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合法ロリの困った姉キ  作者: ひろ.U
19/24

合法ロリの困った姉貴 異世界転移なのです!!中編


 動かなくなったドワーフを残し、俺は屋根の焼け落ちたレンガ壁に持たれ掛かり、力無く座り込んだ。


 何故、戦うのか? ………守る為に…………何から?


 …………………俺の住んでる村は誰もが飢えていたのだ!2年前からの干害と冷夏で作物が碌に収穫できず、頼みの 家畜は数頭を残し病気で死んでしまった。食べれる物が無くなったのだ。


 生きていくだけで精一杯なのに、税は重く取り立ては厳しい。


 糞!!最初の1年で村人の半分は飢え死に、去年は残ってた人数の半分も死んだ。


 立場が弱い老人に子供、それと女が次々と死んでいき、村が荒んで行く。決定的だったのが、領主が人外の化物を使役し領民を弾圧し始めた事だ。



 「……………玲奈」


 家に残して来た最愛の存在。


 人見知りな癖に寂しがり屋で、構ってやらないと直ぐに 怒りだす。


 歌うのが好きで、仕事をしながらでも、よく口ずさんでいた。


 まだ子供なのに、寂しから早く新しい家族が欲しいと駄々をこねらせ喧嘩になった。


 ……………守らなければ、玲奈が死ぬ!


 身体に力が戻ってきた。


 来年までに飢えて死ぬのならば、今、戦え!!


 倒せ!!こんな使役されてる人外を幾ら殺しても解決されない!


 俺は立ち上がり、本当の敵を探し求めて歩きだした。




             *



「大丈夫ですか?」


 「???」


「寝汗が酷いです。こんなに辛そうな顔をして………」


 小さな手に持った、濡れたハンカチで額を拭ってくれる。


 「戦いに行くのが嫌ならば、無理をしないで下さい。貴方は昔から優しい性格だったのだから、人との争い事には向いてはいないのです」


そうか、思い出した。今日、俺は戦場に行かなければならない。


 「ゴメン。大丈夫だよ。ちょっと気負ってしまっただけだから」


そう、言い訳したが、優しげな表情の女の子は、心配そうな瞳で見つめてくる。


 豪華なベッドの上で、上半身を起こしている俺の手を優しく握ってくれてる姉は、この世界で1番大切な存在だ。いや、姉しかいないのだ、俺が生きていく存在理由が。


 この、腐った特権階級が属する上流社会。金と権力の為なら、平気で人を騙し簡単に殺す。


 まるで蠱毒の壺だ!家族の間でさえ共食いし合っている。


 そんな絶望しかない世界で、唯一の例外が目の前に居る、小柄で可愛い女の子。


 俺は、小さな頃から実の姉を愛していた。


 その愛する人を、よりによって蛇の様な性格の父親は政略結婚させようとしている。


 そんな事は、絶対に許せれないし、阻止しなければならない。そうだ、思い出した。俺は農民達の反乱を討伐し帰ってきたら、父親を殺し家の実権を握ろうとしていたのだ。


 多くの人を殺し、自分の妻さえ殺した男、なんの呵責も 感じない。


 まず、社会の底辺に蠢くゴミを掃除しなければならない。力が無ければ黙って従って要ればいいものを、反乱など起こしても無駄死にするだけだ!


 こんな、不完全な世界で、安定だの平和だの求めてどうする!


 完全に安定した物質で構成されてるのならば、そもそも 宇宙など存在してないし、当たり前だが人間も居ないのだ。


 馬鹿な農民達は、それすら理解する事が出来ないのだろう。


 人は愛し合い、憎しみ合い、子供を産み、そして死ぬ。


 全てが、生きてる限り苦しみなんだよ!それは、どんな 階級に属してても一緒だ!!


 「大丈夫ですか?真っ青な顔になってます。やっぱり、 行っては駄目です。此処にいて下さい。心配しなくても良いですよ、お姉ちゃんが守って上げます」


訂正しよう。仮に完全な存在が有るとするなら、それは  母性愛だろう。



            続く


 


 


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