2節 黒い剣と炎の剣
私は黒い剣を神たちに向ける。その剣が静かに震えているのが私には分かった。
「ふっ、野郎ども。戦は犠牲が付き物だ。たとえ神だろうがなんだろうが、ぶっ飛ばせ。そしてまたここで生活を送ろう」とボスは言った。
「人間ごときが何を言うか」とアテネギウスと名乗る神はより炎を増して私たちに向かって言う。
「人間だからこそ神よりも知るものもある。さぁ、ゆけ」
ボスの言葉に三つのグループに分散して分かれていく。私はアテネギウスの前に立ち、他のメンバーたちと共にその神の前に立つ。
メンバーは筆術をそれぞれ使用して神に攻撃を与える。
「無駄であり邪魔だ」
炎の剣を振るなり、メンバーたちにそれが移る。火が移って死ぬ仲間たちを見て私は足がすくんでいる。
(何のための修行だったんだよ。動けよ)
火を見る度に一つの恐怖を感じていく。そう、『死』だ。
(俺は『死』を恐れてるのか?今までいくらでも体験しただろ?なのになんで……奴らが神だから?ならば神を超えろよ)
私はなんか気持の悪い感情に襲われる。憎悪感といったような感情だろうか。その思いに心が押し潰されてしまいそうになる。それでも耐えるんだ。
「お前ら、刃向かう割にはよえーやん」
「アテネギウス!!」
黒い何かが放たれた私の剣が相手の炎の剣に交じり合う。
「ぐはっ……貴様、その剣をどこで手に入れた?」
「これは俺の努力から生み出したものだ!!」
物凄い音を放っている。炎の熱さが私の体を熱くさせる。
「その剣をさらに黒く焦げさせてさらにカスカスにしてやるよ。おめぇの体もな」
「その前にてめーの剣を砕いてやるよ」
「無駄だ。俺の剣は再生する。今のお前のと違ってな」
「うるせえよ、ごちゃごちゃと。俺は目の前にあるその剣に言ったんじゃねぇ。てめーの背骨に言ったんだよ。無理難題変換」
「おっと、炎がこっちに来てあちぃ……なんて言うとでも思ったか?俺は元から炎を纏う神なんだぜ?」
「黙れよ、邪神。じゃねえと凍るぜ?」
彼の足に氷がくっついている。みるみるそれが体に行き渡る。
「ミルキーウェイ!!何しやがるー」
「だから黙れって言っただろ?」
私の剣と炎の剣が同時に折れる。剣など必要ない。なぜなら、今の炎の威力が少ないこいつは俺と同等だから。
「これが人間の反撃の拳だ。地に体を触れて実感しやがれ!!」
私の拳がじりっという音を鳴らしてアテネギウスに直撃する。彼は体を地面に思いっきり叩き込ませて倒れ込んだ。拳にやけどを感じる。
「あくまで気絶しただけか。また復活するのが嫌だな」
「しばらく俺とクローバーが相手をする。その間に他の二名を片付けろ」とボス。
「でもクローバーさんは……」
「そう思うなら早く片付けろ。俺は仲間が信じるお前を信じている。頼んだぞ」
「了解です」
ボスにお辞儀をして私はあの姉弟とセロリアさんたちがいるミルキーウェイに向かう。そこにはメアちゃんもいた。ミルキーウェイの降らす寒気が私の背中を凍らせるほど恐怖感があるのは言うまでもないだろう。




