第77話:超極寒大寒波と、暖房DIY勝負
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山岳鉱山都市アイゼンベルグにて、頑固なドワーフの鍛冶頭・ドノヴァン親方と出会ったタクミ一行。
今回は、街を突如襲う『過去最大級の超極寒大寒波』! 伝統の魔導鋳鉄ストーブが凍りついて大ピンチに陥る中、タクミとドノヴァンの「極寒暖房DIY勝負」が勃発! タクミの『高効率ペレットストーブ&スタイロフォーム二重断熱』が真価を発揮します!
『ゴォォォォォォ……ッ!!』
突然、地鳴りのような猛吹雪の音が山岳都市アイゼンベルグ全体を激しく揺らした。
山頂から駆け下りてきたのは、数十年ぶりに街を襲うという『超極寒大寒波』だった。
外の気温は一瞬にしてマイナス三十度を下回り、吹きつける暴風雪が建物の隙間から容赦なく侵入してくる。
「ひいぃぃっ!? 寒っ……! 手足の感覚が一瞬で消えそうだぞ……!?」
「た、大変だドノヴァン棟梁! 街の魔導鋳鉄ストーブが……寒さで魔導石が結露して、次々と火が消えていってます!」
職人たちが歯をガチガチと鳴らしながら悲鳴を上げた。
ドノヴァンが手塩にかけて整備してきた巨大な魔導鋳鉄ストーブも、猛烈な冷気に押され、炉の中の炎が弱々しくチリチリと縮こまっていく。石造りの工房の壁はみるみる白い霜で覆われ、天井からは巨大なつららが猛スピードで成長し始めた。
「くっ……! 薪をもっとくべろ! 炎を絶やすなッ!」
ドノヴァンが叫ぶが、吹き込む冷気と壁からの放熱(熱ロス)があまりに激しく、いくら薪を燃やしても室内温度はマイナスを下回っていく一方だった。
「だめだ……! このままじゃ工房が完全に凍結して、貴重な採掘道具も全部割れちまう……!」
「……ドノヴァン親方」
絶望に包まれかけた工房の中に、タクミの落ち着いた声が響いた。
タクミは愛用のDIY工具箱を静かに床に置くと、真っ直ぐにドノヴァンを見つめた。
「伝統のストーブがダメなわけじゃないんだ。ただ、石壁から熱が逃げる速度が、燃やす速度を上回っちゃってるだけなんだよ。――僕に、工房の『半分』の区画を任せてくれないかな?」
「あん……? 半分だと?」
「そう。僕の『断熱施工とペレットストーブ』で半分を温める。ドノヴァン親方の半分と、どちらがこの大寒波の中でも温かく作業できるか……暖房勝負をしよう!」
「ぬぬっ……! この期に及んで勝負だと……!? 面白い、ドワーフの誇りに免じて受けて立つわ! だが、生半可な道具じゃこの大寒波には勝てんぞ!」
ドノヴァンが咆哮し、工房を左右半分に分けた『極寒暖房DIY勝負』が始まった!
「よーし、まずは『スタイロフォーム(高性能断熱材)』で壁と天井の熱逃げをシャットアウトだ!」
タクミは【万能資材目録】と【極限加工】を全開!
担当する右側区画の冷たい石壁に、カッターでミリ単位に切り出した厚手の『スタイロフォーム断熱材』を高速で貼り巡らせていく。さらに、窓枠には『高密度ウレタン隙間テープ』を貼り付け、二重サッシ状のポリカパネルで開口部を徹底補強!
これだけで、外からの寒気の侵入と熱ロスが90%以上シャットアウトされた!
「仕上げに、この『高熱効率・自動給粉ペレットストーブ』を設置して……スイッチオン!」
バチチチッ……フシューーッ!
木質ペレットを燃料とする最新型ペレットストーブが静かに唸りを上げ、送風ファンから『ポカポカとした柔らかな温風』が吹き出し始めた。さらに床下には『即熱式温水マット』が敷き詰められていく。
ほんの数分後――。
「……え……っ!?」
左側区画(ドノヴァン側)は氷点下の激しい寒さで職人たちがガタガタ震えているのに対し、右側区画(タクミ側)に一歩足を踏み入れた瞬間――そこはまるで「春の陽だまりの部屋」のような、サラサラとした極上の温もりに包まれていたのだ!
「あったかい……! うわああぁぁっ! 手足の痺れが消えて、身体がポカポカしてきたぞ……!」
「壁に触っても冷たくない!? 窓の氷もスルスル溶けていくぞ……!?」
職人たちが吸い寄せられるようにタクミの区画へとなだれ込み、感涙の声を上げた。
「な……なにぃぃぃっ!?」
ドノヴァンが目を見開き、信じられない様子でタクミの区画へとドカドカと踏み込んできた。
温水マットを踏みしめた瞬間、足裏からじわぁっと伝わる温もりに、ドノヴァンの体がピクッと震えた。
「な、なんだこの床の温もりは……!? 壁からも、窓からも……冷気が一切入ってこねぇ……!? ストーブの炎は小さいのに、なんでこんなに部屋全体が温かいんだ……!?」
ドノヴァンが呆然と叫ぶと、タクミはニッコリと微笑んだ。
「これが『断熱』と『気密』の力だよ。どんなに強い炎を燃やしても、壁から熱が逃げちゃったら意味がないんだ。熱を逃がさない箱(部屋)を作ってあげれば、小さなエネルギーでも部屋中をポカポカにできるんだよ」
「ね、熱を逃がさない……箱……!?」
ドノヴァンはその場に膝をつき、スタイロフォームで綺麗に覆われた壁を、震える手でじっくりと撫でまわした。
ミリ単位の狂いもなく隙間なく敷き詰められた断熱材、結露を完璧に防ぐ加工、そして無駄のない熱効率――。
「負けた……完璧な負けだ……! これが……これが本物の『住環境の技術』という奴か……!!」
ドノヴァンは深々と首を垂れ、悔しさと感動の入り混じった熱い涙をボロボロと溢ぼした。
「失礼な言い方をしてすまなかった、タクミ殿……! あんたはただの旅人じゃねぇ……凄まじい技を持った、至高の『大工(職人)』だ……!!」
頑固一徹だったドノヴァン親方が、タクミの確かなDIY技術と職人魂に、ついに心からの敬意を表した瞬間だった!
第77話をお読みいただきありがとうございました!
超極寒大寒波が襲来する中、タクミとドノヴァン親方の『極寒暖房DIY勝負』が勃発!
スタイロフォーム二重断熱とペレットストーブの圧倒的な温もりで、頑固なドノヴァン親方を完全に唸らせて勝利いたしました!
次回第78話は、異世界魔法鉱石×現代DIYの『ハイブリッド暖房開発』!
タクミの技術を認めたドノヴァン親方と意気投合し、ドワーフの秘伝鉱石を組み込んだ「超高効率・魔導ハイブリッドペレットストーブ」を現地で共同開発いたします! お楽しみに!




