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Dance with The Weapon  作者: まっしー
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第2章 第10話

元手がかかってないとは言え、それなりに時間を費やして集めた武器だったのだが、

現実的な強化値の上限という+20に、ほど遠い結果だったことは、そこそこ驚きだった。

初心者エリアという、武器を入手しやすい条件でこれだけ強化が大変なのだから、

高強化値の上級者武器の入手は絶望的とも思える。

飛びぬけて強い武器を手に入れて、戦績を凌駕する強さを手に入れる

という淡い期待も打ち砕かれた。


ここからはダンジョンの周回と武器の強化に時間を注ぎ込んだ。

睡眠、起床、ダンジョン周回。食事とトイレ、ダンジョン周回。軽い運動、ダンジョン周回。

見る人が見ると、ゲームにドはまりしているように見えただろう。


100周。レアスキルは出なかった。1周目にいきなり出ているのだし、しょうがないだろう。

200周。★★★ 隠密行動。非対人戦状態のプレイヤーから一定時間見えなくなるが、

モンスターや対人戦中のプレイヤーには意味が無い。残念スキル。

300周。★★★ 両手持ち。片手武器を両手で持ち、攻撃力が1.5倍。盾が持てない。

両手武器には意味が無い。残念スキル。

400周。レアスキル無し。ついに+20武器が1本出来上がる。

2周に1本+10武器が出来ているので、強化成功率は60%程度のようだ。

500周。★★★ 拳闘士。素手での攻撃でもまともにダメージが与えられるようになる。

使い方によっては面白い。

1000周。めぼしいレアスキルは無い。

★★★ 守り上手という、両手武器による攻撃ガード時に盾と同等の効果が得られるスキルが

少し気になった。

1500周。★★★はちらほらと出るものの、★★★★★どころか★★★★すら出ない。


**********


そして1872周目。1日30周ペースで周回し、丸2か月以上…ついに★★★★が出た。

武器は全種類1本づつ+20の武器が出来上がったところだ。

キリも良い。

達成感としても中々のものだ。

固有スキルの選別と武器強化だけの日々にもいい加減飽き飽きしている。

戦績だって2830敗まで膨れ上がった。

いい加減先に進めてみても良い頃合いじゃないか。


「ボス撃破おめでとうございます!

 初めての固有スキル獲得です!

 スキルを1つ選択して下さい。

 選ばれたスキル以外は消滅します。」


そうしてドロップボックス内から★★★★のレアスキルにカーソルを合わせ、決定を選択した。


「本当にこの固有スキルで良いですか?」


…本当に良いのだろうか。

目的を間違えてやいないだろうか。

黙々と初心者ダンジョンを周回し続ける生活になって2か月。

3時間のプレイしてはログアウト、また3時間のログイン。

寝ているときでも強制ログインはされるし、逆にゲームの中だろうが眠れることも分かった。

ほぼゲームの中で過ごすことで強制ログインを避けていて、忘れていやしなかったか。


俺は…俺の目的は…


なんとしても俺の日常を取り戻すのだ。

人生を取り戻すため、杉田正美を見つけるため、ゲームを進める事を手段としたのだ。

手段の途中に困難が立ちはだかるから、超えるために試行錯誤しているのだ。

試行錯誤の中で、取りうる最良の手段を取らずしてどうするのだ。

最良の手段を信じて、これまで捨ててきた選択肢に報いずにどうするのだ。


この妥協に、将来の俺は後悔しないか。

この妥協に、日常を失った直後の俺は憤激しないか。

この妥協に、妥協を許した俺は納得するか。



ここでの妥協は、無しだ!



確定前に最終確認があってくれて本当に助かった。

選んだばかりの★★★★スキルをじっと見ながら、自分の体に刃を突き立てる。

初心者武器ながらも、それなりに強化された武器は、一瞬で俺のHPを消し飛ばした。

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