第15話:王都からの招待状と、快適な移動手段
第2部をお読みいただきありがとうございます!
今回からいよいよ『第2部:王都からの招集と出張DIY建築編』がスタートいたします!
平和になった世界で、ついに王国のトップである「国王」から直々の招待状が届くのですが……?
「大賢者タクミ様! 大変でございます……!!」
穏やかな小鳥のさえずりが響く朝のログハウス。
南側のウッドデッキで優雅にモーニングコーヒーを楽しんでいたタクミのもとへ、息を切らせた宮廷魔導士アルヴィスが飛び込んできた。その手には、豪華な金箔押しと漆蝋の封かんが施された重々しい羊皮紙が握られている。
「どうしたんですか、アルヴィスさん。朝からそんなに慌てて」
「これをご覧いただきたい! 我が国の国王陛下より、直々の『勅書』が届いたのです! 魔王城の水回り改修による歴史的和解の功績を称え、タクミ様を国賓として王都へ招待したいと……!」
「ええっ、国王様から……!?」
驚くタクミの横から、エプロン姿のフィオナと、薪割りの斧を肩に担いだガルド、そして「つなぎ作業着」を着こなした魔王バアルが顔を出した。
「ほほう、人間どもの王がタクミ殿を招集か。まあ、あの薄暗く寒々しい王城の居心地の悪さは我も知っている。タクミ殿のDIYで劇的ビフォーアフターしてもらうには絶好の機会だな」
バアルが腕組みをして我が物顔で頷く。すっかりリフォーム愛好家としての意見だ。
「ですがタクミ様、王都までは馬車で通常なら二週間ほどの長旅となります。路面も荒れておりますし、道中の疲労が懸念されますが……」
フィオナが心配そうに眉をひそめる。だが、元ホームセンター店員のタクミにとって、「長距離移動の不快感」など格好のDIY課題でしかなかった。
「二週間の悪路移動ですか……。ガタガタ揺れる車内や硬い座席は嫌ですね。よし、移動用の馬車もDIYしちゃいましょう!」
「馬車を……DIYですか!?」
タクミはさっそく【万能資材目録】と【極限加工】を動かした。
庭にあった頑丈な大型馬車の車体をベースに、現代の乗り物技術を応用した改造を施していく。
車輪と車体の連結部には、魔石の反発力を利用した『ショックアブソーバー(エアサスペンション風)』を組み込み、路面の振動を完璧に吸収。
座席には高反発・低反発を組み合わせた『多層ウレタンフォームクッション』を敷き詰め、シートヒーター機能まで搭載した。
さらに窓には『断熱二重アクリル板』をはめ込み、車内には魔石バッテリー駆動の『ポータブル冷暖房&空気清浄機』を設置する。
「完成です! 名付けて『快適キャンピング馬車仕様』です!」
わずか一時間で組み上がった馬車に、ガルドとアルヴィスが試乗してみる。座席に深く腰掛けた瞬間、ガルドの目が丸くなった。
「な……なんだこの吸い付くような座り心地は……!? まるで雲の上に座っているようだぞ……! 揺れが……揺れが一切体に響かん!」
「お、恐ろしい……! 車内の温度と空気が常に一定に保たれている……! これは移動する神聖空間だ……ッ!」
アルヴィスが狂ったようにノートへ『極上移動神殿(サスペンション&低反発座席)』と書き込んでいく。
「よし、荷物も積み込みましたし、いざ王都へ向けて出発しましょう!」
「「「おおおーーーッ!!」」」
こうして、無自覚なDIY大賢者タクミと仲間たちは、極上の乗り心地を誇るDIY馬車に乗り込み、新たな舞台である「王都」へと旅立つのだった。
第15話をお読みいただきありがとうございました!
第2部の開幕とともに、移動用の馬車すらもDIYでキャンピングカー仕様へと劇的に改修してしまいました。
次回第16話は、王都へ到着したタクミたちが、古く格式高い(しかし冷えて不便な)王城の「謁見の間」と「客間」を目撃し、職人魂に火がつくお話です! 引き続き応援よろしくお願いいたします!




