第5章 第2話
な、なんだあれは…
私だって、エアスタ様ほどでは無いにしろ長くダンスを続けている。
対人戦だって数をこなしてきた。
でも…あんなのは見たことが無かった。
動きが理解できなかった。
初心者装備のように見えるくせに、一撃で数人まとめて消し飛ばしたあの攻撃力。
ViertenSpielerだけに目を凝らしていたから分かった、硬直を無視した動き。
そういえば、SNSでViertenSpielerがチーターだと騒がれていた…
そうか!
エアスタ様の名前に似せたキャラがチーターとして有名になる。
そして酷い戦績を晒して暴れて回る。
どうせアカウントは停止されるだろうが、その噂が広まったところで
エアスタ様が別キャラでチートを使って荒らしまわったという
さらなる噂を広げれば…
エアスタ様が今まで受けた事の無いタイプの中傷になるだろう。
噂を流した本人は素性を晒すことなく表舞台から消えてしまう。
そうなれば、エアスタ様が否定するには証拠の提示が難しい。
悪魔の証明という訳だ。
なんという手の込んだやり口だろうか。
今の段階で奴に注目できているのは私くらいのものだろう。
ならば、あのチーターの目的は私でなければ潰せない。
なんとしても阻止しなければ。
エアスタ様の名誉は私でなければ守れない!
覚悟を決めてしまえば実行は容易い。
エアスタ様の親衛隊として動くのだから、
ここはやはりHoneySword、メインキャラが逆走しなければならない。
あわよくばエアスタ様に私の献身が伝わって欲しい、という思いもあるが、
宣伝して回るのは恥ずべき行動だという自覚はある。
こういった活動は、地道に積み重ねてこそだ。
幸い第7エリアには常駐しているメンバーがいるので、
ViertenSpielerの監視自体は問題ないが、
第8エリアに進まれてしまうと監視できるメンバーが少なくなる。
しかも第7エリアは足止めになるようなギミックが少ないので、
パーティーメンバーさえ見つかれば、ものの数日でクリアできてしまう。
急がねば。




