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合法ロリの困った姉キ  作者: ひろ.U
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合法ロリの困った姉貴 異世界転移なのです!!後編


 森を抜けると、何時の間にか雨が上がり、綺麗な夕焼けの空が広がっていた。


 今頃、玲奈は俺が農作業から帰る時に、何時もしていた様に椅子を窓際まで移動して、縁に頰ずえを付き俺の帰りを待って居るのだろうか。


 お腹が空いてる筈なのに辛い顔を見せず、冗談ばかり言ってた玲奈。1人で留守番するのは淋しい、早く私の歌を聞かせて上げられる子供を授かりたいと、ベッドの中で毎日のように聞かされた。


 帰らないと。


 渡り鳥が群れで飛んでいた空から、下に目を移す。


 拓けた草原の小高い丘の上に、騎士がポツンと見えた。


 重騎兵だ。


 幸い単騎で有り、勝てる可能性は僅かながらある。鎧などの装備は、全てが上等で普通の騎馬兵では無いことが直ぐに解った。コイツこそ憎むべき敵、殺すべき人間なのだ。



              *


 

 俺は21年間、毒蛇の巣穴で殆んど全てのモノを剥ぎ取られてきた。


 実の母親を父親に殺された時には、悲しささえ殆んど感じられない位、色々なモノを毟り取られていたのだ。


 気の弱かった俺が生き残って来れたのは、姉が守ってくれたから。発狂して自死を選ばなかったのは、唯一無二の美しい存在が、手の中に残っていてくれたからだ。


 森の中から、ノコノコと現れた農民。隠れて居れば生き残れたものを。


 姉を守る為に、父親を殺す。悪いが、血縁殺しの練習台として血祭りになって貰う。



              *



騎馬兵と歩兵なら、圧倒的に歩兵が不利に見えそうだが、 敵が単騎なら倒せる可能性は絶望的では無い。


 もう、限界に近い刄のショートソードを手に持ち、ゆっくりと近付いて行く。これからは敵の出方次第だが、勝てる 可能性が少しでもあるなら、農民にとって死をもたらす死神の鎌は折るべきだ。


 夕焼けの光で、オレンジ色に染まった草原の中を騎馬が 駆け出した。


 構えられた長刀に光が反射している。


 馬にも鎧を装備しているので、速度は速くない。


 駆け抜けざま、長刀で薙ぎ払うきか……………。



              *



みすぼらしい農民は、剣を持って棒立ちだ。


 これなら、一太刀で済みそうだ。


 股を締め安定を取り、片手に持ったロングソードを斜め上に構える。



              *



馬の習性として、馬群の中で避ける進路が取れない、或いは馬がパニック状態なっている場合を除いて、必ず馬は障害物を避ける。つまり、この場合は馬の脚に俺が掛かる可能性は薄い。


 脅威にならなければ、長刀の死角に入ってやれば良い。


 迷わず、直前に迫った馬の進路正面に潜り込む。


 馬は、敵が長刀を構えた反対側、俺の右に流れる。


 片膝を地面に付き、中腰で剣を構えた俺は、馬が唯一、鎧を装備出来ない前脚をショートソードで横薙にした。



              *



クソッ!!構えた逆サイドに農民が消えた!!


慌てて、手綱を引き馬を止めようとする。


 「!!!!!!!」


突然、馬が前にツンのメリ、俺は前方に放り出され落馬した。


 地面に打ち付けられる迄の僅かな間、世界の時間が遅くなった様に色々なモノがスローに感じられ、自分の死期を悟ったのだ。



              *



 強烈に両手が痛い。肩が外れてしまった様に痛む。


 剣は、何処かに弾き飛ばされてしまった。


 俺は、起き上がろうと藻掻いてる馬の先に倒れている、 重装騎兵に注意を移した。


 痛む手を庇いながら近付くと、横倒れになり口から血を吐いている。


綺麗であっただろう、貴族の紋章が刺繍されているマントは、泥に塗れ酷く汚れていた。


 致命傷だな。あれだけ重い鎧を着込んで落馬したのだ、 身体の中はグチャグチャだろう。


 「フ〜〜ッ。やっと帰れる。もう、これ以上は戦う必要もないな」



               *



直に死ぬ、それだけは解る。片手は動かず、何とか動く逆の手で、腰のダガーナイフを抜いた。最後まで抵抗する気概だけは離したくなかったからだ。


 もう痛みさえ感じられない。戦った事に後悔は無いが、帰れなくなった事が寂しい。もう優しげな瞳で微笑む、姉の顔を2度と見る事も出来ない。


 身体が冷たくなっていく。


 目の前には、姉から贈られたペンダントが泥の中に落ちている。


 拾わないと……………。


 そこに農民が近付き、汚い手で拾い上げようとする光景が視界に入る。


 「拾うな!!!!!」



               *



帰ろうとした時、くたばり掛けの重装騎兵の前に、白いモノが落ちているのが見えた。


 玲奈から贈られたカメオのブローチだ!


 何故、落としたのだろう?


 何気に近付き、拾い上げようと屈んだ俺の胸に、短剣が 突き込まれた。


 心臓近くの動脈を切られたのか、一瞬で視界が暗くなり 意識が遠のく。


 …………帰れない。


 頬づえを付き物憂げな玲奈の姿が、消え行く意識の中で 最後に浮かんだ。




               *




「弟くん!起きて下さい!お布団が干せません!」


「???」


 「フフフッ、お姉様。コレはこうすれば良いのです」


レイナちゃんに、掛け布団を剥ぎ取られてしまった。


 「ファ〜〜〜ッ」


何故、涙が出てるんだろう?欠伸をしたからかな?


 それにしても、何だか目覚めが悪い。


 「弟くん、朝食が出来ているのデス!早く顔を洗ってくるのデスゥ〜」


「了解でありま〜〜す」


 清々しい空気に包まれた休日の朝。


 2人の掛け合う、笑い声が聞こえてくる。


俺は、掛け布団を持って、クルクルと回りハシャイでるレイナちゃんと、姉貴の優しげな笑顔に、何故かホッとしたのだ。



              終わり






 









 

ハァ〜〜。こういうのトコトン向いていないのが痛感出来ました。面白くないと苦痛なだけですね。

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