1節 最上階へ
メアちゃんと共に階段を上がる。螺旋階段となっているようだ。
「メアちゃん、ちょっと待って」
私は先頭で階段を上がるメアちゃんに声をかける。彼女はこちらを見てむすっとした顔で止まる。
私は本を取り出してページを開いてみる。
『金に女……いいねぇ』
私は本を力強く叩き落とす。
「大丈夫?」
こちらを見て心配そうにするメアちゃん。
「大丈夫だよ」
私は本をもう一度開く。
『いてーよ。上にいる奴には気を付けろ。頭の中は金だらけだから』
なんだよ、そのヒント。この建物を見てれば分かるわ。いや、待てよ。金にこの建物にあの放送の声。なるほど、そんなに見たことないから忘れてた。
「行こうか、メアちゃん。お偉いさんに会いに……」
「うん」
私たちは階段を駆け上がる。どうやら止まっていたところがちょうど真ん中だったようだ。
「ここも黄金かよ……さすがお偉いさんだな」
目の前にある大きな黄金の扉に向って言う。私とメアちゃんはその扉を押した。
そこにいたのは大量の女性の人たち。見たところ下の審判の人たちと全く同じ容姿だった。そして床にも壁も見るからにどこも黄金で眩しかった。
「ここでウハウハかよ、お偉いさん……いや、校長!!」
そう言うと指を鳴らす音と共に女性たちが道を開ける。その隙間から現れたのは私たちの学校の校長だった。
「よう、君が海塚君でそちらがメアさんか。さぁ、中へ」
メアちゃんが足を踏み入れようとするのを腕を掴んで止める。
「無攻……いいよ。メアちゃん」
何も起こらなかった。メアちゃんは黙って中に入る。
「だが否定はしておかないとなぁ……」
後ろの黄金の扉が止まる。激しい音とその扉の閉まる際に起きた風で体が前のめりに倒れそうになったが、なんとか踏ん張った。
「同じ顔の相手でウハウハするわけなかろう?何をするかはすぐに分かる」
彼はにこやかに私たちを見る。
黄金の壁に映る私たちの表情は不安という表情を映していたのかもしれない。




