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【Aルート完結】バドミントン ~2人の神童~【Bルート連載中】  作者: ルーファス
Aルートおまけ:ヤンデレの美奈子に死ぬほど愛されて眠れない隼人編
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おまけ第2話-A:少しはダクネスさんの言う事を否定してくれないかなあ!?

 ダクネス VS 美奈子。そのしょ~もない死闘の行方は…。

 かくして今回の美奈子とダクネスによる、スイス全土のカップラーメンの存続を賭けた決闘の開催が、国王陛下によってスイスの全国民に急遽通達された。

 国王陛下とシュバルツハーケンの首脳陣による臨時の緊急会議の結果、今回の決闘は2025年5月1日の木曜日の夕方6時に、シュバルツハーケンの本拠地・レイクランドアリーナにて行われる事となった。

 その日はシュバルツハーケンが遠征先のルツェルンから帰還し、さらに金曜日からの3連戦の対戦相手のアンガーファルゲが移動日で、試合が無いからである。

 その空いた時間を有効活用して、今回の決闘が非公式のエキシビジョンマッチとして、急遽開催される事が決まったのだが。


 現シュバルツハーケンのエース VS シュバルツハーケンで17年間プレーした日本人という、要注目の対戦カードである事。

 それに加えてスイス全土のカップラーメンの存続が掛かっているなどという、しょ~もない緊急非常事態だという事もあって、2万枚用意された今回の電子チケットが、ネットで予約開始直後に僅か数秒で即完売する事態になってしまった。


 さらにカップラーメンがスイスから消えて無くなるかもしれないという事で、スイス全土のスーパーやコンビニにおいて、雪崩のように大量に押し寄せた客によるカップラーメンの買い占めが発生。

 スイス全土のスーパーやコンビニからカップラーメンが消えて無くなる事態になってしまい、各種フリマアプリでもカップラーメンの高額転売を行う馬鹿共が大量発生。

 最早希少品と化してしまったカップラーメンを巡って、各地で暴動も起きる騒ぎになってしまった。

 

 それもこれも、全部隼人が悪いのだ。

 毎日毎日、美奈子が隼人の為に、愛情たっぷりの手料理を沢山振舞ってくれているというのに。

 それなのに美奈子に対して、急にカップラーメンを食べたくなったなどと愚かな事を言うから、こんな事になってしまったのだ。


 そんなこんなで2025年5月1日の木曜日の、美しい夕陽に包まれた夕方6時。

 シュバルツハーケンの本拠地であるレイクランドアリーナに、今回のダクネスと美奈子による決闘を見届けようと、2万人もの観客が一斉に駆けつけた。

 念入りに準備運動と柔軟体操を行うダクネスと美奈子に、観客席から凄まじいまでの大声援が届けられたのだが。


 「さあいよいよ運命の日がやってまいりました。このスイスの地におけるカップラーメンの存亡を賭けた、ダクネス・アンダーソン選手と須藤美奈子選手による決闘が、今まさに始まろうとしております。」


 その騒動の最中、折り畳み机とパイプ椅子による急ごしらえの解説席から、テレビ局の男性アナウンサーによる実況が体育館中に響き渡る。

 

 「実況は私、SSX放送局のケビン・シーゲルが。解説は元シュバルツハーケンのエースであり、現在はアレクシス高校バドミントン部のコーチを務めていらっしゃいます、藤崎六花さんに来て頂きました。藤崎さん、本日はどうぞよろしくお願い致します。」

 「はい、よろしくお願いします。うふっ(笑)。」


 そして彼の隣の席に座っている、首元にネクタイを締めたリクルートスーツ姿の六花が、笑顔で隼人にウインクをしたのだった…。


 「六花さんんんんんんんんんんんんんんん(泣)!!」


 そんな六花の凛々しい姿を、なんかもう泣きそうな表情で見せつけられている隼人。

 さらに六花の隣の席には、もうすっかり元気になった彩花が猫みたいにちょこんと座り、その彩花の隣の席には静香が背筋をしっかりと伸ばし、堂々と座っている。

 その藤崎家の3人にも、観客席から凄まじいまでの大声援が届けられたのだった。


 元シュバルツハーケンの背番号1で、スイスにおける『英雄』。

 その六花の娘であり、先日プロにはならない事を正式に表明しながらも、隼人と共に『神童』と呼ばれている程の実力の持ち主である彩花。

 六花の義理の娘であり、シュバルツバーケンと練習生として契約しており、高校卒業後に正式にプロの選手として契約する事が決まっている、『天才』の異名を持つ静香。


 まさにバドミントンにおける伝説級の顔ぶれであり、シュバルツハーケンのファンである地元住民から歓迎されてしかるべきと言った所だろう。


 「それにしても、まさかこのユニフォームに再び袖を通す日が来るなんてね。」


 準備運動と柔軟体操を終えた美奈子が、何だか感慨めいた表情をしていたのだった。

 戦力外通告を受けて引退する前に着用し、静香が正式契約後に継承する事が既に決まっている、主力選手の証である一桁の背番号の『9』が印字された、シュバルツハーケンのユニフォーム。

 最早二度と着る事は無いと思っていた、大切な思い出の品としてタンスの中にしまっていたユニフォームに、まさかこうして再び袖を通す事になろうとは。

 本当に今の世の中、何が起こるか分かった物では無いと…そんな事を美奈子は考えていたのだが。


 「隼人君?ちゃんと公平にジャッジしないと駄目よ?分かった?」

 「て言うか母さん!!何で僕が審判を務める事になってるんだよお(泣)!?」


 高台の上に座らされた隼人が、美奈子とダクネスに抗議をしたのだった。


 「お前は何を馬鹿な事を言ってるんだ須藤隼人。この3人(彩花、静香、六花)に今日の試合の審判などやらせてみろ。」


 そんな隼人に対してダクネスが、解説席に座る六花たちを指差しながら行った反論は、こうだ。



 『アウト!!0-8!!』

 『おい藤崎彩花!!今のは明らかに入ってただろうが(泣)!!』

 『美奈子さんの言う事は全て正しい!!美奈子さんにポイントを入れておけば何も間違いは無い(笑)!!』

 『何じゃそりゃあああああああああああああああ(泣)!!』



 『ゲーム、専業主婦、須藤美奈子!!0-21!!チェンジコート!!』

 『おい朝比奈静香!!今のは誰がどう見てもアウトだろうが(泣)!!』

 『美奈子さんが試合をシていらっしゃるというのに、他の方にポイントを入れるなんて(笑)!!』

 『はああああああああああああああああああああ(泣)!?』



 『ゲームセット!!ウォンバイ、専業主婦、須藤美奈子!!ツーゲーム!!0-21!!0-21!!』

 『りっりっりっりっ六花殿(泣)!!』

 『負けるのは、お前だあああああああああああああああああ(笑)!!』

 『ひぎゃああああああああああああああああああ(泣)!!』



 「…てな事になるのが目に見えているだろうが。だから消去法でお前しか、審判を任せられる奴が居ないんだよ。(´・ω・`)」

 「いやいやいやいやいや!!まさかこの3人が、そんな不正行為を働くだなんて、そんな馬鹿な話が…(泣)!!」


 あまりのダクネスの滅茶苦茶な反論に対して、隼人がすがるように解説席の六花たちに助けを求めたのだが。


 「でへへ(笑)。」

 「ふひひ(笑)。」

 「うふふ(笑)。」


 六花たちは否定しなかったのだった…。


 「お願いだから3人共!!少しはダクネスさんの言う事を否定してくれないかなあ(泣)!?」


 完全に四面楚歌の状態になってしまった隼人なのだが、それでも時間は待ってくれない。

 コート上に歩み寄られた国王陛下が、ダクネスと美奈子に対して語りかけた。


 「此度の両名の決闘は神聖な物であり、勝敗の結果に関しての異議申し立ては、理由の如何いかんを問わずに一切認めない物とする。両名共に互いの誇りと尊厳を賭けて、正々堂々と戦うように。」


 そして右手を高々と掲げ、決闘開始の宣言を告げたのだった。


 「それでは両名共に、決闘を開始せよ!!」

 「国王陛下!!やっぱり考え直して貰えませんかね!?こんなんでスイス全土のカップラーメンの命運が決まるなんて、どう考えてもおかしいですってば(泣)!!」

 「え~?やだよ~。だってそんなの、つまんないじゃ~ん(笑)。」

 「何でこんな人がスイスの統治者を務めてるんだああああああああああ(泣)!?」


 国王陛下によるゴリ押しで、問答無用で始まってしまった今回の決闘。

 ダクネスが勝てば毎週日曜日を『カップラーメンの日』と定められ、スイス国民は最低1食はカップラーメンを食べる事を義務付けられてしまう。

 美奈子が勝てばスイス全土から、カップラーメンが消えて無くなってしまう。


 つーか、こんな馬鹿げた決闘を面白半分に承諾してしまうとか、国王陛下は頭がどうかしてるんじゃないだろうか…。 


 「スリーセットマッチ、ファーストゲーム、ラブオール!!シュバルツハーケン、ダクネス・アンダーソン、ツーサーブ(泣)!!」

 「さあ、掛かって来なさい、ダクネスちゃん!!」


 妖艶な笑顔で、黒衣を発動させた美奈子だったのだが。


 「カップ~~~~~~~~!!ラ~~~~~~~メ~~~~~~~ン!!」


 ダクネスが繰り出した必殺のサーブが、情け容赦なく美奈子に襲い掛かる。

 強烈な威力で放たれたシャトルが、美奈子のラケットの手前で急降下。

 それがまるで雪崩のように、ラケットを空振り三振させた美奈子の後方へとズルズルと滑り落ちたのだった。


 「1-0(泣)!!」

 「いきなり繰り出してきました!!ダクネス選手の必殺のグライドサーブ!!これこそが『皇帝』ダクネス・アンダーソンの真骨頂だぁ!!」


 アナウンサーの実況に、観客席から凄まじいまでの大歓声が送られる。


 「藤崎六花さん、今のプレーはどう御覧になられましたか?」

 「ダクネスのカップラーメンに対する揺るぎない信念が込められた、とても素晴らしい一撃でした。」


 カップラーメンに対する揺るぎない信念って何なんだよ。


 「ただ、美奈子さんはカップラーメンに対して激怒なさっているようですが、私はそこまでカップラーメンを否定するつもりはありません。」

 「ほう、と言いますと?」

 「要は食べ方の問題なんです。カップラーメンを主食にするのではなく、作者のように栄養バランスの取れた食事をきちんと用意した上で、さらにもう一品としてカップラーメンを食べなさいよ、という事です。」

 「成程…!!」


 当たり前の話だがカップラーメン単品だけでは、まともな栄養など摂れるはずが無い。

 しっかりと栄養のバランスを考えてさえいれば、カップラーメンを食べる事自体が問題にはならないよと、そう六花は告げているのだ。

 六花からの的確なアドバイスに、観客席からおおっ…!!という感嘆の声が響き渡る。


 「それと大事なのはスープを飲まない事です。カップラーメンのスープには味付けの為に塩分が多く含まれているので、スープを飲んでしまうと塩分の過剰摂取になってしまいかねませんからね。」

 「2-1(泣)!!」

 「あと私が勧めるのは、カップラーメンの中に少量の寒天を混ぜて食べる事です。寒天には食物繊維が豊富に含まれていて、便秘の改善の効果もありますからね。」

 「3-1(泣)!!」


 寒天はスーパーで普通に手に入る食材なのだが、予め細かく切り刻まれた糸状の寒天も販売されている。

 それをカップラーメンの中に少量入れる事で、食物繊維を手軽に摂取出来るという訳だ。

 寒天は単体では全くの無味無臭の食材なので、カップラーメンに限った話ではないのだが、少量なら混ぜても料理の風味を損なう事は無い。

 読者の皆さんも、是非一度試されてはいかがだろうか?

 

 「それらをしっかりと頭の中に入れた上で食べるのであれば、作者のように週に一度食べる位だったら、特に問題は無いと思うんですけどね。」

 「見事な解説、痛み入ります。藤崎六花さん。」

 「だからと言って、美奈子さんが毎日愛情たっぷりの美味しい手料理を振舞ってくれていると言うのに、それを安易にカップラーメンを食べたいとか言い出す隼人君にも、問題があると思いますけどね(笑)。」


 全くもって六花の言う通りである。


 「て言うか六花さん!!お願いですからバドミントンの解説をして下さいよぉ(泣)!!」


 隼人の魂の叫びが響き渡る最中、ダクネスの猛攻が美奈子に対して情け容赦なく襲い掛かる。

 流石は『皇帝』ダクネス・アンダーソン。いかにスイスの過酷なプロリーグで17年間も戦い抜いた美奈子と言えども、簡単に勝たせてくれる相手では無いのだ。

 それでも美奈子は持ち前の経験と技術を活かし、懸命にダクネスに食らいつくのだが。


 「5-2(泣)!!」

 「おい須藤隼人!!今のは確かに際どかったがアウトでは無いのか!?」

 「だって母さんが、公正にジャッジしろって言うから(泣)!!」

 「ちっ。」


 そんな隼人に対してダクネスが、とてもウザそうに舌打ちしたのだった。


 「こんな事になるなら須藤隼人のケツの穴に、私の指をねじ込んでおくべきだったな。」

 「ダクネスさん!!今、何気にさらりと、とんでもない事を言いませんでした(泣)!?」


 悔しがるダクネスに対して美奈子が、勝ち誇った笑顔を見せる。


 「ふふん、こうなったのは当然の結果よ。」


 そんなダクネスに対して黒衣を纏った美奈子が、渾身のスマッシュを浴びせたのだが。


 「だって隼人君は私の…!!いいえ!!『私たちの』子ですものぉっ!!」

 「アウト!!6-2(泣)!!」


 実の母親が相手でも容赦はしない隼人なのであった…。


 「隼人君!!私は貴方の事を、そんな子に育てた覚えは無いわよ!?」

 「だって公正にジャッジしろって、母さんが僕に言い出したんじゃないかよお(泣)!!」

 「ちっ。」


 そんな隼人に対して美奈子が、とてもウザそうに舌打ちしたのだった。


 「こんな事になるなら隼人君のお口の中に、私の舌をねじ込んでおくべきだったわ。」

 「母さん!!今、何気にさらりと、とんでもない事を言わなかった(泣)!?」


 しょ~もない死闘を繰り広げるダクネスと美奈子に対して、観客たちが物凄い形相で大声援を浴びせる。

 何しろこの決闘に、スイス全土のカップラーメンの命運が掛かっているのだ。

 観客たちが必死になるのも、仕方が無いのかもしれないが。


 「13-7(泣)!!」

 

 それでも現在も毎日鍛練を重ねているとはいえ、既に引退した身で40歳を超えている美奈子では、黒衣の力を借りてもなお、やはり現役のトッププロであるダクネスが相手では流石に分が悪いと言うべきか。


 「17-8(泣)!!」


 懸命に粘る美奈子を、ダクネスが情け容赦なく突き放していく。


 「カップラーメンの味付けにアクセントが欲しいのであれば、少量の七味唐辛子やタバスコの使用がお勧めですよ。入れ過ぎると逆に味が死ぬので気を付けて下さいね。」

 「20-10(泣)!!」


 相変わらず六花が、バドミントンの解説を一切しない最中。


 「ゲーム、シュバルツハーケン、ダクネス・アンダーソン!!21-11!!チェンジコート(泣)!!」


 ファーストゲームを奪ったのは『皇帝』の貫録を存分に見せつけたダクネスだった。

 勝ち誇った笑顔のダクネスとは対照的に、とても厳しい表情で2分間のインターバルの為にベンチへと戻った美奈子。

 このままではスイス全土が毎週日曜日を『カップラーメンの日』と定められてしまい、スイス全国民が日曜日にカップラーメンを食べる事を義務付けられてしまう。

 

 「お、おい母さん…(泣)。」

 「いいえ、まだよぉっ!!」


 だがそんな事はさせまいと、突然美奈子が神衣を発動したのだった。

 まさかの事態に体育館中が、物凄い騒動に包まれてしまう。


 「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい(泣)!?」

 「隼人君。今日の晩御飯はビーフシチューよ?楽しみに待っててね?」


 なんかもう泣きそうな表情の隼人に対し、神衣を纏った美奈子が物凄い笑顔を見せたのだった…。

 次回、ビーフシチュー。

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