1節 時を知る女
私はアジトを出てボスの紙に表記されている道に進んで行く。右に行っては一軒をそのまま通過して交差点を通ってまっすぐそしてまた一軒通過しては右に行ってを繰り返して十軒ほど通過して到着した。その場所は『フロンティア』という看板が書かれていた大きなビルである。
私はそのまま自動ドアを開けて中に入る。
「ふっ、クローバー。お前の予想通りだな。お前は一体何者なんだか」
「そうね、私はクローバーであり時を知る女よ」
そこにいたのは正座して精神統一でもしていたかのようなボスとクローバーさんだった。どうやらこのビルは上に階層はなく、天井が遠い建物だ。
「生きてたんですね?」と私は聞く。
「あぁ、ボスだからな。だが、これからどうなるかはお前次第だ」
「クロロクロロ。そうね。そのためにあなたは強くなってもらわないといけないのよ。だからボスがいいと言うまで私たちと並んで正座してね?あとはそれから話すから」
「でも、神が……」
「果報は寝て待てということわざがあるのだ。彼女の言う通りにしな」
「そうね。寝るのはダメだし、何もせずに待ってるのもダメだけど。急いで戦いに行ったら同じことになる。だから準備が必要ってことよ」
「なるほど。神との戦いのために修行しろってことですね」
「クロロクロロ。そうよ」
私は言われるままにクローバーさんの横で正座して目を閉じる。目の前が暗く、静かな空気が私を冷やしていくのだった。




