3節 黄金の女性たち
目の前にいる女性たちは彼の言葉を聞くなり、私たちのことを見て動き始めた。どうやらそれぞれに何やら指を動かしている。私も使用している筆術だろう。だが何を言ってるのかは一斉に話し出しているので聞き取りにくい。
だが、火や氷などが私たちに向かって放ってくるのは目で見ても分かる。
「やっぱりね。私が下に落ちた時にほかの人々が大量の黄金の液体に沈んでいくと思ったらこういう仕組みだったのね。能力だけ奪うなんて」
セロリアさんはこの部屋にいるものに対して言い聞かせるようにそう言った。
「セロリアさん、あなたはなぜいるの?」
私のそのセリフににんまりと笑って彼女は答えた。
「私は当日限定というデメリットはあるけど、私が付着させた血の場所へ留まることや移動することができるの。まあ、あなたが使用しているものから考えるとクローゼットに隠れていたといった感じかしら」
鎌を振り回しながら黄金の女性たちに応戦している彼女はそのまま話しかけてくる。
「意外とつらいわね。さすが黄金といったところかし……」
あれ?なんか部屋の中にいる者たちの様子がおかしい。まるで止まっているかのような……。
しかしその中に一人の黄金の女性が私に向って殴りかかろうとしている。
なるほど……眼鏡野郎の「無」の能力か。
「あなたはなぜ止まらない?」
「その理由は二つある。私がこの本を手にしているのとあなたのうざいオリジナルともうすでに戦いましたからね」
私は黄金の女性に本を見せながら言う。言い終えた後にポケットの中に本を入れた。
「ならば他の人たちを……」
「ごめん。それも無理だ。無封状態改始」
セロリアさんに向かって飛び交うその黄金の女性だったが、彼女の鎌によりあえなく首を切り落とされてしまった。
そんなセロリアさんは私を見るなり、急に顔を赤めた。
「海塚さん、私に何かしました?」
「何かって?」
「その……私の体を触れたり……」
「してない。してない。断じてしてないです」
「なら……いいわ。今の水に流しておいて」
「流せる水ここにないと思うんですけど……」
「分かったわよね?う・み・づ・か・さ・ん?」
こちらを見て黄金の女性の首を掴んでもう片方の腕に持つ鎌でその首を切り落とすその姿は吸血姫ではなく死神の王妃のようだった。私は素直に返事をする。
「はい、承知いたしました。姉貴」
「姉貴ではない、姉御よ」
「はい、姉御」と私は姉であることはいいのかと思いつつも、そう答えた。
「よろしい」
私たちはそのまま他の黄金の女性たちを片っ端から倒していく。徐々にメアちゃんの姿も見えてきた。




