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英雄達の消えた街・コラボ編  作者: 四神夏菊
外伝・シップスシナリオ
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彼が目指した光 4

絶え間なく続く攻防戦は時間と共に流れてゆき、シップス達は疲労感を感じながらも戦う事を止めようとはしなかった。手にした流星石は街の中で唯一管理課と対抗する術であり、彼等もまた地区へ対する『改革』を望んでいた。


自分達は何のために生きていて、生活するこの地区でどんな夢を望んでいたのか。


ただ平穏で変わり映えの無い人生を望んでいたとすれば、彼等は戦う事を望まなかったかもしれない。時間が止まってしまったと思われる彼等の学業生活は永遠と続き、その時間軸の中で常に似た生活を送り続ける事。それはその場から離れてしまった者達から見れば、未来栄光に続くその生活が夢のように感じるかもしれない。

一旦外に出て見直してしまえば、今居る生活の有能さと無能さに気付かされてしまう。ゆえに、それを知らない彼等を制止するネコ達は、ある意味では『永遠の時間』を彼等に与えようとしていたのかもしれない。

だがそれは『変化』も『夢』も生まれない、ただ過ぎ行かない時間の中に閉じ込めてしまうと言う事。安定した生活や周囲からの圧力も感じないその世界は、彼等が外から得られる『刺激』を完全に遮断してしまうという意味も持っている。


代わるための行動を行っている人達の、変わる事のない繰り返された行い


それを眼にした存在達だからこそ、立ち上がる力さえも失ってしまったのかもしれない。自分達が似たような行動を起こした際に、成功する保証が何ひとつないからだ。

「ライトッ! 撃てッ!!」

「OK、ソニルス!!」

だがそんな管理課の行動を阻害するかのように、シップス達は未だに怪物との戦いを止めようとはしないでいた。自分達だけが闘っているこの状況下、周りの住人達は街から非難し、安全な場所で自分達の事を遠くから視ているかもしれない。ただ見ているだけで何もしない彼等に対し、仮にもし改革が成功した際の結果を彼等が得て良いのだろうか。

そんな理不尽な利益を獲ようとしているやもしれない住人達を尻目に、ソニルスは武器を構えたまま跳びだし、怪物の腹目掛けて武器を振るった。すると相手の腹を覆っていた炎が武器に裂かれて傷口が出来た、その時だ。

「甘いのニャッ!」

「!?」



ゴォオオオーーー!!!


「うわぁああああ!!!」

「ソニルスッ!!」

傷口から噴き出した豪炎がソニルスの身体に襲い掛かり、一瞬にして火ダルマと化してしまったのだ。彼の悲鳴を聞いたソニルスは慌てて彼の元に駆け寄り、予備で備えてあった【水(イアーラ)】の栓を引き抜き、彼の身体目掛けて液体を放った。

最初は小さな水滴だった流星石は空気に触れ、即座に膨張しドラム缶1つと匹敵する容量の水へと変化したのだ。すると、



ドブァアアッ!!


「っ・・・ ・・・つめてぇ・・・」

「ぁっ、ゴメン・・・」

一瞬にして炎に包まれていたソニルスの身体から火は消え去るも、水が多かった事もあり彼の着ていた衣服は一瞬にして湿り気を帯びてしまった。寒空の下びしょ濡れの服で居ようものなら風邪をひく事が目に見えるも、近くに暖房替わりとなろう怪物の熱量があったためか、その心配は無く彼等は急いで避難し体制を整えていた。

「大丈夫か? ソニルス。」

「う、うん・・・ ちょっとビックリしたけど・・・ 服も気付いたら乾いてるし、平気。」

「ちっと休んでな。代わりに俺が行くからさ。」

そんな彼等の元へとやって来たのは、別の場から攻撃を仕掛けていたアシュレーだった。突如聞こえた彼の悲鳴に反応して様子を見に来てくれたらしく、手にした流星石の形状はそのままに、2人の安否を確認していた。

幸いにもやって来た水量で押しつぶされそうになった以外は特に変化は無く、衣服が燃えた形跡も無く、単純に休めば大丈夫であろう状態だった。相手からの返事も聞き安心すると、アシュレーは剣を持ち直し彼等をおいて怪物の元へと向かって行った。

「行けぃっ! ジョアノウチファイヤーにゃッ!!」

【グルァアアーーッ!!】

しかし敵も大人しく相手の攻撃を見送る事もなく、ネコはすぐさま向かってくるアシュレーに対し攻撃を支持を出した。すると怪物は咆哮と共に両手から炎を噴き出し、アシュレー達と同じ背丈の火球弾を作り、攻撃を開始した。

「ヘッ! んなもんくらうかっ!!」

攻撃を目の当たりにしたアシュレーは一言そう叫ぶと同時に、やって来た火球弾を避ける様に跳躍した。すると彼の居た場所目掛けて数段の火球弾が飛び込んだを見た後、彼は剣を構えやって来た攻撃を避ける様に、華麗に宙を舞った。

剣刃で軽く攻撃の軌道を逸らす様に切りつけながら回転し、自身の跳ぶ方向も軽く創っている様子で、彼は無傷のまま地面に着地し、一気に怪物との間合いを詰めた。その後即座に剣を構え、先ほどソニルスが攻撃を仕掛けた腹部目掛けて、剣で切り付けた。

それと先ほどのソニルスの時同様に、傷口から炎が噴射されアシュレーに対する反撃が開始されるも、彼はその攻撃を予測していた様子で剣を振り払い、空いていた左足で風を作るように回し蹴りを放った。すると炎は風に流され足にまとわりつくも、彼は靴裏と地面を勢いよく擦り合わせ、即座に沈下させ反撃が思った以上に来る事を理解していた。

『身体に近いほど、反撃が大きいな。手足くらいなら簡単に落とせると思ったが、こうなると怪物を先に仕留めて蒸発させる方が難しいな・・・』


【グルァアアーーッ!!】

「! チッ!!」

自身へやってきた反撃を最低限のダメージに変えた後、アシュレーは後からやって来た拳を眼にし、その場を退避する様に跳び退いた。再び華麗に宙を舞いながら後方へと降り立つと、彼は怪物を目視ししばし睨みあうように立っていた。

そんな時だ。


「アシュレーッ! この先は俺が貰うぞっ!!」

彼の横を走り抜ける存在の姿を目視すると同時に、アシュレーの元に攻撃を受け持つと言わんばかりの威勢が飛んできたのだ。声を耳にした彼は走り去った相手がシップスである事を把握するまでの時間ロスと共に、頭の中で解っていた事を報告しそびれていた事を思い出した。

相手は炎の身体を持ち合わせており、ちょっとやそっとの威力では身体を弾け飛ばす事すら出来ないと。

「? ぁっ、馬鹿よせっ!! お前の流星石じゃ・・・!!」

「んなもん、気合でどうにかしてやらぁああっ!!」

しかし彼の制止は虚しく空を切り、シップスはその場から跳びだしながら両手に武器を構え、果敢にも怪物の顔面目掛けて攻撃を仕掛けようとしていた。飛び込んでくる存在を眼にした怪物は眼を光らせた後、素早く動きを見せた。

「捕まえるのニャ」

【!!】


「ぇっ?」

ネコの指示が早いか遅いか、怪物は背後に漂わせていた尾を動かし、飛び込んでくるシップスを易々と捕まえてしまったのだ。突如横から伸びてきた尾を見たシップスではあったものの、彼の持っていた武器では攻撃を払う事も出来ず、そのまま炎に飲まれてしまった。



ガシッ!!


「なっ!! しまったっ・・・!!」

「燃やすのニャっ!!」


「グァアアアアアッ!!!」

同時に大量の熱量が身体か尾へと流れ、シップスは炎に包まれ苦痛の悲鳴を上げだした。彼の悲鳴を聞いたアシュレーは慌てて武器を構え攻め込もうとするも、怪物は尾を纏う炎から先ほど同様に火球弾で攻撃を開始し、近づけさせまいと応戦をしてきたのだ。

その場から離れていたソニルス達はまだ動く事が出来ず、すぐにシップスを助ける事が出来ない状態が、出来上がってしまっていたのだった。


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