起動
目覚めると知らない場所にいた一角烈斗。
知らぬ少女によってこの場に連れてこられたようだ。
少女は少年に告げる「骸竜を倒して欲しい」。
少女に導かれた少年が向かう未来とは?
◆参考
・スティラコサウルス
http://webzukan.uh-oh.jp/スティラコサウルス・アルベンテンシス
「な・・・」
ソレを目の前にして言葉を失う。
「これが天満研究所の最高傑作」
少女が説明してくれるが声が脳まで届かない。
「スティラコスです。」
薄暗い部屋の中。
そこにあるのは巨大な恐竜スティラコサウルス。その姿を模したロボットだ。
「レッドホーン?」
「昔の駆動付きプラモデルじゃないです!」
よく知ってたなと苦笑する。
見た目はスティラコサウルスに似ている。
違うのはサイズだ。
全長5.5mのスティラコサウルスに対して、スティラコスは20メートル近い。
色は戦車のような緑色。
背中にはブースターのようなものが付いている。
「識別名アルバート、通称アル君です。」
「あるくんです?」
「商品名みたいに言わないでください!アル・君・です!」
「アルね。」
アルバートだからアル。分かりやすい。
「強力なツノとシールド、さらに背中のブースターにはバルカンも搭載しています。」
「これなら・・・勝てるのか?」
骸竜は戦車砲にも耐える装甲を持っている。
バルカンぐらいでどうにかなると思えない。
「うちの特性バルカンです!ひるませるぐらいは出来ます!」
「倒せないんかい!」
現実はゲームではないのだ。ひるませ続けても倒す事は出来ない。
いつか弾切れを起こすだけだ。
「倒すには」
その言葉を遮るようにビーッビーッと警報が鳴り響いた。
「なんだ?」
「警報です!」
「そりゃ分かる!」
なんの警報かを知りたかった。
少女はスマホを取り出す。
「骸竜接近!この場所に気づかれた?」
「隠れてたのか?」
「見たらわかるでしょう!」
「外を見てねえんだよ!気が付いたらここにいたから!」
「骸竜が接近してきています。スティラコスに乗ってください。」
「は?」
急に何を言うのか。
「この研究所を失うわけにはいきません。」
「そう言われても・・・」
こんなロボットの操縦なんて出来ない。
やり方が分からない。
車ならアクセルを踏んでハンドルを回せば動かせるのは分かる。
だが飛行機となれば全く分からん。
それと同じだ。
「大丈夫ですから乗ってください!」
「どうなっても知らんぞ・・・」
「こっちです!」
案内されてスティラコスのコックピットへと向かう。
コックピットにはシートが前後に二つ。
「前に。」
「・・・」
促されて前のシートに座る。
後ろのシートには少女が座った。
「起動してください。」
「はいはい。」
スティラコスを起動する。
「ハッチも閉じるぞ。」
ハッチを閉じると「ヴォオ!」と鳴いた。
「おお・・・」
ちょっとびっくりする。
「迎撃をお願いします。」
「そう言われても・・・」
「大丈夫です。わたしを信じてください。」
「・・・」
コックピットの中を確認する。
左右のボタンの付いたレバー、様々なボタン。
どれをどうしたらどうなるのか?
それが一切・・・
「わたしのほどこした睡眠学習を信じてください。」
「うん?」
睡眠学習?
「寝ている間に睡眠学習を施したので操作方法は理解出来るはずです。」
「勝手な事するなよ!」
おかしいとは思ったのだ。
なんでスティラコスをよどみなく起動してハッチを閉じる事が出来たのか?
それが睡眠学習によるものなら納得だ。
「つまり操縦は出来ると?」
「だから大丈夫って言ってるじゃないですか。」
「・・・」
確かになんとなく操縦方法は理解出来る。
「他に寝てる間に変な事してないだろうな?」
「セクハラですか?」
「違うわ!」
そんな事を言っている間にズシンと小さな揺れがある。
「迎撃をお願いします。」
「・・・まあ良いか。」
骸竜には恨みもある。
こうなったらやむを得ない。
「ゲート開きます。」
「スティラコス・アルバート出るぞ!」




