彼が目指した光 6
「覚悟しろ・・・!! 怪物!!」
助け出してくれるも気絶してしまったアシュレーをその場に寝かせた彼は、上着から流星石を手に取り、栓を引き抜き武器を生成した。手元に作りだされたのは【銃】であり、自身で作りだしたお手製の流星石と同じ感触が、彼の掌に伝わっていた。
武器を作りだし遠距離からの攻撃を仕掛けながら、彼は徐々に怪物の近くへと接近し、間合いを詰めて行った。
「そんなもんでは、怪物はやられないのニャよ。 やれいっ!」
【グルァアアーーー!!!】
撃ち出された弾丸が炎の皮膚に飲まれ焼却される中、怪物は叫び出し、辺りに火の粉を撒き散らした。辺りに飛び散った火の粉は、まるで人魂の様に宙を浮遊しだし、徐々にシップスの居る方角へ目掛けて攻撃を開始した。
「ヘッ! んなもん、当たらなければなんてことねえんだよ!!」
彼はそう叫びながら手にしていた武器をしまい、別の流星石を取り出し栓を引き抜いた。
次に彼が取り出したのは【氷】であり、濃い青色の液体が印象的な流星石。取り出された流星石の中身を彼は散布する様に瓶を横に振り、空間を急速冷凍させ、火の粉目掛けて攻撃を開始した。氷の礫は火の粉に命中する毎に水蒸気を上げながら蒸発し、彼の身体に触れる前にと次々と攻撃を無力化して行った。
「ならば、大きい炎ニャッ! 怪物ッ、火炎放射ニャッ!」
【グルァアアーーー!!!】
「ならっ・・・!」
指示を受け攻撃態勢に入る怪物を見かねた彼は、手にしていた流星石をそのままに別の流星石を取り出し、栓を口に咥えながら引き抜き、液体を自らの履いていた靴に付着させた。徐々に迫りくる炎波の熱気を肌で感じながら彼は足に力を入れ、その場で一気に跳躍する様に宙へと跳び上がった。すると彼は弾丸の如く空中目掛けて跳びだし、あっという間に怪物の背丈を越える高さの跳躍をし、華麗に攻撃をかわした。
それを見かねた怪物が口を閉じ再び攻撃を仕掛けるも、すでにシップスは重力によって落下を開始しており、重力に身を任せて攻撃を回避した。
「ニャッニャッニャッ 中々やりますニャぁ、青年ッ」
スタッ
「伊達に運動部で扱かれたわけじゃねえんでなっ・・・! 今度はこっちの番だ!!」
攻撃をかわし終えた彼は地面に着地すると、意気込みを述べながら体制を立て直した。立ち上がったと同時に、彼は手にしていた双方の瓶の液体を片方へと移し替え、調合し空になった瓶を後ろへと投げ捨てる。その後栓をし軽く中身をかき混ぜた後、栓を引き抜き周囲に散布する様に液体を放出した。
すると、今度は氷の礫が先ほどよりも早く生成され移動を開始しだし、怪物の腕目掛けて一気に攻撃を仕掛けだした。だが攻撃を受けるも相手の豪炎を鎮火させるほどの威力は無く、飛び交う氷は次々と蒸発されだす。
だが、先程とは違う異変が生じていた。
ジュウジュウジュウジュウ・・・
【グルゥウウッ・・・!】
初めは蒸発していたため無力化をしていた怪物であったが、徐々に飛びこんでくる氷を溶かしきれず、次第に腕が凍り始めたのだ。それによって苦痛を感じたのか、怪物は小さく唸り声を上げた。
「あニャぁ、凍って来てますニャ~ でもでも、まだまだこれくらいでは落ちませんのニャ。」
「だったら、それを撃ち落とすまでだっ!!」
ネコの発言を聞いた彼は再び別の流星石を取り出し、その中に作りたての合成した流星石の液体を注ぎ込んだ。入れ終えて中身が無くなった瓶は再び投げ捨て、彼は栓をした瓶の液体を数回立てに振ったのち、詮を引き抜き手元に武器を生成した。
そこに出たのは初めに使用していた【銃】に似た武器でありであり、銃身が蒼く輝き、氷属性の力が添付された事を色濃く発揮する【氷速銃】だった。引き金を引く様に銃に手を掛けた後、彼は凍りついていた腕目掛けて弾丸を発砲した。すると銃から氷の礫が勢いよく発射され、空を引き裂く勢いで撃ち出され、怪物の凍りついた腕へと命中して行った。凍てついた腕に走った一撃は腕を貫通し、そこから生じたヒビによって腕は撃ち落とされ、地面へと落下した。
【グルァアアアーーー!?】
「ニャニャッ!? 落ちたのニャッ!!」
「おらおらぁあっ!! おめえの首を捕るっつっただろ!! 呑気に叫んでんじゃねえよっ!!」
【!!】
その後も永続的に彼の手にした銃からは氷の弾丸が発射され続け、先ほど同様に凍結させた瞬間に怪物の身体を撃ち落として行く。溶かしきれない氷は水となり、次第に融点に追いつけず凍結され、弾丸に撃ち抜かれて崩れ落ちる。化学的ながらも勢い任せな、彼の気合が込められた攻撃が仕組まれていたのだった。
腕が無くなり、尾が無くなり、指が無くなる。
次々と身体のパーツが亡くなって行く感覚を覚え、怪物は我武者羅に火の粉を飛ばしシップスの動きを止めようとあがき出した。しかし彼は怪物の攻撃をもろともせずに攻撃を続け、軽く自分の身体に火傷が出来ても気にしない勢いで、攻撃を続けていた。
「おっらぁあああっ!!!」
バァーーーーンッ!!
【グゥァァアアアアアーーー!!!】
シップスが放った最後の一撃を受け、怪物は悲鳴を上げながら顔の左半分が消失した。保っていた身体の一部から次々と炎が無くなりだし、身体が保てなくなってしまったのだ。これには激痛を感じた様子で怪物は唸りだし、その声は大地を揺るがし地震の様に地面を震わせた。
「にゃあにゃあ、これは終わってしまいそうですニャね。」
「ハァ・・・ハァ・・・ 終わりだ、化物・・・! 春を呼ぶんだぁああ!!」
パァーーーンッ・・・!
飛び散らされた火の粉のダメージで軽く足元がふらつく中、彼は渾身の一撃を込めた一撃を、怪物目掛けて発砲した。すると彼の撃ち出した一撃は怪物の胸を捉え、保てなくなっていた身体に対する止めをさしたのだった。




