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世界はこの一冊の本によって変えられた  作者: 未知風
6章 本とのマニーロワイヤル 後編
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2節 全ては金なり

校長は私たちを見て頷く。そしてこう言った。


「メアさん、君のお姉ちゃんは確か……セロリアさんだよね?」

「えぇ、そうよ?」

「誰に負けたか知ってる?俺が教えてあげようか?」


校長は嘲笑うかのようにこちらを見ている。

おい、やめろよ?

彼にはその想いは届かずそのまま私が隠してきた言葉を吐いた。


「そこにいる海塚君だよ」


メアちゃんは私の方に振り向く。その目に光はない。まるで絶望したかのような目だった。


「バースアニマルズ……」


いきなりその場に現れるうさぎとクマとヒツジを形作ったぬいぐるみたち。


「バースアームズ……」


そのぬいぐるみたちに武器がくっつく。うさぎは大きな鎌を。クマには硬そうなグローブを。ヒツジにはギザギザ尖った甲羅がある。ヒツジが下手したらハリネズミに見えてきそうだ。


「オートプレイ……」


ぬいぐるみたちが私に向かって飛びかかってくる。


「メアちゃん!!」


私は何回もそうやって呼んだが、彼女の耳に私の言葉は入らない。


「無……」


ダメだ。うさぎがやたら動きが早い。私の首元にうさぎの大きな鎌が触れると思ったら聞き覚えの声と武器が目の前にあった。


「だから遅いって言ったでしょ?」


その言葉と共に後ろから鎌がうさぎの鎌の刃に対して垂直に触れる。


「姉……ちゃん……?」とメアちゃんは我に戻ったかのようにその言葉を呟く。


「セロリアさん、なんで?」

「後ろの首の服の血は誰も気が付きにくいよね。つまりそこから出てきたというわけ」


メアちゃんは驚いた表情のままぬいぐるみの攻撃を「ストップバックアニマルズ」と叫んで解除する。


「久しぶりね、メア」

「私に何も言わずにどこで何をしてたの?」

「ちょっとね。でも最終的に私がやろうとしていたミッションが達成できそうだわ。ねぇ、中路(なかみち)校長」


どうやら彼女には彼女なりのやるべき事があったらしい。そして私と戦った時に彼女は何も言わずにメアちゃんから去ったことに対して私に「ごめんね」と伝えるように促したようだ。


「アホだな、セロリア。お前はもっと利口な奴だと思ってた。俺はまだあの方にとっては手下でしかない。つまり俺よりも上はいるんだよ。俺は優しいからその二人を殺せ。そうすれば何も無かったかのようにしてやる。この世界をあの方の自由にするために」

「そうね、ダブルスパイは私にとっては辛かった。妹のことを思いつつもあなたの指示を従おうとしてたなんてね」


校長はにこやかに笑って言う。


「お前らが何人いようとどうでもいい。こっちには金がある。金がこの世の全てだ。さぁ、三人を殺せ」

「悪いわね、二人とも。そういうわけよ」


セロリアさんは鎌を持ち直してそう言い放った。


「いえ、何にせよ。私がやるべきことは目の前にある者を倒さないといけないことですから。メアちゃん、そうだよね?」


離れた所にいるメアちゃんに声をかけた。


「……うん」と弱々しいその声で私に向かって言う。


私たち二人はそんな彼女の元に近寄ろうとしたのに金色の同じ容姿をした女性たちがそれを邪魔するのだった。

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