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Dance with The Weapon  作者: まっしー
24/133

第2章 第4話

Dance with The Weapon。


体感型のMMORPG。

この世界にLvの概念は無く、武器と技術、そしてプレイヤー自身のテクニックが物をいう。

数えきれない程の技術があり、それぞれ熟練度という値を上げる事によって、

ステータスや動作の成功率が上がったり、使えるテクニックが増えていく。

魔法は存在しないが、固有スキルを1つだけ覚えることができる。


街や村といった戦闘不可のセーフティーゾーンの他、

対人可能なノーマルゾーンには一般フィールドとダンジョンがある。

一般フィールドには通常モンスターとレアモンスター、

ダンジョンにはこれに加えてボスが存在している。


街や村で、武器、防具、消耗品等を購入することができるが、

強い武器や防具は、モンスターを倒して手に入れる必要がある。

ボスからは、武器や防具の他、極稀に固有スキルを手に入れられることがあり、

既に覚えている固有スキルとの入れ替えが可能だ。


武器や防具は強化アイテムによって強化することができる。

強化の上限は+50。しかし、安全に強化が可能な数値は+10までとなっている。

+11以降の強化には強化した武器自体を失うリスクが伴う。

ただし、+11以降の攻撃力や防御力の伸びは大きく、

元が弱い武器でも、強化を繰り返せば充分に通用する物になるようだ。

とは言っても、現実的な強化値は+15程度で、+20ともなると結構な逸品らしい。


固有スキルに関しては、攻略サイトや掲示板でも詳細がよく分からなかった。

★~★★★★★までの5段階のレアリティがあること。

★★★からはレアスキルと呼ばれ、便利なスキルが揃っていること。

★★★★以降は、入手時にはスキル名が表示されず、獲得するまで詳細が分からないこと。


★★★の固有スキルまではリストが存在していたが、

★★★★と★★★★★については、一切情報が無かった。

手に入れているプレイヤーの数も少ないのだろうが、

せっかく入手時に効果が表示されていないのだから、手の内として晒したくないのだろう。

初心者エリアのクリア時に必ず手に入り、

それ以降はボスを倒した時の極稀な入手に期待することになるようだ。



『この固有スキルで何を手に入れられるかが、かなり影響するみたいだね。』

「…ええ。」

『装備に関しては新しいエリアに行くたびに、

 ある程度のものは街で買えるようになるみたいだから、

 序盤はそこまでこだわらなくてもいいみたいだ。

 僕らの目的はErsterSpielerに会って話を聞くことだから、

 先に進める程度であればいいかな。』

「…そうね。」

『技術に関しては地道にやってれば上がるだろうから、

 あとはプレイヤー自身のスキルを磨くことになるかな。』

「…ねぇ。多分、分かって言ってるのよね。」

『…うん。分かってる。』



ダンスにおける重要な要素がもう1つある。

いや、これが最も重要と言っていいかもしれない。

戦績の存在だ。


ゲーム内で存在するステータスのうち、自分にだけ見えるものと自動で公開されるものがある。

装備の強化値や技術の熟練度、最大HPと現在のHP等は自分にだけ見えるステータスだ。

自動で公開されるステータスには、装備の種類、固有スキルの有無、戦績がある。

そう、戦績は隠せないのだ。



戦績は、まずアイテムの入手チャンスに大きく影響する。

強いダンジョンは1人では戦えない。

パーティーを組みダンジョンに行き協力してモンスターやボスを倒すのだ。

手に入れたアイテムは、ドロップボックスというパーティーごとに

1つだけ用意されるアイテム保管庫のようなものに保管される。


ドロップボックス内のアイテムは全員が見ることができ、

装備品であれば鑑定したり、1分間だけのお試し装備もできる。

消耗品は、ドロップボックスの中から使うこともできる。


そしてダンジョンを脱出する際に、ドロップボックス内のアイテムを

1つづつプレイヤーに所有権を移していくのだが、

これが戦績を基準としたランキングに応じて選択順序が回ってくるのだ。


つまり、戦績の良いものがより強い装備やスキルを手に入れ、

戦績が悪いものはおこぼれすら貰えない可能性がある。



そもそも、戦績の悪いプレイヤーはパーティーを組むことすら拒否されることが多い。


理由は、対人戦でのリターンの大きさだ。

ダンジョン内はプレイヤー同士も戦えるようになっていて、

相手を倒すと、その相手が装備している武器や防具、固有スキルから

選択して奪うことができる。

パーティー同士で戦う場合、戦績の悪いプレイヤーがいると

一瞬で倒され数的不利を作られてしまう懸念から、拒否されてしまうのだ。


逆に言うと強いプレイヤーから先にアイテムを手に入れられるという仕組みであっても

パーティーを組もうとするのは、強いプレイヤーがいるパーティーは

対人戦を仕掛けられづらいという安心感があるからともいえる。



そして何より大きな壁となるのが、あらゆるコミュニケーションにおいて

最下層に位置付けられてしまうことだ。

負けが少ないこと。勝ちが多いこと。負けより勝ちの比率が高いこと。

皆、他者との格付けを戦績基準にしているのだ。

強いものが偉い世界。そこへきて0勝912敗。最下層もいいとこだ。

自分が無気力に負け続けてきた戦績が重くのしかかるのを思い知る。


負けが込んでしまった者は、メインチップを買い替え

新しくキャラクターを作り直すことをお薦めされていることからも

いかに戦績が重要なステータスとして扱われているかが分かる。

そういえば、ドリッピーと出会ったのも彼が作り直しをしている最中だった。

だが自分の場合、メインチップがどれなのかすら分からない。取り替え様が無いのだ。

そもそもメインチップがどうにかなれば、この強制ログインから抜け出せるはずなのだから。

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