第23話:雨漏りする造船ドックと、滑車の魔法
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人工木デッキで船着き場を劇的リフォームしたタクミたち。
今回は港の心臓部である『巨大造船ドック』と『物流倉庫』の雨漏り・暗さ・重労働を、現代DIYの資材と知恵で一気に改善していきます!
「タクミの兄ちゃん、こっちが俺たちの命綱でもある『大型造船ドック』と『中央物流倉庫』なんだが……」
港の棟梁バローに案内されたのは、何隻もの大型船が入れる巨大な木造建築物だった。
だが、中に入ると暗く湿った空気が立ち込め、天井からはポタポタと水滴が垂れ落ちていた。
「うーん……天井の茅葺きと木板が痛んでいて、あちこち雨漏りしていますね。それに窓が少なくて手元がかなり暗いです」
「そうなんだよ。船の修理中に雨が降ると作業がストップしちまう。それに、窓を増やすと潮風が入って構造が弱くなるからってんで暗いままなんだ。……おまけに、重い船材や錨を持ち上げるのは毎回男衆二、三十人がかりの命がけ作業でな……」
バロー親方が疲れた顔で太い丸太の柱を叩く。
「雨漏り対策と明るさの確保、そして重い資材の運搬ですね。任せてください! 造船ドックもDIYで安全かつ快適な工場にしちゃいましょう!」
タクミの職人魂が燃え上がった。さっそく【万能資材目録】と【極限加工】を起動!
まずは屋根の吹き替え工事。古びた木板を撤去し、軽量で錆びにくく耐久性抜群な『高耐食性合金メッキ鋼板(ガルバリウム風鋼板)』を一面に施工。
さらに、屋根の要所に太陽光をたっぷり採り入れる『ポリカーボネート製・耐候透明波板』をはめ込み、天窓を作成した。
――パァァァッ……!
一瞬間で、湿っぽく暗かったドック内に明るい自然光が降り注いだ!
「う、美しい……! 魔法の灯りも使っていないのに、まるで屋外にいるかのように明るいぞ!」
アルヴィスが天窓を見上げて目を輝かせる。
「さらに、重い資材の運搬にはこれです!」
タクミが天井の太い鉄骨梁に取り付けたのは、複数の車輪を組み合わせた『複合滑車(動滑車&定滑車システム)』と、手動で軽く巻き上げられる『ハンドウインチ式チェーンブロック』だった。
「ガルドさん、あの数百キロある鉄製の錨を引っ張ってみてください」
「おお、任せろ!」
ガルドがウインチのチェーンに手をかけ、カルカルと手応えなく巻き上げていく。すると――
ガラガラガラ……!
「「「な、何ぃぃぃぃっ!?」」」
大男が十人がかりで運んでいた巨錨が、ガルドひとりの手によってスルスルと軽やかに天井へ吊り上がった!
「な、なんだこの仕掛けは……!? 一人でこんな巨塊を持ち上げられるだと!?」
「滑車の原理(てこの応用)ですよ。ロープを折り返すことで、引き上げる力を何分の一にも軽減できるんです」
「力学の応用による重量無効化……! 魔導具すら使わずに物理現象だけでここまでの省力化を成し遂げるとは……!」
アルヴィスがノートに激しい勢いでペンを走らせる。
「雨漏りもしない、手元も明るい、重い資材も一人で運べる……! 兄ちゃん、これなら船の建造期間が半節以下に縮まるぞ……!!」
バロー親方と造船職人たちが、ピカピカに生まれ変わったドックで抱き合って歓喜の声をあげる。
「ふふ、働く環境が安全で快適になると、ものづくりはもっと楽しくなりますからね」
タクミは満足そうに微笑み、仲間たちとともに活気あふれる造船ドックの完成を祝うのだった。
第23話をお読みいただきありがとうございました!
ガルバリウム風鋼板と透明波板による天窓、そして複合滑車システムによって、暗く危険だった造船ドックが劇的に安全で明るいワークスペースへと大変身しました。
次回第24話は、港町の「海水混じりの井戸水&淡水不足」のお悩みを、塩分除去フィルターや雨水貯留タンクDIYでスマートに解決するお話です! 引き続き応援よろしくお願いいたします!




