第33話:灼熱の屋根と、昼涼しく夜あたたかい家
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地下パイプラインによる水インフラの確保と、防風フェンスによる砂嵐対策を成功させたタクミたち。
しかし、過酷な乾燥荒野には「昼間は家の中がサウナ状態、夜間は一転して凍えるような極寒」という恐ろしい寒暖差の壁が立ちはだかっていて……?
「うぐぐ……あ、熱い……! 家の中に居るのに、まるで窯の中に放り込まれたみたいだ……!」
日中、太陽が真上に昇ると、開拓民たちの石造りや薄い木造の家々は猛烈な熱を帯び始めた。
屋根や外壁が直射日光で熱せられ、室内は立っているだけで汗が噴き出すサウナ状態になっている。
「ドノバンさん、これは酷い暑さですね……! 夜はどうなるんですか?」
「それがな、タクミ殿……。夜になると太陽が沈んだ途端、今度は昼の熱がどこかへ逃げ去って、凍え死にそうなほど冷え込むんだ。日中は熱中症、夜は寒さで身体を壊す者が後を絶たん……」
ドノバンが汗をぬぐいながら溜め息をつく。荒野特有の過酷な「寒暖差」が開拓民たちの体力を奪い去っていた。
「なるほど。屋根や外壁が太陽の『輻射熱(赤外線)』をそのまま吸収し、室内に溜め込んでいるのが昼の暑さの原因です。そして断熱がないため、夜間は『放射冷却』で熱が逃げて冷え切ってしまうのですね」
タクミは頼もしくニッコリ微笑むと、さっそく【万能資材目録】と【極限加工】を起動!
「原因がわかれば簡単です! まず屋根と外壁に、太陽光(赤外線)を強烈に弾き返す『赤外線反射高遮熱塗料』を塗り上げます! さらに屋根裏と壁の内側に、『両面アルミ高遮熱シート』とプチプチ(エアクッション)による空気層を施工しましょう!」
タクミの手によって、赤茶けていた住居の屋根が日光を跳ね返す特殊塗料で真っ白にコーティングされていく。
さらに室内側には、宇宙服の技術にも使われるアルミ遮熱シートと空気層が隙間なく施工されていった。
――施工が完了した瞬間。
「あ……あれ……!? 屋根の下に居るのに、頭の上からのジリジリした嫌な熱気が……消えた!?」
家の中に入ったドノバンが目を丸くする。外は殺人的な猛暑であるにもかかわらず、室内は木陰に入ったかのようにひんやりと涼しい快適な温度に保たれていた。
「さらに、このアルミシートと空気層は『魔法瓶』と同じ効果を発揮します! 夜になっても室内の温もりを逃がさないので、朝まで寒さに怯える必要はありませんよ!」
「熱を跳ね返し、中に留める……! 太陽の猛威を遮る『鏡の結界』……!」
アルヴィスがノートを抱え、熱気も忘れて感動の声をあげる。
「ふはは! 昼は涼しく、夜はぬくぬく……これなら我が昼寝をするのにも打ってつけだな!」
作業着姿の魔王バアルも、涼しい室内で腕を組んで大満足の様子だ。
「これで昼も夜も、体力を削られることなく安心して休めますね!」
タクミが微笑むと、涼しい我が家を手に入れた開拓民たちから、割れんばかりの歓喜の声が上がるのだった。
第33話をお読みいただきありがとうございました!
遮熱塗料とアルミ遮熱シートDIYにより、乾燥荒野の最大の敵であった殺人的な寒暖差が見事に克服されました。
次回第34話は、乾燥地帯での食料確保のために「日よけ遮光ネット&点滴灌漑システム」を導入し、荒野の畑で甘いトマトや野菜を大量収穫するお話です! 引き続き応援よろしくお願いいたします!




