 風が床下と室内を吹き抜けるので、驚くほど涼しいですよ!」
「さらに、害虫対策にはこれです!」
タクミが取り出したのは、高密度の『微細防虫網』と、湿地に自生していた天然の除虫草から抽出した『天然ピレスロイド配合・防虫スプレー』だ。
開口部に防虫ネットを隙間なく張り巡らせ、周りにスプレーを吹きかけると――あれほど群がっていた羽虫たちが、まるで目えない壁に阻まれたかのように一斉に逃げ出していった!
「な……!? あれだけ群がっていた羽虫どもが、一匹たりとも入って来れんぞ!?」
高床小屋の中に入ったバアルが、目を丸くして感心したように壁を撫でる。
外の蒸し暑さが嘘のように、室内には心地よい湿地の風が吹き抜け、さらさらとした快適な空間が広がっていた。
「地面から浮かせ、風を通し、微細な網と自然の香りで虫を退ける……! まさに過酷な湿地環境を無効化する『空中居住の技術』……!」
アルヴィスが万年筆のインクを滑らせ、目を輝かせてノートに刻み込んでいく。
「これなら今夜はぐっすり眠れそうだね、タクミお兄ちゃん!」
フィオナが嬉しそうに微笑み、一行は湿地の過酷さを忘れて快適な夜を過ごすのだった。
第37話をお読みいただきありがとうございました!
高床式通風建築と防虫メッシュ&天然スプレーDIYにより、湿地特有のじめじめと害虫が見事に克服されました。
次回第38話は、ぬかるんだ湿地を安全かつハイスピードで移動するための「泥上滑走ボート(エアボート風手押し舟)」と、泥沼の水を浄化して飲む「多重ろ過ろ過タワーDIY」に挑みます! 引き続き応援よろしくお願いいたします!




