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魔境に自分好みの家をDIYで建てたら、居心地が良すぎて「絶対不可侵の神殿」と拝まれていた件  作者: dapon


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【閑話②】魔王バアル、初めてのホームセンター(カタログ)巡り

第2部開始前の閑話第2弾をお届けします!


今回は、ログハウスの食卓でタクミが見せてくれた「ホームセンターのDIYカタログ(チラシ)」に、魔王バアルが大興奮・大勘違いしてしまう日常回です。

「……な、なんだこの『極秘の魔導兵器目録』は……!?」


ログハウスのリビング。食後の麦茶を楽しんでいた魔王バアルは、タクミがテーブルの上に何気なく置いたフルカラーの厚い冊子――『大型DIYショップ・カーペンターズ 春の大感謝祭チラシカタログ』をめくり、目を見開いていた。


「あ、それですか? ホームセンターの通販カタログですよ。見てるだけでワクワクしますよね」


タクミは笑っていたが、バアルの背中には冷や汗が流れていた。


(馬鹿な……! これほどの超兵器の数々が、こんな薄い紙束に平然とフルカラーで掲載されているだと……!?)


バアルの指が、あるページで止まる。


「『超高圧洗浄機・シュヴァルツ型』……!? 『最大圧力で頑固な汚れを一撃粉砕! 車も外壁もピカピカに!』……なっ、なんだこの水系最上位魔術を超える水圧兵器は!? 魔王城の外壁にこびりついた数百年分の苔や邪気すら、一瞬で吹き飛ばしてしまうではないか……!」


さらにページをめくると、バアルの驚愕は加速する。


「『充電式インパクトドライバ』……『毎分三千回転の超高速打撃! どんな硬い木材・金属も一瞬で貫通!』……ひ、ひぃぃっ! 我が軍のドワーフ技師たちが十日かけて穿つ岩盤を、片手サイズの器物で一瞬だと……!? 暗黒の穿孔兵器か……!」


「『草刈機(充電式ナイロンカッター)』……『伸びきった頑固な雑草を一網打尽!』……ぬぅぅ! 魔導植物の群生を一瞬で凪払う『回転断罪の刃』……!」


バアルはページをめくる手が止まらない。


『脚立(伸縮式)』を『高所攻城用の伸縮搭』と誤解し、『シリコーンシーラント(防カビ)』を『万物腐濁を塞ぐ無敵の樹脂膜』と崇め奉る。


(恐ろしい……! この『カーペンターズ』とかいう組織……世界を裏から支配する超兵器ギルドに違いない……! このカタログ一冊で、一つの王国など容易く焦土と化すぞ……!)


「バアルさん、何か気になるものでもありました?」


タクミが覗き込んでくると、バアルはカタログを両手で大切に抱え直し、真剣な眼差しで頭を下げた。


「大賢者タクミ殿……! お願いだ! この『高圧洗浄機』と『インパクトドライバ』なる神器……我が魔王城の改修のために、発注(注文)していただけないだろうか!? 金貨ならいくらでも積む!!」


「えっ、高圧洗浄機ですか? まあ、魔王城の外壁掃除なら確かに大活躍しそうですけど……金貨じゃなくて、魔石と交換でいいですよ?」


「おおお……! 感謝する、タクミ殿……!」


バアルは涙を流しながら、カタログの『高圧洗浄機』の写真を愛おしそうになでるのだった。


(これで……我が魔王城の外壁も、新品のようにピカピカになる……!!)


世界の覇権を争っていた魔王は今や、すっかり『日曜大工と掃除に目覚めたおじさん』へと変貌を遂げていた。

【閑話】をお読みいただきありがとうございました!


ホームセンターのチラシを「超兵器目録」と勘違いしつつ、すっかり高圧洗浄機が欲しくなってしまった魔王様のお話でした。


いよいよ次回からは、『第2部:王都からの招集と、DIY出張建築編(第15話〜)』がスタートいたします!


引き続きたくさんの応援やブックマークをいただけますと幸いです!

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