第2章 第5話
『どうしようか。
やっぱりゲームの攻略以外での道を探す方がいいかな。』
真面目に取り組もうと、事前に攻略サイトを片っ端から見ているというのに
これは結構な手詰まりな状況じゃないか…
掲示板等で相談してみても、皆口を揃えてキャラクターをリセットしろという。
その状況から進められるゲームではないと。
「よかった。ちゃんと調べて自分の状況は理解してるのね。
確かに1人で始めるには絶望的な状況だと思うわ。
でも、あなたには私が居る。
もしあなたと誰もパーティーを組んでくれなくても、
私はパーティーを組むわ。
あなたにアイテムやスキルが回ってこない状況でも、
私となら回すことができる。
1人では勝てないボスが居ても
2人ならなんとかなるかもしれない。
あなたが本気で取り組むなら、私も本気になる。
日常を取り戻したいのは私も同じなの。
あなたの人生は私の人生でもあるのよ。2人で1つの人生なの。」
目が覚めた。
どこかふわふわと、ふらふらと、なるようになれと思っていた心に
熱く焼けた、まっすぐな芯を撃ち込まれたようだ。
その熱さが、ジリジリと頭のてっぺんから足の先まで広がっていく。
『ごめん…いや、ありがとう。
ここ1年ですっかり負け犬根性が染みついてたみたいだ。
2人で1つの人生、取り戻さないとな。』
凛とした顔で、まっすぐにこっちをみてくれている。
この目に、心に応えなければ。
撃ち込んでくれたこの芯を支えに、まっすぐ立って進まなければ。
『今がどんな状況でも、ここが俺のスタートラインだね。
ここから始められるように、
悩んでも苦しんでもちゃんと考えてみるよ。』
状況は整理できた。
スタートラインは遥か後方。
ゴールはErsterSpieler。
きっとアップデートされるたびに、ErsterSpielerは最新のエリアに移っていくだろう。
そこに追いついていかなければならない。




