第35話:岩山を照らす太陽と、黄金の荒野バーベキュー(東の乾燥荒野・岩山開拓編完結)
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岩盤掘削、地下パイプライン、寒暖差対策、そして点滴灌漑農園と、荒野のインフラを完璧に整えてきたタクミたち。
今回は『東の乾燥荒野・岩山開拓編』の完結回! 自立型エネルギーと防砂技術を組み合わせた大仕掛けの完成と、村人たちとの賑やかなお別れ宴会を描きます!
地平線の彼方から、空を黒く染め上げるほどの巨大な砂嵐『大砂塵暴』が迫っていた。
荒野に住む者たちが最も恐れる、すべてを飲み込む自然の猛威だ。
「た、タクミ殿……! あの規模の砂嵐が直撃すれば、いくら防風ネットがあっても集落の建物が持ちこたえられん……!」
ドノバンが震える手で迫り来る黒雲を指さす。
「大丈夫です、ドノバンさん! 最後の仕上げとして、集落の外周と各住居に『太陽光発電&蓄電型・電動アルミ防砂スリットシャッター』を設置しました!」
タクミが集落中央の操作パネルのスイッチを押すと――
――ウィーン……ガシャコンッ!
強固なアルミ合金製のシャッターが、日中に太陽光パネルで蓄えた電力によってスムーズに下り、集落全体を気密性の高い堅牢な防壁で包み込んだ。
――ゴォォォォォォッ!!
直後、集落を叩きつけた猛烈な大砂塵暴。しかし、重厚なシャッターと気密パッキンが砂と暴風を完全に遮断し、室内には砂一粒、風ひと吹きすら侵入してこない。
「な……砂嵐の凄まじい音が、遠くの小鳴りのようにしか聞こえん……! 家の中に砂が全く入ってこないぞ!」
「太陽の光を『電力』として蓄え、力学的な自動防壁を駆動させる……! 自然のエネルギーを以て自然の猛威を制す、まさに奇跡の防護陣……!」
アルヴィスがノートを抱え、興奮を隠せない様子でペンを走らせる。
数時間後、大砂塵暴が走り去り、シャッターが再び開放されると――そこには傷ひとつついていない集落と、青々と無事に実り続ける点滴灌漑農園が広がっていた。
「「「う……うおぉぉぉぉっ!! 勝った! 俺たちは大砂塵暴に勝ったんだーっ!!」」」
ドノバンと開拓民たちが、抱き合って大歓声を上げる。
「さあ! 無事に大砂塵暴もしのげましたし、今夜は『極上荒野バーベキューパーティー』で祝杯をあげましょう!」
その夜、星空が広がる涼しい荒野で、タクミが自作した『無煙遠赤外線バーベキューコンロ』に火が灯された。
香ばしく焼き上げられるのは、港町から持参した熟成肉と、遮光ネット下で育ったあふれんばかりの果汁を蓄えた甘いトマト、ナス、パプリカだ。
「じゅわぁぁぁ……っ!」
「〜〜〜〜っ!? う、美味い! 甘い野菜のタレと香ばしい肉汁が合わさって、ほっぺたが落ちそうだ!!」
「ふはは! 荒野の夜風に吹かれながら喰らう肉と野菜、最高だな! タクミ殿、酒が進むぞ!」
作業着姿の魔王バアルも、ガルドやフィオナと肩を並べて大口で肉と焼き野菜を頬張る。
「タクミ様、砂に覆われていたこの土地が、こんなにも豊かな笑顔で満たされましたね」
「ええ。どんなに過酷な荒野でも、水と技術、そして知恵があれば人は豊かに暮らせますから」
タクミが温かく目を細めていると、アルヴィスが新しい連絡用の羊皮紙を受け取った。
「タクミ様、王都からの更なる連絡です! 次は……王国の最南端に位置する『広大な湿地&底なしの泥沼地帯』にて、足場の確保と衛生環境の改善、そして湿地開拓の要請が届いております!」
「湿地と泥沼ですか……! よし、次はぬかるみを克服する泥上インフラDIYですね!」
タクミは力強く拳を握りしめた。
「ドノバンさん、皆さん! この荒野はもう立派な開拓地です。僕たちは次の現場へ向かいます!」
「タクミ殿……! あんた方から貰った水と、この甘い野菜、そして諦めないDIYの魂は、俺たちが一生守り抜いて見せます! 本当に……本当にありがとうございました!!」
満天の星空の下、感動の涙と感謝の歓声に包まれながら、タクミたちは次なる試練の地――『南の広大な湿地・泥沼地帯』へと向けて旅立つのだった。
(第4部:東の乾燥荒野・岩山開拓編 ―ザルバ荒野編・完―)
第35話をお読みいただきありがとうございました!
太陽光電動シャッターと荒野バーベキュー宴会を経て、『東の乾燥荒野・岩山開拓編』が堂々の完結となりました!
次回第36話からは、舞台を足場の悪さと湿気に悩まされる『南の広大な湿地・泥沼地帯』へと移し、泥上敷板・竹網蛇籠・高床式通風建築といった「湿地・泥沼攻略DIY編」がスタートします! 引き続き応援よろしくお願いいたします!




