第22話:潮風香る港町と、塩害に悩む船着き場
今回から『第3部:港町&大規模クラフト・環境開拓DIY編』がスタートします!
王都での活躍が広まり、タクミたちが招かれたのは王国南部の交易都市・港町『ポート・ヴィル』。
潮風と活気にあふれる街ですが、港の現場では「ある深刻な悩み」が人々を困らせていて……?
「うわぁ……広いですし、海の匂いがしますね!」
王都から南へ馬車を走らせること数日。タクミたちの目の前に広がったのは、どこまでも続く青い海と、無数の交易船が行き交う活気あふれる港町『ポート・ヴィル』だった。
「ふむ、ここが南の港町か。魔王城の近くの海とはまた違った賑やかさだな」
作業着姿に麦わら帽子をかぶった魔王バアルが、珍しそうに港を見渡す。
今回の旅には、タクミ、フィオナ、ガルド、アルヴィス、バアルのいつものメンバーが勢揃いしていた。
「タクミ様、あちらで港の親方らしき方が困り果てた様子で頭を抱えていますよ」
フィオナが指さす先には、木造の船着き場(桟橋)の前に立ち、溜め息をつく不機嫌そうな髭面の巨漢――港の棟梁バローがいた。
「チッ、また杭が腐って腐食してやがる……! 潮風と塩水のせいで、半年に一回は桟橋を全部作り直さなきゃならん。金も時間もかかって商売あがったりだ!」
「あの、すみません。塩害でお困りですか?」
タクミが声をかけると、バロー親方は怪訝そうに振り向いた。
「ああん? なんだい兄ちゃん、見ねぇ顔だな。そうだよ! この港の木製桟橋は、潮風と海水で木が腐り、釘や鉄具がサビついてすぐボロボロになっちまうんだ。いくら木を差し替えてもイタチごっこさ!」
「なるほど、潮風による強烈な『塩害』と『防腐・防サビ対策不足』ですね」
タクミはニッコリ微笑むと、さっそく【万能資材目録】を検索した。
「木材の代わりに、腐らない・サビない・滑らない『人工木(樹脂木)デッキ』と『ステンレス製金具』を使いましょう! 杭には水中に強い『高密度ポリエチレン被覆』を施します!」
「はぁ!? ジンコウモク? スレンレス? 何言ってんだこの若造は――」
バロー親方が言い終わらないうちに、タクミの【極限加工】が発動した!
タクミの手によって、腐りかけた木製桟橋が一瞬で解体され、代わりに打ち込まれたのは頑丈な耐塩耐水杭。その上に敷き詰められたのは、見た目は高級な木目調でありながら、水分を一切吸わず腐食もしない『高耐久人工木デッキ材』だった!
さらに、固定するネジやボルトはすべて光り輝く『SUS316(耐蝕ステンレス)ビス』だ。
「よし、できました! これで半年に一回の掛け替えなんて不要です。数十年はびくともしませんよ!」
「な……なんじゃこりゃあぁぁぁっ!?」
バロー親方が慌てて新しい桟橋へ飛び乗り、ドシンドシンと力任せに踏みつける。
「た、たわまねぇ……!? 海水がかかっても弾いて染み込まねぇぞ!? それに金属のビスが……潮風を浴びているのに一切サビが生じねぇだと……!?」
「ふふん、驚くのは早いぞ港の男よ! タクミ殿の資材は、海水の魔力(塩分)すら無効化するのだ!」
ガルドが腕を組んで自慢げに胸を張る。
「す、すげぇ……! これなら船の積み下ろしも安全だし、メンテの手間が丸ごと消える! 兄ちゃん……いや、大工の神様とお呼びしていいですか!?」
バロー親方が涙目になりながらタクミの手を握りしめた。
「ははは、神様なんて大げさですよ。でも、せっかくの港町ですから、もっと便利で安全な港に改修していきましょう!」
こうして、南の港町ポート・ヴィルを舞台にした、タクミたちの大規模海洋環境DIY計画が幕を開けたのだった!
第22話をお読みいただきありがとうございました!
『第3部:港町&大規模クラフト・環境開拓DIY編』の第1弾は、塩害に悩む港の船着き場を「人工木デッキ&高耐久ステンレス金具」で劇的ビフォーアフターするお話でした。
次回第23話は、港の巨大な「木造造船ドック&倉庫」の雨漏りと老朽化を、ガルバリウム鋼板と透明波板、そしてクレーン代わりの滑車DIYで大改修するお話です! 引き続き応援よろしくお願いいたします!




