確信してる。
2月28日、今日は新潟の公立高校の受験日である。
そこで俺と中野は鷹宮と三浦の応援のために二人が別れる長岡駅まで着いて行くこととなった。
「ありがとうございます。来てくれて」
「いやいや、私からいきたいって言ったんだから」
中野は直前にあんだけ面倒見たんだからと自分から行くことを申し出た
そんな中、空が異様なまでに晴れていた。
「夏山!ついてきてくれてありがとな」
「長岡駅までだけどな」
そして、成り行きで俺も一緒について行くこととなった。
駅の電光掲示板には受験生への応援のメッセージが出ていた。
「三浦は長岡からも同じ路線だから乗り通すのか」
「そう。だから多分車内で別れる感じになる」
「で、鷹宮が乗り換えだからホームの前で分かれる形になるかな」
「そうですね。」
「じゃあ長岡駅まで行くんだし、どっか行こうかな〜寺泊まで足伸ばしてもいいかも
「美咲さん?受験生の前で呑気にそんな話してるんですか?」
「………はい、アキラ。すみません」
「俺には謝らなくていい。鷹宮と三浦だ」
そうそっけない態度を取った。しかし、中野の顔をずっと見ていた。
「ハイ」
そんな話をしていたら列車が駅に入ってきた。
「じゃあ、私から二人にそれぞれ一言づつ。」
そう中野が言った
「まず三浦!三浦はちょっと行動がアレだけど、ちゃんと勉強はいい成績を残してるし、何よりも三浦の取り柄はパッション!!体育祭も、合唱コンもパッションでなんとかしたでしょ。」
「ふふっ、そうだったわ。懐かし!」
「だから今日もあんたのパッションでなんとかしてかな!!応援してる」
中野が言い終わると、三浦はさっきまでよりもっと高い笑顔を見せた。
「ありがと!そうだわ、今日も、パッションでなんとかしてくるわ!」
そう言って三浦は大きく口を開けて笑った。
「そして鷹宮!」
「はい。」
「あんたは勉強量がエグい。なんなら多分私より勉強してる」
「そう言われると、なんか嬉しいですね。」
「だからその分の自信と鍛えた頭で長岡城町高へのチケット、掴んでこい。」
そう言って中野は鷹宮の肩を叩いた。
「わかりました。取ってきますよ。」
そういう鷹宮の顔にはさっきまではなかった安心感が混ざっていた。
「じゃあ、夏山、あんたからも一言」
「まあ、そうなるだろうけど、せめて言ってからやってくれない?」
「いやまぁ、いいじゃん?いうことあるでしょ。」
「ない。」
そう言った瞬間、車内が凍りついた。
「まあ、そんな反応するだろうな。だけど、もう、俺が何も言わなくても大丈夫だと思ってる。だから、いうことはない」
「……………ほぅ」
「鷹宮は一回学力で勝負したし、三浦は3年間、ずっと見てきた。だから、確信してる。絶対合格するって」
「だけど、一つだけ言うなら、心配するな。前を向け。きっと明日は晴れる。」
「………言うこと、あるじゃないですか。」
鷹宮の頬を一筋何かがこぼれたのが見えた。
「はいよ。じゃあ頑張ってくるわ」
三浦がそう返事した。
直後、列車は長岡駅に入った。
「じゃあ、頑張れよ!!」
そう言って別れた。
鷹宮とも、駅のホームで別れた。鷹宮は乗り換えの電車に乗る時にはすっかり落ち着き、笑顔を見せていた。
「じゃあ、帰るか。」
俺がそう言った瞬間、中野が慌てた。
「いや普通にキセル乗車になるから改札出て!!」
「………あ、はい。」
そして俺たちは改札を出て再入場し、帰ることになった。
ふと電車の外を見上げる。朝と同じく、異様なくらいの快晴だ。その快晴は湿気を奪って、地面に乾いた風を吹かせていた。




