5節 神の怒りに犠牲あり
私たちの周りに風が起きる。アテネギウスと名乗る男神の横にいる風を指に吹かしている男神の仕業だろうか?彼はにやついている。そして言う。
「俺は冥界の後継者でもあり、自然神の後継者でもある。お前らはこの中で聞いたものがあるかな?アポロとアポロディア、ハデスにペルセポネ、バッカス、アルテミス。この惑星、いや、宇宙が始まってから時代は流れている現在。うちら神々に何が起きているか知らないし、知る必要もない。まっ、誓いの紙で契約を交わして結婚したのも中に入るだろうがな。俺の名はペテオラだ。どこからその名がついたのか、不明だがよ」
「まったく。死ぬ者に自己紹介だなんて、笑ってしまうわ。我はミルキーウェイだ。人間世界で言うなら銀河らしいわね。そう考えると私は嬉しいわ。だって銀河が崩壊した際の人間たちの精神が崩壊した顔を拝めるんですもの。あっ、そうね。私はポセイドンやデメテル、ヴィーナスにバルカンの神々の後継者よ。あなたたち、なぜ私らが怒っているか分かるかい?眼鏡の餌……子を殺したから?それもある。双魔獣を殺したから?それもある。あなたらが私たちのように創生したり、削除したりなどの能力を手に入れたから?それもある。人間が邪魔になってきた。そうかもしれないが、そうじゃないかもしれない。だが、これらすべてをひっくるめてしてはならないことをお前たちはしたのだ。お前らは到底そのようなことは許されない。だが、お前らが今、我々の前で土下座をすればすべてチャラと考えて差し上げよう。自分だけ助かるなら今がお得よ?好きでしょ、君たち人間どもは」
誰も動かない、と思っていたが一人だけ動いて土下座をする。ボスだった。
「私だけでいい。他のみんなに手を出さないでくれ。それはそういう土下座だ」
彼がそう言うなり、私たちをめがけて飛び散る。それだけではない、炎も目の前に燃える。その炎の中で倒れこみながら苦しむ声を上げるボスの姿があった。
「貴様ら!!」とジョルダーさん。
「あら、いいのかしら。彼はあんたらのために自己犠牲っていうものを演じてあなたたちのために土下座をしたのに。なんて、笑える話よね?だって神は残酷と希望しか与えない。それを組み合わせて絶望よ」とミルキーウェイ。
私たちに向かってそう言う。
「これは彼を救うのが先決か?それとも神々を殺すか?」とジョルダー。
「小童よ、彼を救うなら先ほどの土下座の依頼は解消でいいんだな?」とアテネギウス。
「あぁ、決裂だ」
「そうか。ならばしょうがねぇ。お前ら、分かってるよな?」
アテネギウスの言葉に反応してほかの二人は私たちに向かって攻撃してくる。風を使用して大きな竜巻を作られたり、氷の山を私たちにぶつけてきたり、私たちを炎で丸く囲みそこから囲まれた枠の線から炎の壁を作らされていた。かわすのが精いっぱいで攻撃なんてできない。そしてジョルダーさんと私以外、いつの間にか分かれてしまったのだ。私たちの目の前にミルキーウェイだけがいる。
「あらまぁ、かわいい坊やたちがこっちに来ちゃったわ。それにしても熱いわね。服脱ごうかしら」
目の前にいるミルキーウェイは私たちにそう伝えると体を巻きつけている布に手をかけようとした。
「あら、取れないわ。ねぇ、そこのあなた、後ろの金具取ってくれないかしら」
そう言うとジョルダーさんは前にゆっくり歩いていく。
「ジョルダーさん、罠ですよ。絶対に」
彼の耳に私の声は入ってないらしい。私は彼を止めに目の前に行く。彼は頬をほんのりと赤く染めてにやけていた。正直言って気持ち悪かった。しかし何とか止めようと試みた。それでも手で追い払われてしまい、地面にこけてしまった。
「うふん。そうよ、あなた。私の体が汗ばんで早く解放してほしいって液を垂らしてるわ」
「えぇ、今取ってあげます……ん!?」
彼は彼女の後ろに回り込み、彼女のお尻によって物凄い力で外に吹き飛ばされてしまった。あざ笑うかのような顔でミルキーウェイは私に向かって言う。
「やっぱり人間はアホな生き物だ。いや、わがまま?欲求不満?どうでもいいや。あなたもいらっしゃい」
急に彼女が色っぽく見える。
ダメだと思い、目を逸らして「無攻」といい、その漢字を書く。しかし何も起こらない。
もう少し強い技か?
足だけがゆっくり前を進む中で、「無理難題変換」を繰り出すがなんも効果がない。それもそうか、理屈的に銃などの物理で飛ばされた攻撃をひっくり返して相手に飛ばす技だ。現在の彼女は彼女の体によってその効果を発揮させている。
どうすれば?
そう考えたときに炎の壁を突き破って炎が私にダイレクトに当たる。外から飛ばされた炎か。地面に転げ落ちた時、上に乗っかっているモノが分かった。ジョルダーさんだった。
彼は大きな傷跡と共に気絶している。私はその重い体を何とかどかして周りを見た。そこにあったのはメアちゃんたちの倒れ伏した体だった。その体には痛々しい傷跡や血が飛び散っていた。
「邪魔したな、ミルキーウェイ」とアテネギウス。
「もう少しで発情させていじめようとしたのに。まぁ、いいわ。三人でやってあげましょう?」
目の前の三人の神はにやりと笑うなり、私に向かって竜巻で体を吹き上げながら熱いものと堅い何かが私の体を何回もぶつかる。風の中でぐるぐると回されたため、気持ち悪くなり目をつぶっていた。すっと私の体がどこかに行ってしまうようだった。
しばらく更新を滞らせてしまいすみません。不定期ですが、今後も更新していく予定です。




