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英雄達の消えた街・コラボ編  作者: 四神夏菊
本編・アルダートシナリオ 対プリンセス編
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気遣いの授受 2

朝日に照らされた霧の中の散策を終え、再び住処へと戻ってきたストレンジャー 羽ばたいていた翼をゆっくり畳みながら、静かに中へと入った。


「……ぁっ、ストレンジャーさん。おはようございますっ」

中へと入ると、出かける前まで寝ていた人々の一部が起きており、すでに朝食を取った後の光景が広がっていた。無論まだ夢の中へと入っている人々も中にはおり、男性陣女性陣共に夜更かしによる起床の遅れが目立っていた。

事実起きているのはアルダートとミークとベルミリオンだけであり、一番近くに居たアルダートが彼の事を出迎えていたのだった。

「朝早くからお出かけしてたんですね。何か見つかりましたか?」

出迎えを受けた彼は軽く手で挨拶をすると、昨日食事をしていた木材の上へと腰を下ろした。すると近くに居たベルミリオンが菓子パンやらおにぎりを持って彼の元へと移動し、朝食はどれにするかと彼に質問した。

質問に対し彼は軽く考えた後、近くにあったクリームパンを手にし開封した。

「管理課の塔が、近くにあった…… どうやらここは、管理課の塔がある地区の中らしい。」

「ぇっ! じゃあ、僕達はもう敵の中枢の近くまで来てるってことですか……?」

「そう言う事になるな。」

開封し終えたと同時にストレンジャーは質問に対する返答を行い、先ほど見てきた事を今居る三人に告げた。彼からの返答を聞いた彼は驚きながら言うと、ストレンジャーは頷き大体の方角を座りながら指で指し示した。

「俺達、いつの間にか改革者になってるな……って思ったけど。もうここまで来たら、後戻りとか出来ねえよな。」

「でもミーク。相手は一人や二人では太刀打ちできない、強力な流星石を持った集団よ。私達の力で、勝てるか解らないわ。」

「ネコさんの機械兵(マシリーン)は、僕達で何とか出来ましたけど……… やっぱりもっと強化されてるのかな……」

出先の報告を受けた三人は口々に言いだし、いつの間にか敵の懐の近くまで来ていた事に恐れを抱いていた。まだまだ自分達が街を変えられる『改革者』である自覚が薄いらしく、手にしている流星石一つで街を変えられるとは思っていなかった。対峙した事のある敵だけでも強力な力を持っており、一対一では勝ち目すらないほどの戦いがあった。だからこそ、彼等はすぐに出向く事は考えたくない様だった。



とはいえ、戦いを挑まなければ何も変わらない。



その事も解っており、ジレンマになって居る様だ。

「……すぐに出発する事は、俺は勧めない。どうやら行くにしても、条件があるみたいだからな。」

「条件?」

そんな彼等を見て、ストレンジャーはすぐには出向かず力を備えてから行こうと言った。同時に塔へ入るための条件がある事を彼等に告げ、ネコSからの説明で解って居る事を彼らに説明した。彼からの説明を聞き、三人は軽く頷きながら手持ちの流星石を確認していた。



「……ひとまず、敵の動きは今のところ無い。そのうちに出来る事をまずやって、どうやって塔へ入るかを考えよう。」

受け取った朝食を食べ終えると、ストレンジャーは空袋を畳みつつこの後の作戦を立てだした。作戦を実行し突入する日を三日後とし、その間に出来る事であり戦力を蓄える作戦のようだ。無論その際の攻めと守りを考え、交代制で地区を周り落ちている流星石を探す事となった。

「多分、塔からの流星石の散布は期待出来ないから……… この地区だけでも、探せるだけ流星石を探してみましょう。」

「……ってなると、手分けして探す方が良いな。道中で敵に遭遇しても、なるべく液量が消費しない流星石で対抗する。」

「普段使っている流星石と、消費しない流星石を持って探せるコンビを組んだ方が良いかもしれません。後、ココに残って住処を死守する人達も用意しましょう。」

「そうだな。」

四人は口々に意見を良い、良いと思われる考えは速攻で受理した。結果、流星石の捜索班と住処の死守班。そして食材の調達班の三グループに分かれる事となった。

中心として動く人物は班毎に変え、自主的ではあるが頑張ろうと言う事となった。


その後寝ている人々を彼等は起こしにかかり、朝食を済ませ先ほど話し合った事を彼等に説明した。同時に管理課の塔がほぼ目の前にある事を話し、迂闊に塔に近づいて返り討ちに会わない様注意を呼びかけた。無論話し合いの最中に質問も飛んでくるため、質問毎にアルダートは対応し一つ一つ説明をするのだった。

話し合いを終えると、各自で組んだ班毎に行動を開始した………




「……しっかし、今更流星石を探すって言ってもなー 最近散布してる所すら見なかったぜ?」

「まぁな。でも、このままの状態で言っても液体切れで負けるのがオチだ。少なくとも、液体を補充できるだけのストックくらいは無いとな。」

「だなっ」

流星石の調達班として外へ出ていたシップス、アシュレー、カツキ、ドリフト達は、地区の散策をしつつ他愛のない雑談をしていた。とはいえ軽く愚痴も入っており、今更小さな流星石を探す理由がイマイチピンと来ていない様子だった。今居る四人の内、流星石の液体補充が必要なのはカツキだけである。

道具そのものとして使っているシップスから見れば、軽く時間の無駄である。

「マサは住処の死守班でも良かったんじゃないか? 必要な俺達が散策すれば、動き回る手間も省けただろ。」

そんな彼の考えを聞いて、カツキは何故散策班として外へ出たのかと質問した。聞かなくても大体の答えは解るものの、愚痴を言うのは彼の癖であり確認を取りたい時もある。何時も本音を言うからこそ、解らなくなる時もある様だ。

「そんな事をしたら、ストレンジャー達の考えが意味を成さないだろ。俺達は原液が減らないからこそ、タカの流星石の現状維持に努めてるだけだ。」

「カッツのそばに居るのは、俺達みたいに慣れたコンビの方が良いだろ? 皆独自で班を選んだけど、相性が良いからこそ班を組むんだ。」

「そうそう。俺はこれでも、この馬鹿の事は信頼してる。ドリフトはカツキの事を護ってくれれば、俺達も安心して前衛が出来るしな。」

質問に対しシップスはいつも通り答え、辺りを見渡しながら素っ気なく言っていた。彼の意見に続いてドリフトとアシュレーも口々に言いだし、護りたい物もあれば相性が良い相手も居る事を説明した。皆文句は言ってもストレンジャーの考えには賛同しており、早く街を元に戻したいと願っている様だ。

「……なんか、いつの間にか俺が護られる側になってるな……… 俺もその時は戦うからなっ!」

「わーってるって。」

自然と守られている事を実感したカツキは気合を入れて一言いうも、軽くシップスに流されてしまった。その後四人は苦笑しながら次第に笑いだし、周囲に気を配りつつ流星石の散策を続けるのだった。




「……アルダート。一つだけ、皆に話してない事がある。」

「ぇっ?」

散策班と調達班が出て行った後の事。住処の死守をするために残っていたストレンジャーは、東屋の入口付近でアルダートに一言告げた。

「あの塔に行くには、どうやらその時点で管理課の流星石が必要らしい…… あくまで推測だが、塔の中にはネコの機械兵(マシリーン)も居るし、俺達の知らない流星石が少なくとも二つある。」

「管理課の流星石……… じゃあ、あの時クラウさんが乗っていた流星石が必要なんですか?」

「恐らくな。……あの力は、破壊以外にも『送迎』として使われる力だ。俺の様に翼を持っていない存在達が行くには、あの力が必要なんだろう……… ……だからこそ、管理課の中で一番信頼しているクラウに、プリンセスとやらは託したんだ。」

彼の話を聞きながらすでに必要最低限の物が無い事を聞き、アルダートは困りながらも彼の話を聞いていた。推測である事を事前に言いながら彼は話を続け、最初に戦った管理課の流星石もおそらく存命していると言った。機械兵が残っている事を聞いたアルダートは軽く肩を震わせるも、ふと彼の頭にもう一人の管理課の存在の姿が映った。

それは彼が一番仲良くしていた『クラウ』の事であり、彼もまた管理課であり姫から貰った流星石を保持している事を思い出した。その時に乗っていたのが【幻想車(ファンタジア)】であり、本当の力は知らないが橋のない場所でも塔の中へと入るには必要なのだろうと思った。だがその相手からその力を奪うと言う事は、少なくともクラウを倒さなければならないと言う事を意味しており、アルダートは再び顔色を曇らせた。

「クラウさんを……倒さないと行けないんですか………? 僕、そんなの嫌です!!」

「……俺もそうだぜ、アルダート。管理課の存在は、例え俺達と敵対していても同じ個々の存在だ。力を得るために相手を倒すって言うのは、やっぱり違う気がする……… ……その考えが定着してしまった姿が、この街だからな。」

「………」

次第に肩を震わせながらアルダートは言葉を口にし、絶対に彼とは戦いたくないと言った。同時にストレンジャーも同じ考えである事を彼に説明し、もう一度敵対する事だけはしたくないと言った。だが例え交渉しても譲ってもらえる物では無い事もストレンジャーは解っており、強気に何かがある事は言わず彼の頭を撫でつつ慰めた。

そして、考えている事を彼に言った。

「だからこそ、早く変えてやろうと俺は思う。皆の前で言わなかったのは、俺達には管理課とは別の繋がりがあったからだ…… ……あの力を使わなくても良いよう、俺達で策を練ろう。」

「どうするんですか……?」

「皆に集めてもらっている流星石を調合して、上手く行けば空を飛べる物も出来るかもしれない……… ……もちろん成功する保証は無いからこそ、最悪の場合は俺とベルミリオンで皆を塔の中へ運ぶ。三日間だけ突撃を待ってもらったのは、その決断をする時間に過ぎない。」

考えを伝え作戦を伝えると、ストレンジャーは軽く微笑み心配しなくても良い事をアピールした。敵対する時は最悪の状態になった時であり、それ以外の時はもっと良い方向で解決する様に心がけたい。クラウと対峙した時に彼が分かった事であり、最悪の場合の手段も用意し決断する時までの時間が欲しいために三日間を設けた事を言うのだった。

「……… 僕、精一杯研究してその力を作って見せますっ ストレンジャーさんに頼る所は、僕が出来ないと判断した時です。ずっと甘えてばかりはいけませんから……その時だけでも、僕にやらせて下さい。」

「あぁ…… もちろんだ、アルダート。」

彼の考えを聞き終えると、アルダートはゆっくり彼の手を握り自分の考えを伝えた。今まで頼りきりで後ろを付いてばかりだったから、その時だけでも彼の前を歩きたい。自分にも出来る事がある事は彼も解っており、最初だけでもお手伝いさせてほしいと言うのだった。

無論ストレンジャーはアルダートの考えを否定せず、ゆっくり頷き解決させようと決心するのだった。



誰も巻き込まない、悲しまない様に………


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