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魔境に自分好みの家をDIYで建てたら、居心地が良すぎて「絶対不可侵の神殿」と拝まれていた件  作者: dapon


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第36話:足をとられる広大な泥沼と、竹網蛇籠(じゃかご)

第36話をお読みいただきありがとうございます!


閑話を経て、今回からいよいよ新章『第5部:南の広大な湿地・泥沼開拓DIY編』が開幕します!


旅の途中で訪れた南の地域は、渡れる道すらない一面の泥沼地帯。足をとられて進めない仲間たちのため、タクミの現場系DIYの知恵が冴え渡ります!

「……これは、想像以上に厳しいな」


小高い丘を降り、南の地に足を踏み入れた途端、アルヴィスは顔をしかめて足を止めた。


視界いっぱいに広がっているのは、豊かな緑……ではなく、足を踏み入れることすら躊躇われる黒く濁った泥沼と、足元から漂う生ぬるい湿気だった。


「うわぁ……ずぶずぶ沈んじゃうよぉ! ブーツが抜けなくなっちゃう!」


元気よく先頭を走ろうとした少女が、ズボッと膝下まで泥にハマって半泣きになりながらジタバタと脚を抜こうとしている。


「待って! 暴れるともっと沈んじゃうから!」


タクミは大慌てで駆け寄り、荷物の中から短く切った平らな木板を取り出して足元に敷き、体重を分散させながら彼女を泥の中から引き上げた。


「あ、ありがとうタクミお兄ちゃん……足が持っていかれるかと思った……」


「南の広大な湿地帯……噂には聞いていましたが、これほどとは。荷車や馬はもちろん、徒歩での行軍すら困難です」


アルヴィスが、タクミから貰ったばかりの真新しいノートと万年筆をさっと取り出し、周囲の地形とぬかるみ具合を冷静に記録していく。真鍮の万年筆は、泥水が少々はねても滑らかな書き心地を一切損なうことがない。


「よし、まずは足場(ロード)の確保から始めよう。この泥沼を泥のまま踏み固めるのは無理だ。まずは『竹網蛇籠(たけあみじゃかご)』と『泥上敷板(デッキ)』を作るよ!」


「ジャカゴ……? 竹で蛇を作るのですか?」


不思議そうに首をかしげるアルヴィスに、タクミはニッコリと答えた。


「ううん、竹を網状に編んで筒を作り、その中にそこらへんのゴロゴロした石を敷き詰める土木資材のことだよ。これを泥沼の中に沈めて敷き詰めることで、泥の中に頑丈な骨組みができて、上からの重みに耐えられる地盤ができるんだ」


タクミは近くに自生していたしなやかな太竹を伐採すると、【極限加工】を発動させた。


竹は瞬時に均等な厚みの竹ひごや帯状の部材へと加工され、素早くかご状に編み上げられていく。


「さあ、みんなで周りの河原石を集めてこの中に入れよう!」


「それなら私に任せて!」


仲間たちが力を合わせて石を竹籠に詰め込むと、ずっしりと重い「竹網蛇籠」が完成した。それを泥沼のポイントに沈めると、沈み込もうとする泥を石の重みと竹網がガッチリと受け止め、強固な基礎が出来上がっていく。


さらにその上に、高床にするための厚みのある木製デッキパネルを並べて連結していった。


「すごい……! さっきまで足が底なしに沈んでいた泥沼の上に、まるで頑丈な橋のような『木道』が出来上がっていく……!」


アルヴィスは感動に目を輝かせながら、その工程を万年筆で刻んでいく。


こうして、南の泥沼地帯に一本の強固な「開拓用木道」がまっすぐに伸び始めたのだった。

第36話をお読みいただきありがとうございました! (ナンバリングの修正にご協力いただき大変感謝いたします!)


南の泥沼地帯での足場確保として、土木DIYの定番「竹網蛇籠(じゃかご)」と木道づくりがスタートしました!


次回第37話は、湿地特有のじめじめした気候と害虫対策、そして快適に過ごすための「高床式通風避難小屋」の建設に取りかかります!

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